三菱UFJFGが準備する2つの個人向け劣後債
今回三菱UFJFGが予定している新しい劣後債には、特徴の異なる2つの券種(タイプ)が用意されています。
第42回:10年債(期限前償還条項無し・固定金利)
途中で前倒し償還される特約がなく、10年間の満期まで一貫して最初に決まった金利が支払われ続けるタイプです。
債券市場では、このように途中で繰り上げ償還されるリスクがなく、満期時に元本が一括して弾丸(Bullet)のように償還される債券のことを「ブレット型」と呼びます。
第43回:10NC5(期限前償還条項付・リセット型金利)
10年満期ですが、発行体の都合により5年後に前倒しで満期を迎える可能性があるタイプです。
当初5年間は固定金利、その後は国債金利に連動して金利が見直されます。
【プロの視点】なぜ銀行は5年で返したくなるのか?
世界のメガバンクが守るべき安全基準のルール上、こうした劣後債は「満期までの残存期間が5年未満」になった時点から、毎年20%ずつ段階的に自己資本への算入額が目減りしていきます。
銀行側としては、自己資本としての効率が悪くなった古い劣後債を5年で一度返し、新しいものに借り換えた方が都合が良いため、通常は5年で前倒し償還(コール)するのが市場の“お約束”となっています。
今回の募集要項案(仮条件)と「格付け」をチェック
それでは、提示されている具体的な条件と、安全性の目安となる「格付け(予備格付け)」を見ていきましょう。
第42回・第43回債「共通」の条件
- 特約:実質破綻時免除特約および劣後特約付
- 最低投資金額:100万円
- 申込期間:2026年7月21日~7月30日
- 払込期日: 2026年7月31日
- 利払日: 毎年1月31日、7月31日
- 予備格付: AA-(R&I)/ AA-(JCR)
第42回無担保社債(固定・ブレット型)
- 年限:10年
- 償還期限(満期):2036年7月31日
- 利率(仮条件):3.050~3.650%
第43回期限前償還条項付無担保社債(10NC5)
- 年限:10年(※ただし、5年後に前倒し返済の可能性あり)
- 早期償還可能日:2031年7月31日
- 利率(仮条件)①当初5年間:2.250~2.850%
- 利率(仮条件)②6年目以降:5年後の利率決定日における「5年国債金利」+上乗せ幅(仮条件:0.300~0.900%)にリセット
三菱UFJFGの個人向け劣後債 発行要項案
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フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
PROFILE
立教大学卒業後、海外専門の旅行会社に就職し、その後旅行業界専門誌の記者に転身。企業決算の記事などを手掛けるうちに金融マーケットに興味を持つようになり、株式や債券の発行市場をカバーする金融専門誌の記者に転職。債券市場の動向や市況について、10年以上にわたって数多くの記事を機関投資家に向けて日経QUICKやブルームバーグ等へ執筆した。その後、株式会社フィスコでアナリストが執筆する企業調査レポートの編集を手掛けるとともに、決算などIR情報の発信業務に携わる。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』のLIMO編集部に所属し、LIMOでも記事を執筆している。
