もう一つの選択肢「地方債」:国債との違いと元本割れリスク
国債よりも少し高い利回りを狙いたい場合に候補となるのが、都道府県や政令指定都市などの自治体による「地方債」です。
国債との主な違いは「金利の高さ」と「途中売却時のリスク」にあります。
また、地方債は機関投資家向けの発行が中心で、個人投資家向けはごく一部です。
利率の上昇によってかなり人気が高くなっているため、ネット証券などで販売されると一瞬で完売してしまいます。
個人向け国債に比べて、かなり購入しにくいことには注意が必要です。
地方債の「メリット」「デメリット」
メリットは「国債より利率が高め」な点です。
国の信用力を基準とするため、地方債のほうがわずかに金利が高く設定され(国債への上乗せ幅)、より効率的な運用が期待できます。
デメリットは「中途換金による元本割れリスク」がある点です。
個人向け国債は、発行後1年が経過すれば、国がいつでも額面金額(元本)で買い取ってくれるため元本割れがありません。
しかし、地方債を途中で換金したい場合は、国が買い取るのではなく「市場(中途売却)で売却」することになります。
債券は、株式のように取引所を通じて市場参加者全員で一斉に売買する仕組みではなく、証券会社などを相手に1対1で売買する「相対(あいたい)取引」が基本です。
自身で売りたい価格を自由に決めることが難しく、証券会社が提示するその時の引き取り価格(時価)に従うことになるため、市場金利が上昇して債券の価値が下がっているタイミングで売却すると、購入時の金額を下回り、元本割れするリスクがあります。
地方債は満期まで保有すれば元本が戻ってきますが、途中で解約する可能性がある資金の場合は、このリスクの違いに注意が必要です。
個人向け国債・地方債の早見表
フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
