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「老後資金1億円の生活レベル」はどんな感じ?贅沢なしの”ふつう”の暮らしでもインフレで資産が激減する理由

執筆者和田 直子編集者 株式会社モニクルリサーチ
05:32

インフレがなければ、1億円はほぼ減らない

まずは「インフレがない場合」のシミュレーションから見ていきましょう。

毎月4万2000円の不足を老後資金から取り崩していくと、30年・35年でどれくらい減るのでしょうか。

  • 30年間(65歳〜95歳)の取り崩し総額:4万2000円 × 12カ月 × 30年 = 約1512万円
  • 35年間(65歳〜100歳)の取り崩し総額:4万2000円 × 12カ月 × 35年 = 約1764万円

100歳まで生きたとしても、1億円から取り崩す金額は約1764万円。残り約8200万円は手元に残る計算です。「1億円あれば老後は安泰」という言葉がリアルに感じられる数字ですね。

しかし、ここには大きな落とし穴があります。

「毎年2%のインフレ」が続いたら、家計はどう変わるか

近年、物価の上昇を実感している方は多いのではないでしょうか。

日本の年金制度には「マクロ経済スライド」という仕組みがあり、物価が上昇しても年金の増加は抑制される設計になっています。

仮に物価が毎年2%上昇する一方、年金の増加が年0.5%程度にとどまった場合、毎月の赤字はどう変化するでしょうか。

  • 65歳(スタート時):毎月の赤字 約4万2000円
  • 75歳(10年後):毎月の赤字 約9万円(生活費の上昇が家計を圧迫し始める)
  • 85歳(20年後):毎月の赤字 約16万円(当初の約3.8倍に)
  • 95歳(30年後):毎月の赤字 約24万円(当初の約5.7倍に膨らむ)

65歳の時点では「月4万2000円の補填」で済んでいたはずが、95歳時点では毎月24万円近くを取り崩さなければならない計算です。

累計の取り崩し額:インフレあり・なしで比較

以下は、インフレがある場合とない場合で、老後資金の取り崩し総額がどれだけ変わるかを比較したものです。

【30年間(95歳まで)の取り崩し総額】

  • インフレなし:約1512万円
  • 毎年2%インフレ:約4700万円(約3.1倍に膨れ上がる)

【35年間(100歳まで)の取り崩し総額】

  • インフレなし:約1764万円
  • 毎年2%インフレ:約6300万円(資産の6割超が消える)

インフレが続いた場合、100歳までに取り崩す金額は約6300万円。

1億円の元手があっても、残りは3700万円になる計算です。

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