新NISAで元本900万円はどう化ける?「預貯金だけ」の15年後にどれほど差がつくのか
kapinon.stuio/shutterstock.com
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新NISAで元本900万円はどう化ける?「預貯金だけ」の15年後にどれほど差がつくのか

【月5万円×15年×利回り3%】積立継続×運用で生じるリアルな差額&老後に向けた資産防衛のヒント

執筆者熊谷 良子編集記者
05:06
新NISAで元本900万円はどう化ける?「預貯金だけ」の15年後にどれほど差がつくのか
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この記事はここがポイント

  • 老後資金2000万円目標の新NISA、30歳開始なら月約2.7万円、50歳開始なら月9万円の積立額。
  • 新NISAは運用益が非課税、2024年から生涯で1800万円まで非課税保有できる制度。
  • 老後資金の準備は公的年金や退職金がベースであり、新NISAは不足分を補う活用法。

将来に向けた資産形成への関心が高まるなか、多くの方が「いつから、どのように始めればよいのか」と考えているのではないでしょうか。

特に、2024年からスタートした新NISAは、これから資産づくりを考えるうえで重要な選択肢の一つ。

若い世代の間でも、資産形成に対する意識は高まっています。

現在行っている資産形成・運用

現在行っている資産形成・運用

合同会社WOZが2026年6月に実施した調査によると、資産形成を行っているZ世代(20~30歳)の会社員のうち、61.0%が「NISA」を活用中と回答。

非課税制度を利用した資産形成が若年層にも広く浸透していることがうかがえます。

また、こうした資産形成への関心は全世代に共通しています。

オリコン株式会社が2026年7月に発表した18~74歳を対象としたNISAの利用実態データによると、NISAで投資を始めたきっかけとして「手元にある資金を有効に運用するため」に次いで、「老後の資金を蓄えるため」が証券会社・銀行ともに5割台に上りました。

手元資金の有効活用や将来への備えが、投資を始める大きな動機となっていることがわかります。

このように、将来を見据えて幅広い世代から利用されているNISAですが、若いうちから早く始めることには具体的にどのような利点があるのでしょうか。

老後資金の準備を例に、具体的なシミュレーションを交えながら「時間」がもたらす効果と新NISAの活用法を解説します。

※なお、投資には元本割れのリスクも伴うため、必ずご自身の余裕資金の範囲内で、無理なく取り組むことが大切です。

若いうちから始めるメリット(複利効果)を確認しつつ、今回は特に「今からでは遅いのでは…」と不安を感じやすい50歳代からスタートするケースにフォーカスしてみましょう。

目標2000万円! 30歳代と50歳代で毎月の積立額はどう変わる?

老後の生活費の不足分として、一つの目安とされるのが「2000万円」です。

これを新NISAの積立投資で準備する場合、開始年齢によって毎月の負担額には大きな差が生まれます。

仮に「年利3%」で運用できたとして、50歳から65歳までの15年間で2000万円を目指すケースを見てみましょう。

毎月の積立額と15年後の資産評価額の試算は以下のようになります。

【積立金額別:年利3%で15年間運用した場合の資産額】

【新NISA】積立金額別「想定利回り3%」積立投資シミュレーション結果

【新NISA】積立金額別「想定利回り3%」積立投資シミュレーション結果
【新NISA】積立金額別「想定利回り3%」積立投資シミュレーション結果
  • 1万円:227万円
  • 3万円:680万9000円
  • 6万円:1361万8000円
  • 9万円:2042万8000円
  • 12万円:2723万7000円

この試算によると、50歳からでは「毎月9万円」を積み立ててようやく2000万円を突破します。

一般的な家庭にとって月9万円の負担は決して軽くないでしょう。

しかし、同じ年利3%の運用でも、30歳から65歳までの「35年間」の期間を確保できれば、毎月の積立額は「約2万7000円」で済みます。

長期間運用することで複利効果が働き、日々の負担を大幅に抑えながら着実にゴールへ近づくことができるのです。

50歳から「月5万円」でスタートした場合の現実と老後の考え方

では、50歳から無理のない範囲として「毎月5万円」を15年間(投資元本900万円)積み立てた場合はどうなるでしょうか。

比較のため、まずは預貯金のみで積み立てた場合(※計算をわかりやすくするため、利息はゼロと仮定)の金額もあわせて、運用成績(年利)による資産評価額の違いを見てみましょう。

【想定利回り別:月5万円を15年間積み立てた場合の資産額】

【新NISA】想定利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果

【新NISA】想定利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果
【新NISA】想定利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果
  • 預貯金(利息ゼロと仮定):900万円(投資元本のみ)
  • 年1%:970万6000円
  • 年2%:1048万6000円
  • 年3%:1134万9000円
  • 年4%:1230万5000円
  • 年5%:1336万4000円

仮に年利3%で運用できた場合、利息がつかない預貯金と比べると、同じ毎月5万円の積立でも15年後には「約234万円」もの差がつきます。

さらに運用が好調で年利5%を達成できれば、元本に400万円以上の利益が上乗せされ、1300万円を超える資産が築けます。

年1%でも約70万円のプラスとなり、総額は1000万円に迫ります。

もちろん、これだけでは目標の2000万円には届きません。

しかし、老後に向けて大きな金額が必要に思えるからといって、すべてを投資で準備する必要はありません。

老後の生活を支えるベースは「公的年金」であり、そこに「退職金」や「預貯金」が加わります。

「足りない分の一部を新NISAで補う」という組み合わせの考え方を持てば、プレッシャーを和らげることにも繋がります。

まずはご自身の家計を見直し、余裕資金の範囲内で活用を検討してみてはいかがでしょうか。

老後に向けて大きな金額が必要に思えるかもしれませんが、すべてを投資で準備しなくても大丈夫です。

生活の土台となる公的年金や預貯金と、新NISAを組み合わせるという考え方が大切です。

まずはご自身の家計を見直し、余裕資金の範囲内で活用を検討してみてはいかがでしょうか。

新NISAの仕組みと非課税ルール

若い世代からシニア世代まで、資産形成の手段としてNISAが利用されている主な理由は、「利益が非課税になる」という点にあります。

通常、株式や投資信託の運用益(売却益や分配金)には20.315%の税金がかかります。

10万円の利益が出た場合、通常は約2万円が引かれますが、NISA口座であれば10万円をそのまま受け取ることができます。

運用期間が長くなり利益が大きくなるほど、この差は開いていきます。

2024年からの「新NISA」における主なルールは以下の通りです。

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴
【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴
  1. 恒久化と無期限化:制度自体が恒久化され、非課税保有期間も無期限
  2. 2つの枠が併用可能:長期・積立・分散投資を対象とした「つみたて投資枠」と、上場株式等も買える「成長投資枠」が同時に利用可能
  3. 年間投資枠の上限:つみたて投資枠で120万円、成長投資枠で240万円まで投資可能
  4. 生涯の非課税保有限度額は1800万円:生涯で最大1800万円(うち成長投資枠は1200万円まで)非課税での保有が可能
  5. 枠の再利用が可能:保有商品を売却した場合、翌年以降にその商品の簿価(買ったときの値段)分の非課税枠が復活する
  6. 少額からの購入:金融機関や商品によっては、数百円程度から購入できる投資信託も存在する

投資信託などは少額から購入できるため、まとまった資金がなくても始められる仕組みとなっています。

まとめ:思い立った「今」が始めどき

物価上昇が懸念されるなか、現金として預貯金に置いているだけでは資産の価値が実質的に目減りしていくリスクがあります。

シミュレーションで確認した通り、投資は運用期間が長いほど月々の負担を軽くすることができます。

「少額・早期・長期」の3原則こそが、資産形成を成功に導くカギとなります。

新NISAは、そうした長期的な資産づくりに相性が良い制度といえます。それぞれのライフプランや余裕資金に合わせて、まずは少額から最初の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

物価高が続く現代においては、単に現金を貯めるだけでなく、自身の資産を守るために「投資」をポートフォリオ(資産の組み合わせ)に上手に組み込んでいくインフレ対策の視点も求められます。

将来のゆとりある暮らしに向けて、手元の生活防衛資金は確保しつつ、大切な資産を守り増やすアプローチとして新NISAのスタートを検討してみてはいかがでしょうか。

※本記事におけるシミュレーション結果は、一定の仮定(利回り等)に基づいた試算であり、将来の運用成果や利回りを約束・保証するものではありません。

※NISAを含む投資信託や株式等の金融商品には、価格の変動等により元本割れとなるリスクが伴います。投資を行う際は、ご自身のライフプランや許容できるリスクを十分に考慮のうえ、最終的な投資判断はご自身の責任(自己責任)において行っていただきますようお願いいたします。

参考資料

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熊谷 良子編集記者株式会社モニクルリサーチ

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