世界シェア首位でも株価は上がらない?元機関投資家が教える「半導体銘柄選び」の鉄則
出所:イズミダイズム
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世界シェア首位でも株価は上がらない?元機関投資家が教える「半導体銘柄選び」の鉄則

半導体製造は「分業」の極み!バリューチェーン全体の俯瞰とは

監修者泉田良輔LIMO&ファイナンス編集部 編集長
09:00
世界シェア首位でも株価は上がらない?元機関投資家が教える「半導体銘柄選び」の鉄則
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AIやデータセンター関連銘柄への関心が世界中で高まるなか、「AI銘柄」と聞いて多くの人が真っ先に思い浮かべるのは、NVIDIAやIntelといったチップメーカーではないでしょうか。

しかし、実は半導体というものは膨大な工程の分業で成り立っており、その材料や製造装置の裾野には、世界シェアを圧倒的に握る日本企業が数多く存在しているという意外な事実があります。

では、一体どの工程を、どの企業が、どのような立ち位置で担っているのでしょうか。元機関投資家の泉田良輔氏が、半導体のバリューチェーンを川上から川下まで整理し、日本株に潜む投資機会の切り口を解説します。

この記事のポイント

  • 半導体製造は「前工程」と「後工程」に分かれ、膨大な工程を専門企業が担う分業体制である
  • チップメーカーになれなくても、製造装置や材料の分野で世界を牽引する日本企業が多数存在する
  • 特定の工程で高いシェアを持っていても、全社業績への寄与度は企業によって大きく異なる
  • 投資においては、決算資料を読み解き、その事業の「専業度・寄与度」を見極めることが重要である
  • 誰もが面倒だと感じるボトムアップのリサーチにこそ、優良銘柄に出会うチャンスが隠されている

半導体製造は「分業」の極み。バリューチェーン全体を俯瞰する

私たちが普段使っているスマートフォンやパソコン、そして最先端のAIを動かすデータセンターに至るまで、あらゆる電子機器の心臓部には半導体が組み込まれています。しかし、この半導体は1つの企業が最初から最後まで単独で作り上げているわけではありません。

半導体の製造プロセスは、大きく「前工程」と「後工程」に分かれており、それぞれの工程で高度な専門技術を持つ企業がリレーのようにバトンを繋いでいく「バリューチェーン(価値連鎖)」が形成されています。

泉田氏によれば、半導体を作るプロセスは非常に複雑で、長大な工程を経る必要があるといいます。

「半導体って、シリコンウェハーの上に基板を形成していってそこに薬品をつけて削ったりっていうのを繰り返す作業をしていくんだけど、そこで必要なプロセスがある」

この言葉の通り、ベースとなる円盤状のシリコンウェハーに微細な回路を描き、不要な部分を削り取り、洗浄し、最終的に切り分けてパッケージングするという一連の作業には、数え切れないほどの専門的な製造装置や材料が必要です。

ここで読者の皆様に知っていただきたいのは、半導体産業において「チップそのものを作るメーカー」だけが主役ではないということです。NVIDIAやIntel、あるいは製造を請け負う台湾のTSMCといった企業は確かに目立ちますが、彼らもまた、優れた製造装置や高品質な材料がなければ最先端のチップを作ることはできません。

そして、この「装置」や「材料」の領域において、日本の企業は世界的に見ても極めて重要なポジションを占めています。特定の分野では、日本企業抜きには世界の半導体製造が立ち行かないほどのシェアを握っているケースも珍しくありません。

半導体バリューチェーンの全体像

半導体バリューチェーンの全体像
出所:イズミダイズム作成

「日本企業には最先端のチップメーカーがないから、AIブームの恩恵を受けられないのではないか」という疑問が投げかけられると、泉田氏は明確にそれを否定します。

「チップメーカーにはなれなくてもそこにビジネスチャンスがあって利益とか売上を拡大できる企業はいっぱい多い」

つまり、NVIDIAのような企業になれなくても、NVIDIAのチップを作るために不可欠な装置や材料を供給することで、大きなビジネスチャンスを掴んでいる日本企業が多数存在するのです。株式投資の視点から見れば、こうしたバリューチェーンの裏側を支える「黒衣(くろご)」のような企業群にこそ、魅力的な投資機会が眠っていると言えるでしょう。

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