株式分割にあわせ株主優待を拡充:保有株数別の変化は
日本ハムは5月8日、2026年10月1日を効力発生日として普通株式1株を3株に分割することを決議し、あわせて株主優待制度を見直す方針を発表していました。8月7日には、その具体的な内容が確定しています。
株式分割の基準日は2026年9月30日で、この日最終の株主名簿に記録された株主の保有株式が3倍になります。
新しい優待制度は、分割後の株数を基準に次の5段階の保有株数階層を設けています。
優待
優待品は、日本ハム製品の詰め合わせやハムセット、レトルト食品詰め合わせ、ファイターズ公式オンラインストアクーポンなどから好きな商品を1つ選べる仕組みです。9月30日基準では、新たに同社指定オンラインショップで使えるクーポンが加わりました。
分割前の保有株数に換算すると、優待額はどれだけ増えるのか
株式分割は1株を3株に分けるため、分割後の株数を3で割ると、分割前の実質的な保有株数に相当します。この基準で新旧の優待額(年間合計)を比べると、拡充の度合いがよりわかりやすくなります。
すべての保有株数階層で、年間優待額が現行制度を上回る計算です。特に、分割前でいう300株以上500株未満に相当する層は、優待額が3倍以上に拡充されます。また、これまで対象外だった保有株数(分割前の実質33株以上100株未満)も、分割後は新たに1,000円相当の優待を受けられるようになりました。株式分割によって投資単位当たりの株価も下がるとみられるため、これまでより少ない資金でも株主優待に参加しやすくなる点も見逃せません。
優待拡充の詳細
新制度の適用は2027年3月末から、継続保有の条件に注意
新しい優待制度が適用されるのは、2027年3月31日を基準日とする優待からです。2026年9月30日を基準日とする優待については、株式分割の効力発生前にあたるため現行の制度に基づいて贈呈され、こちらには継続保有の条件がないため、この基準日までに新規で株式を購入した株主も対象になります。
新制度では、「継続半年以上」の保有要件が設けられました。この要件は、株主優待の割当基準日において、株主名簿基準日(3月末日・9月末日)の株主名簿に同一株主番号で2回以上連続して記載されていることが条件になります。
2027年3月31日基準でこの条件を満たすには、その半年前にあたる2026年9月30日の株主名簿にもすでに株主として記載されている必要があります。株式分割にあわせて新たに株式を購入し、優待の拡充を狙う場合は、2026年9月30日の基準日に向けた保有継続を意識しておく必要がありそうです。
なお、詳細は必ず同社の公式サイトなどで確認してください。
記者コメント
株式分割は投資単位当たりの金額を引き下げ、投資家層の拡大を狙う施策ですが、今回の日本ハムは優待制度もあわせて手厚くする方向で見直しました。既存株主にとっては保有株数が3倍になったうえに実質的な優待額も増える計算で、ポジティブな内容ではないでしょうか。
一方で、継続保有半年以上という新しい条件が加わった点は、長期保有を重視する姿勢の表れともいえます。次回、2026年9月30日を基準日とする優待は現行制度のままである点も、あわせて押さえておきたいポイントです。
参考資料
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
