公的年金の平均受給額、男女でどれくらい違う?最新データで見る実態
ここからは、厚生労働省年金局が公表した「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を基に、国民年金と厚生年金の男女差を具体的に見ていきましょう。
国民年金の平均月額、男女差は約4000円
【男性】
- 平均受給額…6万1595円
【女性】
- 平均受給額…5万7582円
国民年金は加入義務があり、保険料も一律であるため、男女間の差は4013円と比較的小さくなっています。
しかし、現役時代の給与や加入期間が反映される厚生年金では、この差が大きく開くことになります。
厚生年金の平均月額、男女差は約5万8000円に拡大。その理由は?
【男性】
- 平均受給額…16万9967円
- 受給権者数…1067万9944人
【女性】
- 平均受給額…11万1413円
- 受給権者数…540万5752人
厚生年金になると、男女間の差は月額で5万8554円にまで広がります。また、受給資格を持つ人の数も、男性が女性の約2倍です。
この差が生まれる背景には、女性が結婚や出産、育児といったライフイベントを機に退職したり、働き方を変えたりするケースが多いことが挙げられます。
その結果、厚生年金の加入期間が短くなったり、現役時代の給与が低くなったりすることが、年金額に影響していると考えられます。
【働き方別】将来の年金はいくら?5つのモデルケースで見る受給額の目安
全体の平均額だけでは、自分自身の将来を具体的にイメージするのは難しいかもしれません。
ここでは、厚生労働省が公表した「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」に記載されている「多様なライフコースに応じた年金額(概算)」を参考に、5つの働き方パターン別の受給目安額を紹介します。
- 【パターン1】会社員として長く勤務した男性(厚生年金が中心)
- 想定:平均収入(月額換算)約50.9万円で約40年就業
- 年金月額の目安:17万6793円
- 【パターン2】自営業・フリーランスとして働いた男性(国民年金が中心)
- 想定:厚生年金への加入期間が約7.6年と短く、大部分が国民年金
- 年金月額の目安:6万3513円
- 【パターン3】キャリアを重ねた女性(厚生年金が中心)
- 想定:平均収入(月額換算)約35.6万円で約33年就業
- 年金月額の目安:13万4640円
- 【パターン4】自営業として働いた女性(国民年金が中心)
- 想定:厚生年金への加入期間が約6.5年と短い
- 年金月額の目安:6万1771円
- 【パターン5】専業主婦の期間が長い女性(第3号被保険者が中心)
- 想定:扶養内で過ごした期間が長く、厚生年金の加入期間は約6.7年
- 年金月額の目安:7万8249円
この結果から、同じ期間働いたとしても、厚生年金への加入歴の有無によって、将来受け取る年金額に月額10万円以上の差が生じる可能性があることがわかります。
関連タグ
早大卒。証券外務員二種・相続診断士。15年の書籍校閲で培ったファクトチェック力を武器に、一次資料に基づく「お金と暮らし」の分析記事を担当する編集記者。認知症介護経験をいかし、読者目線に立った情報発信も。
PROFILE
【保有資格】 二種外務員資格(証券外務員二種)、相続診断士、認知症介助士、終活ガイド1級
【経歴】 早稲田大学第一文学部卒業。
二種外務員資格(証券外務員二種)を保有し、15年以上にわたる書籍校閲で培った「ファクトチェック力」を武器に、現在は株式会社モニクルリサーチLIMO編集部に所属、くらしとお金の経済メディア『LIMO』にてパーソナルファイナンス系記事の編集・執筆を担当。
厚生年金保険・国民年金、貯蓄、家計管理など暮らしに不可欠なテーマについて、厚生労働省・日本年金機構・総務省などの一次データをもとに読み解く分析記事を得意とする。
プライベートでは認知症の家族介護に直面し、ビジネスケアラーとして仕事と家庭の両立に葛藤した経験を持つ。大手人材派遣会社の採用管理部門での就業経験もあり、仕事と実生活を通じて「就業と将来設計の密接な関係」を痛感している。
長年の紙媒体で培った編集力に、一人の生活者としてのリアルな実体験を掛け合わせ、読者目線に立った信頼性の高い情報を発信。執筆記事はYahoo!ニュース「経済ランキング」で多数の1位を獲得している。
