この記事はここがポイント
- 日本の所得税収約9割は、約2割の所得1000万円超高額所得者が負担
- 世帯年収3000万円が分岐点、富裕層はリスク投資、時間・健康・教育、ストーリー消費へ行動変化
- 税負担軽減にはiDeCo・NISA活用、税理士・FPなど専門家への相談が有効な手段
2026年8月、新NISA(少額投資非課税制度)の浸透や物価高の影響もあり、家計の見直しや資産形成への関心がいっそう高まっています。日々の暮らしの中で「周りの人はどれくらい税金を払っているのだろう」と疑問に思ったことはありませんか。実は日本の所得税収は、大多数の中間層ではなく、一部の高額所得者によって大半が支えられています。
今回は国税庁や博報堂の調査結果をもとに、日本の税収を支える高所得層の人数分布や、独自の経済感覚について解説します。
【日本の所得税は累進課税】申告納税者「2割の高所得者」が所得税収の9割を支える
国税庁の統計概要によると、日本の所得税は「累進課税制度(所得が高いほど段階的に税率が上がる仕組み)」がとられているため、所得階級によって税負担の割合に大きな違いがあります。全体の申告納税者数は約516万人、所得金額は51兆2284億円、税額は7兆8539億円ですが、その内訳を見てみましょう。
所得階級別構成割合
所得階級別構成割合
所得「200万円以下」の層
- 人数割合:全体の10.5%
- 負担税額:全体の0.2%
所得「1000万円超」の層
- 人数割合:全体の20.2%
- 負担税額:全体の88.5%
全体の約2割にすぎない高額所得者が、国の所得税収の約9割を支えているという、日本の税収構造が見えてきます。
【申告納税者数516万人】ボリュームゾーンは「年収300万~500万円」
では、この税収を支える約516万人の納税者たちは、具体的にどのような人数分布になっているのでしょうか。国税庁の詳細な所得階級別のデータを見ると、納税者の大多数は中間的な収入層に集中しており、高所得になるほど人数が急減するピラミッド構造が鮮明になります。
所得階級別申告納税者数の累年比較
【大多数】中間層・一般層のボリュームゾーン(1000万円以下が約8割)
- 「300万円超〜500万円以下」:約140.2万人(全体の27.2%・最多)
- 「500万円超〜1000万円以下」:約130.7万人(全体の25.3%)
- 「200万円超〜300万円以下」:約87.1万人(全体の16.9%)
- 「100万円超〜200万円以下」:約51.0万人(全体の9.9%)
- 「100万円以下」:約3.0万人(全体の0.6%)
【少数派】1000万円を超えると人数は急激に絞られる
- 「1000万円超〜2000万円以下」:約63.3万人(全体の12.3%)
- 「2000万円超〜5000万円以下」:約31.3万人(全体の6.1%)
- 「5000万円超〜1億円以下」:約6.1万人(全体の1.2%)
- 最上位階層の「1億円超」:わずか約3.2万人(全体の0.6%)
最高階層である1億円超の枠はわずか3万人強しかおらず、高所得になるほど人数がごくわずかになるという日本社会の階層構造がリアルに数値化されています。
監修者
この著者の記事一覧日本生命保険相互会社出身。元マネースクール講師、現役FP(CFP®・1級FP技能士)でJ-FLEC認定アドバイザー。保険から年金、資産運用まで幅広い知見を持ち、「お金の先生」としてLIMO&ファイナンス編集部にてわかりやすく信頼できる記事をお届けします。
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