利率2.14%に決定!「こうべ市民債」の投資妙味と国債比較、購入時の注意点
freedom-man3/Shutterstock.com
債券ニュース

利率2.14%に決定!「こうべ市民債」の投資妙味と国債比較、購入時の注意点

国債を0.19%上回る条件に、10万円から購入可能な5年物の地方債を徹底解説

利率2.14%に決定!「こうべ市民債」の投資妙味と国債比較、購入時の注意点
freedom-man3/Shutterstock.com

日本の金融市場が「金利ある世界」へと本格的に舵を切るなか、個人投資家の間では安全資産の運用先として債券への注目が一段と高まっています。

こうしたなか、神戸市が個人向けに発行する自治体債「神戸市令和8年度第1回こうべ市民債 ~森の未来都市 神戸~(5年固定金利)」の発行条件が決定しました。

発表された利率「2.14%」について、前回債からの上昇幅、個人向け国債と比較した際の投資妙味など、くわしく解説していきます。

「こうべ市民債」の発行要項

まずは、今回条件が決定したこうべ市民債の基本スペックを確認しておきましょう。

  • 銘柄名:神戸市令和8年度第1回こうべ市民債 ~森の未来都市 神戸~
  • 発行額:25億円
  • 年限:5年
  • 利率(年率):2.14%(税引き前)
  • 利払日:2027年1月30日を初回(ロング・ファースト・クーポン)とし、毎年7月30日および1月30日の年2回。最終利払日は2031年7月25日(ショート・ラスト・クーポン) 
  • 償還日:2031年7月25日(満期一括償還)
  • 募集期間:2026年7月8日~ 7月22日
  • 払込期日(発行日):2026年7月27日
  • 購入単位:10万円以上、10万円単位
  • 取扱金融機関:三井住友銀行/みなと銀行/池田泉州TT証券(※1)/岩井コスモ証券/SMBC日興証券/岡三証券/大和証券/野村証券/光証券(※1)/みずほ証券/三菱UFJモルガン・スタンレー証券/楽天証券 (※2)

※1 池田泉州TT証券、光証券は東海東京証券の委託会社

※2 楽天証券はみずほ証券の委託会社 

こうべ市民債は、まちの緑化や公共施設の照明LED化など、神戸市の環境施策である「森の未来都市 神戸」関連事業に資金が使途特定されます。通常の市債と商品性は変わらないものの、資金使途を環境施策に特定した市債として発行されます。 

なお、居住地・勤務地の制限は記載されていないため、神戸市在住以外の方以外も個人であれば購入できます。 

こうべ市民債の発行要項

こうべ市民債の発行要項
出所:各種資料より筆者作成

前回債比で「0.43%」の利率アップ

投資家が最も注目すべきは、近年の金利上昇トレンドがどの程度反映されているかという点です。

2026年1月に募集された前回債「こうべSDGs市民債(2025年度2回目)」の利率は1.71%でした。

これに対し、今回の利率は2.14%に決まったため、前回比で0.43%のプラス(引き上げ)となります。

前回債が起債された1月中旬ごろは、5年国債の利回りが1.6%台前半でしたが、7月上旬の現在は1.9%台半ばと、0.3%以上切りあがっています。

現在の市場実勢利回りの変化をダイレクトに反映した結果とみられ、手元の余裕資金で追加購入を検討しているリピーターや、新規での購入を検討している投資家にとって訴求力を持つ水準と言えそうです。

個人向け国債との比較から見える投資妙味

安全資産の代表格である「個人向け国債」と比べることで、今回のこうべ市民債がどのような位置づけになるかが見えてきます。

7月募集の固定5年の個人向け国債は利率が1.95%となっています

これに対してこうべ市民債の2.14%という仕上がりは、個人向け国債を0.19%上回る水準です。

この0.19%という金利差をどう評価するかは投資家によって判断が分かれるところですが、これは国と地方自治体の信用力の差(リスクの段差)に基づいた、市場の実勢を映す適正な利回り差といえます。

国債が持つ圧倒的な安全性を重視するか、あるいは同じリスクウェイト・ゼロの枠組みのなかで「信用力差を許容して少しでも高い利回りを追求したい」と考えるか、投資家のスタンスによって評価が変わるポイントです。

地方債投資における2つの留意点

確実なインカムゲインを狙える魅力的な選択肢である一方、投資に際しては以下の2点に留意する必要があります。

中途換金時の価格変動リスク

個人向け国債は発行後1年が経過すれば国が元本割れなしで中途換金に応じる仕組み(直前2回分の各利子相当額×0.79685が差し引かれる)ですが 、こうべ市民債を満期前に換金する場合は、市場を通じて売却することになります。

売却時の金利情勢によっては、元本割れ(売却損)が生じるリスクがあるため、原則として5年間保有し続けることができる「余裕資金」での投資が鉄則です。

手数料の発生有無

国債・市債ともに購入時の手数料はかかりませんが 、保護預かり口座の管理に際しては、金融機関によって口座維持・管理手数料が発生する場合があります。購入を申し込む前には、事前に取引のある金融機関への確認が必要です。

まとめ

国内の金利上昇トレンドを受け、神戸市の5年固定金利型「こうべ市民債」の利率が2.14%(税引き前)に決定しました。

募集期間は2026年7月8日から22日までで、購入単位は10万円からとなっています。居住地や勤務地の制限はなく、神戸市外在住の個人の方でも購入が可能です。

今回の利率は今年1月の前回債(1.71%)から0.43%引き上げられており 、同時期に募集される個人向け国債(固定5年・1.95%)を0.19%上回る水準です。

集めた資金は「森の未来都市 神戸」関連の環境施策に活用されます。

投資の際は、満期前の中途換金が市場売却となり元本割れのリスクがある点や 、金融機関により口座管理手数料が発生する場合がある点に留意し 、余裕資金で運用するのが鉄則です。

参考

Google で優先するソースとして追加
高原 祥子
LIMO&ファイナンス編集部記者

関連タグ