【コラム】50歳代筆者が「ねんきん定期便」を見て考えたこと
現在52歳の筆者ですが、50歳を迎えて「ねんきん定期便」の見方が変わりました。
50歳以降のねんきん定期便には、60歳まで現在の条件で働いたと仮定した場合の「65歳から受け取れる年金見込額」が具体的な数字で記載されるからです。
私自身のリアルな見込額を見た率直な感想は、「これだけでは定年後の生活水準を維持するのは厳しい」というものでした。
そこで思い浮かんだのが、受給開始を遅らせて年金額を増やす「繰下げ受給」です。
年金の繰下げ受給のイメージ
66歳から75歳の間で受給を遅らせると、1カ月につき0.7%ずつ受給額が生涯増える仕組みです(最大84%増)。
しかし、簡単に決断はできません。受給を待つ数年間の生活費をどう確保するのかという現実的な問題に直面するからです。
また、待機期間中に「万が一」のことがあれば、増額分を受け取れないリスクもあります。
つまり、繰下げ受給を活用するには、年金なしの期間を乗り切る「資金計画」と、長く働き、受け取り続けるための「健康」が不可欠だと気付きました。
制度の仕組みを知るにつけ、「年金のことって、老後に色々知るんじゃ遅いな」と痛感しています。現役の今から健康づくりと資産形成を進める。これが私の老後対策の第一歩です。
まとめ:計画的な資産形成と健康維持で豊かな老後を
この記事では、「生活意識」「貯蓄額」「年金額」といった現在のシニア世代の暮らしに関するリアルなデータを紹介した後、シニア予備軍である筆者自身の気づきにも触れました。
調査からは、終わりの見えない物価高の影響もあり「年金のみでゆとりのある生活を送るのは困難だ」と感じているシニア世帯が多いという現実が明らかになっています。
一方で、4000万円を超える十分な貯蓄を持つ世帯が2割以上存在し、現役時代の準備状況によって老後の経済的な安心度に大きな差(二極化)も。
年金だけではまかなえない生活費を補うためには、貯蓄を取り崩すか、長く働き続ける必要があります。
コラムでも触れたように、老齢年金には繰下げ受給のしくみがありますが、その制度を活かすためには土台となる資金と健康が必要です。
安心して老後を迎えるためには、現役時代の早いうちか公的年金制度を正しく知り、計画的に資産形成(貯蓄や投資)に取り組むこと。
そして、長く働き続けられるよう健康を維持すること。
この「両輪」で、できるだけ早いうちから将来への準備を進めていくことが不可欠といえるでしょう。
参考資料
- 帝国データバンク飲食料品値上げ、7月は2566品目 年間2万品目ペース 「中東発」値上げラッシュ、夏以降に本格化 9月は年間最多の3千品目超えに「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2026年7月
- 博報堂「博報堂生活総研[来月の消費予報・2026年7月](消費意欲指数)
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2025年(令和7年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 内閣府「令和7年版高齢社会白書」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」
早大卒。証券外務員二種・相続診断士。15年の書籍校閲で培ったファクトチェック力を武器に、一次資料に基づく「お金と暮らし」の分析記事を担当する編集記者。認知症介護経験をいかし、読者目線に立った情報発信も。
