この記事はここがポイント
- 厚生労働省令和7年調査、部長職の平均年収約1017万円
- リスクモンスター社調査、会社員の41.3%が他社を羨む理由、給料・福利厚生・安定性
- 2026年夏季賞与、帝国データバンク調査で37.1%の企業が増加、平均支給額は47万7000円
2026年7月中旬、夏のボーナスが支給され、使い道を考えている方も多いのではないでしょうか。 筆者はこれまで、人材業界でのキャリア支援や生命保険会社での勤務を経て、現在はファイナンシャル・アドバイザーとして多くの方の人生設計やお金の相談を承っています。中には、同僚や友人のボーナス額を聞いて、ご自身の状況に不安を感じたり、他社の待遇を羨ましく思われたりする方のお悩みを数多く耳にしてきました。 この記事では、最新の意識調査をもとに、気になる中間管理職のリアルな年収や今夏の賞与動向について詳しく解説します。
「他社が羨ましい」会社員は41.3%。「隣の芝生は青い」と感じる本音を調査から探る
リスクモンスター株式会社が実施した「第7回「隣の芝生(企業)は青い」調査」によれば、知人や友人が勤める会社を「羨ましい」と感じた経験がある人は41.3%に達しました。この数値は前回調査から8.0ポイントも増えており、他人の職場環境がより魅力的に見える傾向が強まっていることがわかります。
知人の会社が羨ましい理由トップ3とは?やはり「給与」と「安定性」が重要か
他人の職場を羨ましく思う理由として、以下の3つが上位に挙がっています。金銭面や企業の安定性に対する関心の高さは、調査が始まって以来、変わらず高い水準を維持しています。
- 1位:給料が高い(63.9%)
- 2位:福利厚生(が充実している)(44.5%)
- 3位:会社に安定性(がある)(38.5%)
「羨ましい」と感じる勤務先ランキング!公務員とトヨタ自動車が7回連続でトップ3入り
具体的にどの勤務先が羨望の対象となっているかについては、公務員や日本を代表する大手企業への根強い人気と安定志向がうかがえる結果となりました。
「羨ましいと思う勤務先」ランキングトップ20
- 1位:地方公務員(14.7%)※7回連続トップ3
- 2位:国家公務員(12.8%)※7回連続トップ3
- 3位:トヨタ自動車(3.9%)※7回連続トップ3
- 4位:伊藤忠商事(3.1%)
- 5位:NTTドコモ(2.9%)
他社を羨ましく思うのは「自社への不満」が原因?羨望を感じやすい人の特徴
どのような人が他社の状況を羨ましいと感じやすいのでしょうか。回答者の属性や現在の仕事に対する満足度から、次のような傾向が明らかになりました。
- 高い割合で羨望を感じる属性:「女性」(48.0%)や「既婚者」(46.2%)、「ベンチャー企業」(54.5%)に勤務している人
- 仕事への満足度との関係:自社に「満足していない」と回答した人の6割以上が、他人の勤務先を羨ましいと回答
特に、自身の現在の年収額にかかわらず「高収入な職場」を羨む意見が多く見られ、周囲の待遇と比較して自社の労働環境を再評価する人が増えていると考えられます。
調査概要・調査名称 : 第7回「隣の芝生(企業)は青い」調査・調査方法 : インターネット調査・調査エリア : 全国・調査期間 : 2026年3月5日(木)~3月6日(金)・調査対象者 : 20~59歳の男女個人 800人・有効回収数 : 800サンプル
うちの部長は年収1000万円超え?役職別に見る中間管理職の平均年収
厚生労働省が公表している「令和7年賃金構造基本統計調査 役職別」を基に、中間管理職の平均的な年収はどのくらいなのかを確認してみましょう。
※この記事で扱う賃金は、調査対象年の6月分における所定内給与額の平均値です。これは、実際に支払われた給与から時間外手当などを除いたもので、所得税などが差し引かれる前の額面金額を指します。
中間管理職の平均年収一覧表
【ボーナス込み試算】役職ごとの平均年収の目安
※賞与が年2回(合計4カ月分)支給されると仮定し、6月分の所定内給与額を基に試算しています。
- 部長職:約1017万円(平均53.1歳/月収63万5800円)
- 課長職:約846万円(平均49.5歳/月収52万9200円)
- 係長職:約638万円(平均45.4歳/月収39万9200円)
- 非役職者:約504万円(平均41.8歳/月収31万500円)
もちろん、実際の賞与額は勤め先や個人の業績で変わります。しかし、国税庁の「令和6年分民間給与実態統計調査」による日本の給与所得者全体の平均年収478万円と比べると、中間管理職の給与水準は高いといえるでしょう。非役職者と比べた場合、賃金の差は部長で約2.05倍、課長では約1.7倍にもなります。
近年、業務の複雑化や責任の増大を理由に、管理職への昇進に慎重な考えを持つ人も増えており、キャリアパスの多様化が進んでいます。一方で、組織を牽引するやりがいや、固定給が大幅にアップするという明確な経済的メリットがあるのも管理職の魅力です。
2026年夏のボーナス動向!支給額が「増える」企業は37.1%、平均は約47万7000円
帝国データバンクが発表した「2026年夏季賞与の動向アンケート」から、2026年夏のボーナスに関する動向を見ていきましょう。
2026年夏のボーナス支給状況と企業規模による違い
夏季賞与の支給状況
支給状況:
賞与が「増加する」と回答した企業は37.1%で、前年比で3.4ポイント上昇しました。「変わらない」と回答した37.2%の企業と合わせると、約7割以上の企業で賞与の支給が維持または拡大される見込みです。
企業規模による格差:
賞与が「増加する」と回答した割合は、大企業で44.4%にのぼる一方、中小企業では36.0%、小規模企業では31.4%と、企業の規模によって明確な差が生じています。
平均支給額:
正社員1人あたりの平均支給額は47万7000円で、前年より1万8000円増加しました。支給額のボリュームゾーンは「30万円~50万円未満」で、全体の37.0%を占めています。
企業の業績回復や物価高への対応を背景に賞与は増加傾向にありますが、不安定な中東情勢などが抑制要因となる可能性もあり、ボーナスは変動しやすい性質を持っています。このため、より安定的に年収を向上させる手段として、固定給(役職)の重要性に着目する人も少なくありません。
まとめ:自分のキャリアを見つめ直す機会に
キャリア支援とマネー相談、両方の現場を見てきた筆者から、ご自身の人生を豊かにするためのアドバイスを3つお伝えします。
- キャリアの棚卸しで「自分軸」を明確にする
他社を羨む気持ちは「今の働き方を見直すサイン」でもあります。まずはご自身のスキルや経験を棚卸しし、仕事に何を一番求めているのか(給与、やりがい、環境、安定など)の優先順位をはっきりさせましょう。 - ボーナスは「使う・貯める・増やす」に色分けする
まとまったお金が入るボーナスは、資産形成の絶好のチャンスです。すべてを生活費やご褒美に充てるのではなく、当面使わないお金は投資(新NISAなど)に回して「お金に働いてもらう」仕組み作りを検討してみてください。 - 他人の懐事情より、自分自身の「ライフプラン」を描く
幅広い世代のお客様の相談に乗る中で感じるのは、万人に共通するお金の正解はないということです。他人の年収と比較するのではなく、「自分や家族が将来どうありたいか」という独自のライフプランに基づいてマネー設計をすることが、本当の安心につながります。
何より大切なのは、他人を基準にするのではなく「自分が仕事や人生に何を求めているのか」をはっきりさせることです。今夏のボーナスや役職別の給与データを一つの参考に、ご自身が心から納得できる一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
隣の芝生が青く見えるのは誰にでも起こり得る自然な感情ですが、大切なのはその気付きをご自身のキャリアやマネープランにどう活かすかです。ボーナス額や他社の待遇に心が揺れた時こそ、ご自身の働き方やライフプランを客観的に見直す絶好のチャンスと捉えてみてください。
参考資料
ファイナンシャルアドバイザー。一種外務員資格及び相続診断士。ジブラルタ生命出身。現在はIFAとして、若年層から高齢層までの幅広い世代へ向けたファイナンシャルプラニングから投資信託・債券・保険を活用した個人向け資産運用コンサルティング業務を行う。
日本生命保険相互会社出身。元マネースクール講師、現役FP(CFP®・1級FP技能士)でJ-FLEC認定アドバイザー。保険から年金、資産運用まで幅広い知見を持ち、「お金の先生」としてLIMO&ファイナンス編集部にてわかりやすく信頼できる記事をお届けします。
