被災後の生活を支える「地震保険」の役割
地震による甚大な被害を受けた際、経済的な立て直しをサポートするのが「地震保険」です。
地震保険の補償額は、火災保険の契約金額の30%〜50%の範囲内で設定されます。建物は5000万円、家財は1000万円という上限があるため、地震保険の保険金だけで建物を完全に元通りに再建するのは難しい側面があります。
地震保険は全額補償を目的とするものではなく、被災後の当面の生活を支え、自立を後押しするための「生活再建の立ち上げ資金」として捉える仕組みとなっています。
【全損・一部損】支払額を決める「4つの損害区分」とは?
実際の支払額は、損害の程度に応じて「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4段階で決定される仕組みです。
地震保険(建物・家財)の損害区分
損害区分は以下の4段階です。(平成29年以降保険始期)
- 全損:地震保険金額の100%(時価額が限度)
- 大半損:地震保険金額の60%(時価額の60%が限度)
- 小半損:地震保険金額の30%(時価額の30%が限度)
- 一部損:地震保険金額の5%(時価額の5%が限度)
重要な注意点として、地震保険は単体で加入することはできず、必ず火災保険とセットで契約する必要があります。
地震保険は火災保険とセットで加入
通常の火災保険では、地震を原因とする火災や延焼による損害は補償対象外となるため、地震保険への付帯が必須となります。すでに火災保険に加入している場合でも、契約期間の途中から地震保険を追加することが可能です。
まとめにかえて
筆者はかつて生命保険会社に勤務し、生命保険・損害保険双方の実務を経験してまいりましたが、過去の災害対応におきましても、保険をはじめとする経済的な備えが被災された方々の生活再建を後押しする事例を数多く確認してまいりました。
保険金だけで失われたすべてを元通りにすることは難しくとも、当面の生活資金が確保されることで、再出発に向けた負担が軽減される側面は決して小さくありません。
現在、直接的な被害を受けていない地域におきましても、これを機にご自身の火災保険の契約内容や、地震保険の付帯状況を一度確認しておくことが推奨されます。平時のわずかな確認が、いざという時の助けにつながります。
被災された地域の皆様の安全が確保され、一日も早く平穏な日常が戻ることを心よりお祈り申し上げます。
参考資料
元マネースクール講師、現役FP(CFP®・1級FP技能士)でJ-FLEC認定アドバイザー。保険から年金、資産運用まで幅広い知見を持ち、「お金の先生」としてLIMO&ファイナンス編集部にてわかりやすく信頼できる記事をお届けします。
