住民税非課税になる基準は?シニアと現役世代を助ける【ライフステージ別】住民税非課税世帯向け《各種優遇措置》
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住民税非課税になる基準は?シニアと現役世代を助ける【ライフステージ別】住民税非課税世帯向け《各種優遇措置》

老後の介護・医療費から、子育て世帯の教育費まで 《公的制度を活用して「家計の防衛線」を築こう》

執筆者熊谷 良子編集記者
16:06
住民税非課税になる基準は?シニアと現役世代を助ける【ライフステージ別】住民税非課税世帯向け《各種優遇措置》
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この記事はここがポイント

  • 多くの住民税非課税世帯向け優遇制度は、申請手続きをしないと受け取れない点。
  • 住民税非課税の年収基準は、自治体や世帯構成で異なり、単身給与110万円が目安。
  • 2025年国民生活基礎調査では、高齢者世帯の41.3%が年金のみで生活している状況。

本格的な夏の訪れとともに冷房を使い始めるご家庭も多いなか、食料品や日用品、光熱費などの値上げが続いており、家計への負担を感じている方も少なくないでしょう。

総務省が公表した「2020年基準消費者物価指数」によると、2025年度の平均総合指数は112.3となり、前年度から2.6%の上昇を記録しました。

特に、日々の生活に欠かせない品目の価格上昇は、年金で暮らすシニア世代の家計にも大きな影響を与えています。

こうした状況下で、公的な支援や税負担を軽くする優遇制度を正しく理解し活用することは、生活を守る上で非常に重要です。

この記事では、暮らしとお金のメディアでデータ分析記事を発信する筆者が、データが示す「老後のリアルな実情」から、見落としがちな「住民税非課税世帯」の優遇制度までを幅広く解説し、将来の安心に向けたヒントを探ります。

家計のやりくり、難しいですよね…。この物価高はいつまで続くのでしょう。

世代を超えた多くの家計が悲鳴を上げるいま、日々の節約や貯蓄とともに「使える公的支援」はしっかり活用する視点が大切です。

今回は、「住民税非課税世帯」の優遇制度に加え、シニア世代のリアルな家計収支の実態まで深掘りしました。

ご自身の状況と照らし合わせながら、老後の安心につながるヒントを一緒に探していきましょう。

年金だけで生活する世帯は41.3%、データが示す老後の実情

公的年金・恩給を受給している高齢者世帯における公的年金・恩給の 総所得に占める割合別世帯数の構成割合

公的年金・恩給を受給している高齢者世帯における公的年金・恩給の 総所得に占める割合別世帯数の構成割合

厚生労働省が2026年7月15日に公表した「2025(令和7)年 国民生活基礎調査」によると、公的年金を受給している高齢者世帯のうち、全収入を年金に頼っている世帯は41.3%でした

つまり、半数以上の世帯が年金以外の収入源も持ちながら生活している、ということ。

「年金だけで暮らす世帯」は、もはや多数派ではないという現状が見えてきます。

受け取る年金額は人それぞれですが、多くの高齢世帯にとって、収入と支出のバランスをいかに保つかが共通の課題となるでしょう。

生活費が年金収入を上回ることもあり、最低限の生活を維持するだけでも年金だけでは不足する場面も少なくありません。

そのため、収支の赤字分をどう補うかが大切になってくるでしょう。

私的年金や預貯金の取り崩し、資産運用での補填のほか、就労の継続、家族からの援助、公的扶助制度の利用など、複数の手段を組み合わせて対応している世帯も多いようです。

老後の家計を安定させるには、早い段階から将来の収支を見通し、現実的な準備を進めることが求められます。

収入増より確実?公的制度を活用して「家計の防衛線」を築こう

老後に限らず、家計を総合的に考えたとき、どうしても「あと何百万円の貯蓄が必要か」「パートで毎月いくら稼げるか」といった、手元の貯蓄や目先の収入ばかりに目が行きがちです。

しかし、無理に食費を切り詰めたり、慣れない投資でリスクを取ったりする前に、もっと確実で効果的な家計の防衛策があります。

それが、利用できる公的な優遇制度や給付金を漏れなく活用することです。

筆者はこれを、物価高から生活を守るための「確実な家計防衛策」だと考えています。

例えば、65歳以上で老齢基礎年金を受給している世帯であれば、「老齢年金生活者支援給付金」の対象になるかもしれません。

老齢年金生活者支援給付金とは?

老齢年金生活者支援給付金とは?

これは一定の要件(世帯全員が住民税非課税であり、前年の所得が基準額以下など)を満たすと、年金に上乗せして支給される給付金です。

実はこの給付金、物価高を反映して2026年(令和8年)4月分から基準額が増額され、月額5620円(年額で6万7440円)となりました。もし夫婦ともに条件を満たせば、年間で約13万円の支給となり、生活費の大きな支えになります。

しかし、ここで最大の落とし穴があります。この給付金は支給要件を満たしても「請求手続きしないと受け取れない」のです。

日本年金機構から届いたお知らせは放置せず、必ず開封して確認しましょう。

高齢期において、自力で収入を大きく増やすことには限界があります。

だからこそ、「自分は対象外だろう」と思い込まず、ご自身の世帯がどんな制度の対象になるのかをぜひ、調べておきましょう。

この視点が、インフレ時代を賢く生き抜く自己防衛策となるでしょう。

【世代別ガイド】住民税非課税世帯が受けられる優遇制度

住民税非課税世帯に対する公的なサポートは、一時的な現金給付だけではありません。

実は、医療や教育、介護といった日々の生活に直結する分野で、継続的に家計の負担を軽くしてくれる制度が数多く用意されています。

ここでは、代表的な優遇制度を「全世代」「子育て世帯」「シニア世代」の3つのライフステージに分けて整理してみましょう。

みんなが知っておきたい「全世代向け」の支援

国民年金・国民健康保険料の減免

収入の減少などで支払いが苦しい場合、申請により保険料の減免が受けられます。

国民年金の場合、全額免除となっても将来の年金額の2分の1が保障されるため、未納のまま放置するよりもメリットがあります。

医療費の自己負担を抑える「高額療養費制度」

手術や長期入院で医療費が高額になった際、ひと月あたりの自己負担上限額が低く設定されます。

一般世帯よりも支払いの限度額が低く抑えられるため、万が一の病気やケガへの備えとして心強い制度です。

障害福祉サービスの無償化

障害福祉サービスを利用する際の自己負担額が原則ゼロになります。

また、グループホームに入居する際の家賃助成など、継続的なサポートが受けられます。

教育費のハードルを下げる「子育て世帯向け」の支援

0歳から2歳児クラスの保育料が無償に

幼児教育・保育の無償化により、3~5歳児は全世帯で原則無料ですが、住民税非課税世帯であれば、通常は費用がかかる0~2歳児クラスの保育料も無償となります。

大学や専門学校への進学を支える「修学支援新制度」

高等教育(大学、短大、高等専門学校、専門学校)に進学する際、入学金や授業料が大きく減免されます。

さらに、毎月の生活費として返済不要の「給付型奨学金」も設けられており、経済的な理由による進学の断念を防ぐことができます。

老後の不安を和らげる「シニア世代向け」の支援

介護保険料と介護サービス利用料の軽減

65歳以上が支払う介護保険料が低く抑えられます。

また、介護サービスを利用した際のひと月あたりの自己負担上限額(高額介護サービス費)も、一般世帯より優遇されます。

施設入所時の居住費・食費の補助(補足給付)

特別養護老人ホームなどの介護保険施設に入所、またはショートステイを利用する際、大きな負担となる居住費や食費の自己負担額が軽減されます。

後期高齢者医療制度の優遇

75歳以上の方が加入する医療制度において、住民税非課税世帯の自己負担限度額は低く設定されています。

このように、住民税非課税世帯を対象とした優遇制度は多岐にわたります。

しかし、その多くは「自分から申請しないと適用されない」という点に注意が必要です。

ご自身の世帯がどの支援に当てはまるのか、事前にお住まいの自治体窓口やホームページで確認しておくことが大切です。

『住民税非課税』と聞くと「自分には関係ない」と思うかもしれませんが、収入が年金のみになる老後は対象になるケースが意外と多いんです。ご自身の世帯構成で基準額がいくらになるのか、一度お住まいの自治体のHP等で確認してみてください。社会保険料の減免など、家計を大きく助けてくれるはずですよ。

【判定基準・年収の目安】住民税非課税になる収入ラインはいくら?

住民税は「均等割(所得に関係なく一律に課税される部分)」と「所得割(所得に応じて税額が決まる部分)」の2層構造です。

この2つの税負担がいずれも発生しない状態を「住民税非課税」と呼びます。そして、世帯全員が住民税非課税である場合、その世帯は「住民税非課税世帯」に該当します。

※所得割のみが非課税となるケースも存在しますが、各種支援制度の対象になるかどうかは自治体ごとに異なります。

住民税は「均等割」と「所得割」の2層構造

住民税は「均等割」と「所得割」の2層構造
住民税は「均等割」と「所得割」の2層構造

住民税が非課税となる3つの条件

住民税が非課税となるのは、主に次のいずれかの条件を満たす場合です。

  • 生活保護法による生活扶助を受けている
  • 障害者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下
  • 前年の合計所得金額が、お住まいの自治体が定める基準額以下

このうち、1と2は全国で共通の基準です。一方、3の所得基準は自治体ごとに定められているため、具体的な金額は地域によって異なります。

自治体が定める基準額の例として、ここでは神戸市のケースを実際の年収に換算すると以下のようになります。

住民税非課税世帯に該当する世帯

住民税非課税世帯に該当する世帯
住民税非課税世帯に該当する世帯

ケース1:単身世帯の場合

  • 給与収入のみの場合:年収110万円以下
  • 65歳以上で年金収入のみの場合:年金収入155万円以下
  • 65歳未満で年金収入のみの場合:年金収入105万円以下

ケース2:配偶者または扶養家族が1人いる場合

  • 給与収入のみの場合:年収166万円以下
  • 65歳以上で年金収入のみの場合:年金収入211万円以下
  • 65歳未満で年金収入のみの場合:年金収入約171万3334円以下

このように、非課税となる基準は世帯の人数や収入源によって大きく異なります。

単身世帯の場合、給与収入なら年収100万円以下、65歳以上で年金収入のみなら155万円以下が目安です。

一方で、配偶者や扶養親族がいると非課税ラインは上がります。

例えば、65歳以上の夫婦二人世帯で収入が公的年金のみの場合、年収211万円程度まで非課税となる可能性があります。

税金の負担は世帯構成や収入内容で変わるため、ご自身の状況に当てはめて確認することが大切です。

まとめにかえて

ここまで、高齢世帯の家計の実態から、公的な優遇制度を活用する仕組みや年収の目安までを見てきました。

データからは、多くの方が年金だけでは生活費を賄いきれず、日々の節約や貯蓄の取り崩しで必死に生活を維持せざるを得ない厳しい実態が浮き彫りになります。

物価高がいつまで続くか見通せない中だからこそ、国や自治体が用意している優遇制度を漏れなく活用し、少しでも家計の支出負担を和らげることが不可欠です。

これを機に、ご自身の世帯が対象になる制度がないか自治体のホームページ等で改めて確認し、将来の安心に向けた防衛策を見直してみてはいかがでしょうか。

厳しい物価高のなか、多くの方が工夫しながら生活を維持しているリアルな実情があります。

だからこそ、国や自治体の「使える制度」はしっかり活用して支出を抑えることが大切です。

これからの安心のために、ご自身の生活費や年金額を書き出して、一緒に生活設計を見直してみましょう!

参考資料

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熊谷 良子編集記者株式会社モニクルリサーチ

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