この記事はここがポイント
- 株価は昨秋から8割超上昇、2026年8月期3Q累計営業利益は過去最高。
- 海外ユニクロの3Q累計売上は全社を上回る拡大。
- 前期営業利益率16%超・ROE20%超、小売業平均を上回る高収益体質。
株価がこれだけ上がると、どこかで息切れするのではないか。そんな警戒がつきまとうのが、ファーストリテイリング(9983)だ。
この1年で株価は大きく水準を切り上げ、足元では高値圏にある。だが決算を見ると、その上昇には確かな中身が伴っている。株価と業績、そして事業構造を重ねて読み解いていきたい。 ※本記事中の株価は、過去の株式分割の影響を調整した値を使用しています。
昨秋からの大幅高、株価は高値圏にある
昨秋以降の株価は、力強い上昇基調をたどってきた。終値は2025年9月末の45,040円が起点で、ここが昨秋以降で最も低い水準だった。
そこから右肩上がりに水準を切り上げ、2026年6月末には82,810円と、昨秋以降で最も高い水準まで駆け上がっている。9カ月ほどで8割を超える上昇だ。
足元では、7月末が78,190円、8月時点は78,720円と、高値圏でやや落ち着いた推移となっている。急ピッチの上昇を経て、いったん高い水準で足踏みしている局面と読み取れる。
2026年8月期3Q累計は営業利益6,144億円、過去最高ペース
株価の高値圏を支えているのは、力強い業績だ。2026年8月期の3Q累計は、売上収益(IFRS)が3兆651億円で前年同期比17.1%増、営業利益は6,144億円で同36.2%増、親会社の所有者に帰属する四半期利益は4,261億円で同25.6%増となった。
会社によれば、ユニクロ事業がすべての地域で増収増益となり、連結全体で過去最高の業績を達成した。売上総利益率も前年同期から改善し、54.9%まで高まっている。
この勢いを受けて、会社は通期の業績予想も引き上げた。営業利益予想は従来の7,000億円から7,300億円へと上方修正している。好調が下期も続くという見立てが、その背景にある。
成長を牽引するのは、海外ユニクロ
ファーストリテイリングの成長の中心はどこにあるのか。セグメントを見ると、その答えは海外ユニクロ事業だ。
3Q累計の売上収益は1兆8,340億円で前年同期比25.9%増、事業利益は3,453億円で同45.4%増と、全社の伸びを大きく上回る勢いで拡大している。中国大陸から北米、欧州まで、幅広い地域で増収増益が続いた。
国内ユニクロ事業も、売上収益8,676億円、事業利益1,729億円と着実な増益を確保した。かつては国内が中心だったこの会社は、いまや売上の6割近くを海外ユニクロが占める、グローバル企業へと姿を変えている。
オリックスなどの国内金融機関出身。日本株アナリストおよび財務アドバイザーとして決算分析や資金調達を主導。「日経CNBC」出演などメディアを通じた相場解説の実績も豊富。企業財務に精通し、現在はモニクルリサーチで金融ニュースの深掘り記事を発信。
