上級者向けの豆知識——EDINETで「発行登録追補書類」を追う
広く投資家を募る「公募債」の場合、企業は有価証券届出書などによる情報開示が必要です。
ただし、あらかじめ「発行登録制度」の手続きを済ませている会社であれば、発行のたびに作成負担の重い有価証券届出書を提出する必要はなく、より簡易な「発行登録追補書類」を提出すれば足ります。
手続き負担や準備期間を軽減できるため、多くの企業がこの制度を利用しています。
新規の社債発行を早めに察知したい場合は、金融庁が提供する開示システム「EDINET」上で、この「発行登録追補書類」の新たな提出がないかを確認する方法があります。
新たな提出があれば、その企業が新規に社債の発行準備を進めていることがわかる、というわけです。
注意したいのは、EDNETで書類を発見したとしても、ほとんどは「機関投資家向け」になります。
追補書類で個人向けの社債かどうかは、「各社債の金額」という項目が「10万円」や「100万円」といった小さい単位になっているかどうかで見分けます(電力債などを除く)。
この金額が「1億円」などに設定されている場合は機関投資家向けです。
とはいえ、ほとんどの企業はこの書類の提出とほぼ同時に、自社サイトのIRニュースとして発行情報を掲出します。
書類そのものを読み解くよりも、読みやすく整理されているIRニュースを確認するほうが、実務的にはおすすめです。
筆者コメント:根気強く続けることで「常連銘柄」が見えてくる
株式と違って、債券は投資家層が限定される分、情報収集はやや難しく感じられるかもしれません。
積極的に調べにいかないと情報が入ってこないケースがほとんどだからです。
ただし、個人向けに債券を発行する自治体や企業は数が限られています。
根気強く情報収集を続けていくうちに、よく登場する「常連銘柄」や、おおよその起債時期の傾向がつかめるようになってくるでしょう。
債券投資の第一歩として、まずは情報収集の習慣づくりから始めてみてはいかがでしょうか。
参考
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
