40歳代後半からはじめるNISA、今からしたいこと。鍵はシミュレーション
IFAとして40歳代後半からはじめるNISAについてお伝えしたいのは、まずは、目標額を決めるところからです。
まず目標額を「試算」で具体的な数字にすることです。漠然とたくさん必要と思い込むと、不安ばかりが大きくなります。手元の資産や見込みの年金をもとに老後の不足額を試算してみると、意外と現実的な金額に落ち着くことも少なくありません。目標がはっきりすれば、毎月の積立額も、必要な運用期間も見えてきます。過度なリスクを取らずに済む、と分かることもあります。
目標額が見えたら、次は商品選びです。
商品選びについては、まず一つの商品や資産に偏らず、分散をすること。日本株に連動する投資信託だけ、世界株に連動する投資信託だけ…といった一点集中は、その資産が不調のときに弱くなります。基本的に積立投資は10年、20年…と長期的に積み立てを継続することでリターンを求めることになるもの。「長期間投資したいと思える商品」を選ぶことが大切です。不安なのであれば、リスクを軽減するためにも分散して投資をするといいでしょう。
また、それぞれの値動きの特性とリスクを理解してから組み合わせることです。たとえば金融商品の場合は、株式は値動きが大きい一方でリターンも期待でき、債券は比較的おだやかに利子を受け取れる、といった性格の違いを踏まえると、自分でもどう配分すべきかわかるでしょう。
日本株と全世界株式に投資する投資信託であれば、日本株は一国集中で投資をしており、全世界株式であれば投資することを分散しているなどの違いがあります。また、未来のことはわからないので過去の実績がそのまま運用成績となることは期待できませんが、これまでの実績をもとにシミュレーションをしてみるのも一つです。いずれもメリット・デメリットがあるので、それらを洗い出して自身が投資したいと思えるものを選んでいくことが大切です。
野村證券で勤務経験のある監修者からのアドバイス
NISAをはじめるときに知っておきたい用語
最後に本文で触れた、NISAをはじめるときに知っておきたい言葉を整理しす。
- NISA・つみたて投資枠:NISAは、投資で得た利益にかかる税金が一定の範囲で非課税になる制度です。「つみたて投資枠」は、そのうち、長期の積立・分散に向いた投資信託を、毎月少しずつ積み立てていくための枠です。
- 投資信託:多くの人から集めた資金を、専門家が株式や債券などに分散して運用する商品です。手数料がありますが、特に保有している間、運用管理の費用(信託報酬)がかかるので確認しましょう。
- インデックス運用:特定の株価指数に連動することをめざす運用です。市場全体の動きにあわせて値動きするのが特徴です。
- 分散:値動きの異なる資産に資金を分けて持つことで、一つの資産が値下がりしたときの影響をやわらげる考え方です。
- 手数料(信託報酬など):投資信託を保有している間にかかる、運用管理の費用などです。長く持つほど、最終的な成果に効いてきます。
ファイナンシャルアドバイザー。一種外務員資格及びAFP。SMBC日興証券出身。証券会社でのリテール営業の経験を活かし、現在はIFAとして老後資金の準備や相続相談などを得意とした個人向け資産運用コンサルティング業務を行う。
野村證券株式会社出身。FP2級・証券外務員一種を保有。国内外株式、投資信託、債券、保険商品まで幅広い資産運用に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集長として記事も執筆。

老後資金づくりは、「いくら」と「何を」の二つでつまずきがちです。けれど、どちらも一度に完璧に決める必要はありません。
まず試算で目標額のあたりをつけ、次に、値動きの違うものを組み合わせて商品を整えていく。この順番で一つずつ進めるだけで、迷いはずいぶん軽くなります。
証券会社で勤務していた経験を振り返り思うのは、始めるのに「遅すぎる」ということは、案外少ないということです。40歳代後半や50歳代からでも、目標を定めて無理のない範囲で続ければ、時間はまだ味方になってくれます。
完璧な正解を探すよりも、確かめながら整えていく。まずは、老後の不足額を試算してみることから始めてみてはいかがでしょうか。