2日、財務省において「10年利付国債」の入札が行われました。
今回は日銀が6月16日に利上げしてから初の入札であったことから、特に債券市場の注目が集まっていました。
発表された入札結果を受けて、個人向け国債(変動10年)の基準金利となる複利利回りは2.73%に決定。
これに決められた計算式を当てはめると、次回発行分(7月募集分)の初回適用利率は、年1.80%になる見通しとなりました。
「金利がある世界」が定着しつつあるなか、私たちの受け取る利息がどう変わるのか、速報で解説します。
そもそもなぜ「見通し」がわかるの? 利率の算出方法
個人向け国債(変動10年)の利率は、「プロ向けの発行金利」をベースにするという厳格なルールがあります。
具体的には、以下の計算式で算出されます。
基準金利(※)×0.66 = 個人向け国債(変動10年)の適用利率
(※)基準金利:10年固定利付国債の入札における平均落札価格を基に計算される複利利回り。
本日行われた入札で、このプロたちの取引基準となる金利(複利利回り)が2.73%に決定しました。
これに「0.66」を掛け合わせる(小数点以下第3位を四捨五入)ことで、私たちが手にする利率が年1.80%になる見通しとなったのです 。
前月(6月)の金利と比べるとどうなった?
債券投資で大切なのは、「金利のトレンド(方向性)」を掴むことです。前回の入札結果と今回の数値を比較してみましょう。
前月(6月2日入札)
プロ向け基準金利は「2.63%」 。
これに基づく個人向け国債(変動10年)の利率は年 1.74%でした(2.63%×0.66=1.7358%≒1.74%)。
今月(7月2日入札)
プロ向け基準金利は2.73% 。
これに基づく7月募集分の利率の見通しは年1.80%となります。
前月に比べて利率は、0.06%上昇する見込みです。日本の長期金利の上昇トレンドが、個人投資家の受取利息にもしっかりと還元される形です。
「変動10年」の強みは、このように世の中の金利が上がれば、自分がすでに持っている国債の利息も連動して増える点にあります。
これからの債券投資スタンスのヒントに
今回の入札結果を受けて、個人向け国債(変動10年)は引き続き、個人投資家にとって「安全資産の主役」として投資妙味が増しています。
国債の金利が動くと、今後募集される「社債(企業が発行する債券)」や「地方債(自治体が発行する債券)」の利率にもドミノ倒しのように影響します。
国債金利が「上がった」ということは、これから登場する社債なども、より高い利率でお目見えする可能性が高まっているということです。
正式な発行条件は、明日に財務省から発表される予定です。
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LIMO&ファイナンス編集部記者フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
PROFILE
立教大学卒業後、海外専門の旅行会社に就職し、その後旅行業界専門誌の記者に転身。企業決算の記事などを手掛けるうちに金融マーケットに興味を持つようになり、株式や債券の発行市場をカバーする金融専門誌の記者に転職。債券市場の動向や市況について、10年以上にわたって数多くの記事を機関投資家に向けて日経QUICKやブルームバーグ等へ執筆した。その後、株式会社フィスコでアナリストが執筆する企業調査レポートの編集を手掛けるとともに、決算などIR情報の発信業務に携わる。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』のLIMO編集部に所属し、LIMOでも記事を執筆している。
