都道府県で最大5362円の差!47都道府県・保険料ランキング
ここからは、厚生労働省の資料をもとに、2026・2027年度の都道府県別の平均保険料額を確認していきます。
2026・2027年度の平均保険料額(医療分)
- 東京都 1万352円
- 神奈川県 9842円
- 愛知県 9045円
- 大阪府 9010円
- 沖縄県 8731円
- 奈良県 8622円
- 福岡県 8330円
- 兵庫県 8301円
- 京都府 8280円
- 千葉県 8237円
- 埼玉県 8189円
- 佐賀県 8159円
- 石川県 8065円
- 滋賀県 8051円
- 岡山県 7891円
- 福井県 7840円
- 山口県 7836円
- 広島県 7831円
- 静岡県 7415円
- 香川県 7388円
- 岐阜県 7317円
- 富山県 7296円
- 北海道 7295円
- 大分県 7283円
- 三重県 7263円
- 鹿児島県 7174円
- 茨城県 7128円
- 熊本県 7088円
- 山梨県 7070円
- 宮城県 6933円
- 群馬県 6877円
- 徳島県 6829円
- 和歌山県 6771円
- 高知県 6747円
- 長野県 6745円
- 鳥取県 6568円
- 島根県 6561円
- 栃木県 6476円
- 長崎県 6192円
- 愛媛県 6186円
- 山形県 6014円
- 宮崎県 5875円
- 新潟県 5852円
- 秋田県 5847円
- 福島県 5744円
- 岩手県 5496円
- 青森県 4990円
- 全国 7989円
平均保険料額が最も高いのは東京都の1万352円です。一方、最も低いのは青森県の4990円となっており、両者の差は月額5362円にのぼります。 こうした地域差が生じる主な要因としては、都市部ほど医療機関へのアクセスが良く医療費の総額が高くなりやすいこと、また高所得の被保険者が多く所得割の負担額が上乗せされやすいことなどが考えられます。
同じ後期高齢者医療制度でも、保険料の水準は都道府県によって大きく異なる点は押さえておきたいポイントです。
2026・2027年度の保険料額(年金収入84万円の場合・医療分)
先ほどのランキングは、あくまで平均保険料額です。実際には、所得が低いほど保険料も低くなる仕組みのため、基礎年金のみを受け取っている場合の保険料額もあわせて確認しておきましょう。
- 北海道 1392円
- 青森県 1175円
- 岩手県 1133円
- 宮城県 1216円
- 秋田県 1300円
- 山形県 1225円
- 福島県 1143円
- 茨城県 1155円
- 栃木県 1146円
- 群馬県 1267円
- 埼玉県 1217円
- 千葉県 1183円
- 東京都 1242円
- 神奈川県 1225円
- 新潟県 1148円
- 富山県 1302円
- 石川県 1337円
- 福井県 1263円
- 山梨県 1228円
- 長野県 1139円
- 岐阜県 1292円
- 静岡県 1192円
- 愛知県 1308円
- 三重県 1280円
- 滋賀県 1292円
- 京都府 1390円
- 大阪府 1515円
- 兵庫県 1363円
- 奈良県 1325円
- 和歌山県 1371円
- 鳥取県 1217円
- 島根県 1334円
- 岡山県 1400円
- 広島県 1285円
- 山口県 1482円
- 徳島県 1423円
- 香川県 1353円
- 愛媛県 1298円
- 高知県 1409円
- 福岡県 1548円
- 佐賀県 1603円
- 長崎県 1308円
- 熊本県 1470円
- 大分県 1492円
- 宮崎県 1300円
- 鹿児島県 1625円
- 沖縄県 1423円
- 全国 1309円
年金収入84万円の場合、最も保険料が高いのは鹿児島県の1625円、最も低いのは岩手県の1133円で、その差は492円となっています。
平均保険料額のランキングと比べると、年金収入84万円のケースでは都道府県ごとの差が小さくなっていることがわかります。
ただし、実際の保険料は本人の所得や世帯状況、各広域連合の保険料率によって変わります。自分の負担額は、自治体や後期高齢者医療広域連合から届く通知で確認しておきましょう。
東京都と青森県、後期高齢者医療保険料は"生涯"でいくら違う?
後期高齢者医療制度の平均保険料額(医療分)は、最も高い東京都(1万352円)と最も低い青森県(4990円)で、月額5362円の差があります。
この「月額5362円」という数字を、単月ではなく生涯で見た場合、どれほどの差になるのか、独自に試算してみます。
月額5362円の差は、年間では6万4344円になります。厚生労働省「令和6年簡易生命表」によると、75歳時点の平均余命は男性12.08年、女性15.75年です。この平均余命をもとに計算すると、生涯の差額は以下のようになります。
- 男性(75歳・平均余命12.08年):6万4344円×12.08年=約77万7275円
- 女性(75歳・平均余命15.75年):6万4344円×15.75年=約101万3418円
つまり、同じ「後期高齢者医療制度」に加入していても、住んでいる都道府県によって、生涯で70万円台から100万円を超える保険料の差が生じる可能性があるということです。
もちろん、これは医療分の保険料のみを比較した単純計算であり、実際には受けられる医療サービスの充実度や、住宅費・物価水準など、地域ごとの他の生活コストも合わせて考える必要があります。
したがって、「保険料が安いから、その地域がお得」と単純に判断するのは早計です。
見落としがちな新負担、「子ども・子育て支援金」も確認
2026年度からは、新たに「子ども・子育て支援金制度」が始まります。ここまで確認してきた保険料に加えて、どのような負担が上乗せされるのか確認していきましょう。
子ども・子育て支援金制度は、少子化対策の財源を確保するため、医療保険の仕組みを活用して集める新たな負担金です。後期高齢者医療制度の加入者も対象で、これまで確認した医療分の保険料に加えて、子ども・子育て支援金分が徴収されます。
支援金を負担するのは、国内の公的医療保険に加入する人です。現役世代だけでなく、高齢者も一定の負担を担う仕組みとなっています。
令和8年度の支援金額(試算)
【2026年度の支援金額の推計(平均月額)】
- 健保組合:被保険者一人当たり 約550円
- 国民健康保険:一世帯当たり 約300円
- 後期高齢者医療制度:被保険者一人当たり 約200円
後期高齢者の場合、月額約200円が目安とされていますが、実際には年収によって負担額に差が生じます。
年収別の負担額イメージ
こども家庭庁によると、後期高齢者1人あたり(単身世帯・年金収入のみ)の負担額は、以下のようになっています。
年収別の支援金額の試算(令和8年度)
- 年収80万円の場合:月額 50円
- 年収100万円の場合:月額 50円
- 年収125万円の場合:月額 50円
- 年収150万円の場合:月額 50円
- 年収175万円の場合:月額 100円
- 年収200万円の場合:月額 200円
年収200万円の場合、月額200円でも年間では2400円の追加負担となります。
なお、こども家庭庁の資料には、支援金の拠出を求める一方で、「社会保障の歳出改革等を行うことで、支援金による負担は相殺されるため、支援金導入に伴う実質的な負担は生じない」という政府の見解も記載されています。
ただし、この見解は歳出改革の実現度合いに左右される部分もあるため、実際にどの程度「相殺」されるのかは、今後の制度運用を見ていく必要があるでしょう。
【FPが解説】老後資金を守るために押さえておきたい3つの視点
年金額そのものは、ねんきん定期便などである程度把握できても、そこから医療保険料や介護保険料、税金などが差し引かれると、実際に使えるお金は想定より少なくなる点には注意が必要です。
特に、先述したように保険料には地域差があり、子ども・子育て支援金のような新しい負担も加わっていくため、「年金の額面」だけで老後の資金計画を立てると、実際の手取りとのズレが生じやすくなります。
後期高齢者医療制度の保険料を確認する際には、次の3つのポイントを意識しておくとよいでしょう。
①「窓口負担割合」と「保険料」は別物として、両方を確認する
医療機関での自己負担割合(1割・2割・3割)と、毎月・毎年支払う保険料は、まったく別の仕組みです。どちらか一方だけを把握していても、実際の医療関連の負担額は見えてきません。
②自分が住む都道府県の水準を確認しておく
平均保険料額には都道府県によって月額5000円以上の差があります。「全国平均はこのくらい」という情報だけでなく、実際に自分が住んでいる地域の水準を、通知書や自治体の案内で確認しておくことをおすすめします。
③小さく見える負担も、年単位・長期的な視点で捉える
子ども・子育て支援金のように、月額では数百円程度に見える負担でも、年間、さらには老後の期間全体で考えると、決して無視できない金額になります。
高齢期の家計を考えるうえでは、年金収入そのものだけでなく、そこから何が、どのくらい差し引かれるのかを正確に把握しておきましょう。
まとめにかえて
FPとしての相談業務を通じて強く感じるのは、「ねんきん定期便」などで年金の額面は把握していても、そこから天引きされる「保険料」や「税金」の存在を見落としてしまっている方が非常に多いということです。
今回解説したように、後期高齢者医療制度の保険料は住んでいる地域によって生涯で100万円近い差が出ることもあります。さらに、2026年度からは支援金という新たな負担も始まります。 しかし、単に「保険料が安い自治体へ引っ越そう」と考えるのではなく、かかりつけ医へのアクセスや、家族との距離、生活インフラの利便性など、数字には表れない「暮らしの質」とのバランスをとることが何より大切です。
「年金の額面」ではなく、「手取り額」で家計を管理し、ご自身の住む地域の保険料水準を正しく把握することが、安心できる老後のライフプランづくりへの第一歩となります。
参考資料
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証券会社出身。約8年間にわたり株式や投資信託、生命保険の販売に従事。現在はフリーライター兼個人投資家として活動中。FP2級や一種外務員の知識と自身の投資実務を活かし、マーケット動向を注視した金融記事を精力的に執筆している。
元マネースクール講師、現役FP(CFP®・1級FP技能士)でJ-FLEC認定アドバイザー。保険から年金、資産運用まで幅広い知見を持ち、「お金の先生」としてLIMO&ファイナンス編集部にてわかりやすく信頼できる記事をお届けします。

老後の生活設計において、社会保険料の負担は避けられない「固定費」として重くのしかかります。とくに後期高齢者医療保険料の地域差は、盲点になりがちです。
引退後に地方移住(IターンやUターンなど)を検討されている方は、住居費や物価が下がるメリットだけでなく、「移住先の国民健康保険料や後期高齢者医療保険料が現在とどう変わるのか」も、事前に必ずシミュレーションしておくことをおすすめします。