執筆者村岸 理美LIMO&ファイナンス編集部記者
11:30

【高額療養費制度】今月8月から変わる!住民税非課税世帯への「負担軽減措置」をみる

今月(2026年8月)より、ひと月に医療機関の窓口で支払った金額が高額になった際に払い戻しが受けられる「高額療養費制度」の上限額が見直されました。

全体として負担額の基準が変わる中で、住民税非課税世帯に対しては生活を圧迫しないよう、手厚い負担軽減措置が設けられています。 対象となる非課税世帯は、年齢や所得状況に応じて主に以下の3つの区分に分けられます。

高額療養費制度の上限額

高額療養費制度の上限額
厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて(リーフレット)」2/2
高額療養費制度の上限額

【対象区分と自己負担上限額(2026年8月〜2027年7月)】

70歳未満の非課税世帯(区分オ)

月額上限は3万6900円(直近12ヶ月で4回目以降の「多数回該当」時は2万4600円)、年間上限は29万円に抑えられます。

70歳以上の非課税世帯Ⅱ

世帯ごとの月額上限は2万5700円(多数回該当時は24,600円)、年間上限は29万円です。さらに、個人ごとの外来月額上限が1万1000円(年間上限14.4万円)に設定されています。

70歳以上の非課税世帯Ⅰ(年金収入約80万円以下など)

世帯ごとの月額上限は1万5700円、年間上限は18万円と最も自己負担が低く設定されています。個人ごとの外来月額上限も8000円まで抑えられます。

万が一の入院や手術で医療費がふくらんでも、こうした上限額の仕組みを知っておくことで精神的な不安は大きく和らぐはずです。いざという時に慌てず制度を活用できるよう、今のうちにご自身がどの区分に当てはまるのか確認しておきましょう。

まとめにかえて

住民税の基本的な仕組みから非課税となるボーダーライン、そして今月スタートした高額療養費の改定における負担軽減措置について解説しました。

住民税非課税世帯に該当すると、高額療養費の上限額が低く抑えられるほか、国民健康保険料や介護保険料の減免など、数多くのセーフティネットが適用されます。医療や介護の不安が大きいシニア世代にとって、この負担軽減措置は生活を守る大きな助けとなるはずです。

ただし、FPとしてひとつお伝えしたいのは、「非課税にとらわれすぎないこと」の大切さです。

税金や医療費の負担を少しでも減らしたいというお気持ちから、働く時間や収入を控えめに調整される方もいらっしゃいます。しかし、非課税ラインを意識するあまり収入を抑えてしまうと、かえって手元に残るお金が減り、日々の暮らしが窮屈になってしまうこともあります。

制度による負担軽減措置は、あくまで生活を支える「安心の枠組み」です。目先の負担軽減だけでなく、これからの生活でどれくらいのお金が必要かという全体バランスを見つめ直し、ご自身に合った働き方や暮らし方を選んでいきましょう。

参考資料

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村岸 理美LIMO&ファイナンス編集部記者株式会社モニクルリサーチ

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