高齢者世帯は生活をどう感じている?
厚生労働省の「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」では、高齢者世帯(※)が現在の暮らし向きについてどのように感じているのかが調査されています。
※高齢者世帯:65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の者が加わった世帯
高齢者世帯の生活意識
- 大変苦しい:21.0%
- やや苦しい:31.1%
- 普通:41.7%
- ややゆとりがある:5.4%
- 大変ゆとりがある:0.8%
調査結果を見ると、高齢者世帯の暮らし向きは大きく3つの傾向に分けられます。
最も多かったのは、「大変苦しい」「やや苦しい」と回答した世帯で、合計は52.1%と半数を超えています。生活費の負担を感じながら暮らしている高齢者が多いことが分かります。
一方、「ややゆとりがある」「大変ゆとりがある」と答えた世帯は合わせて6.2%でした。経済的なゆとりを実感している世帯は、それほど多くないようです。
また、「普通」と回答した世帯は41.7%と、4割を超えています。生活に大きな不安はないものの、家計に十分な余裕があるわけでもないという世帯が一定数いることもうかがえます。
この調査からは、高齢者世帯の家計状況は一人ひとり異なり、多くの世帯が限られた収入の中で工夫しながら生活している様子が見えてきます。
おわりに
今回は、日本の公的年金制度の基本的な仕組みをはじめ、シニア世代の厚生年金と国民年金の受給実態について詳しく確認しました。
データが示す通り、厚生年金を受給している人の中で「月額20万円以上」を受け取っている人は全体の2割にも満たない結果となりました。
多くの方が、想像よりも控えめな年金額で日々の生活をやりくりしているのが厳しい現実です。
今後も続くかもしれない物価高や、加齢に伴う医療費・介護費の負担を考慮すると、公的年金収入だけで希望する生活水準を維持するのは難しいケースも増えてくるでしょう。
これからの生活に少しでも安心感を持つためには、まずは「ねんきん定期便」などを活用して、ご自身の受給見込み額を早めに把握することが大切です。
そのうえで、健康なうちは自分のペースで働き続けて収入を補ったり、日々の家計の無駄を見直したりと、できることから少しずつ老後の備えを整えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
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三菱UFJ銀行出身。資産運用コンサルティングに従事し、全国表彰を多数受賞。現在は「LIMO」編集部で金融ライターとして年金・資産運用など金融分野の記事を精力的に企画・執筆・監修している。
PROFILE
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)保有。大学卒業後、株式会社三菱UFJ銀行にて窓口業務およびリテール営業に従事。国内外株式の仲介をはじめ、国内外債券、投資信託、生命保険、住宅ローンなど幅広い金融商品の提案・販売を担当し、資産運用コンサルティングに携わる。全国表彰を多数受賞。
金融業界で培った知識と実務経験を生かし、株式会社モニクルリサーチ(旧:株式会社ナビゲータープラットフォーム)に入社。現在は、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」編集部にて、記事の企画・執筆・編集・監修を担当している。
厚生労働省管轄の公的年金制度(老齢年金・障害年金・遺族年金)や社会保障をはじめ、資産運用、NISA、iDeCo、住宅ローン、カードローン、為替、株式投資など、お金に関する幅広いテーマについて、制度の仕組みや最新動向をわかりやすく解説。金融機関での実務経験と金融ライターとしての知見を生かした記事を多数執筆し、Yahoo!ニュース経済カテゴリではアクセスランキング1位を多数獲得している。

年金収入に合わせた家計づくりを始めよう
銀行で資産相談を担当していた頃、「退職後も現役時代と同じような生活を続けていたら、思っていたより早く貯蓄が減ってしまった」というご相談を受けることが少なくありませんでした。
厚生年金の受給者の8割以上が月額20万円未満というデータを見ると、多くの方にとっては、年金収入を前提とした生活設計が大切になることが分かります。
まずは、ご自身が将来どのくらいの年金を受け取れそうかを確認してみましょう。そのうえで、固定費を見直したり、健康やライフスタイルに合わせて無理のない範囲で働いたりと、少しずつ生活を整えていくことが大切です。
年金収入に合わせた家計づくりを早めに意識しておくことで、老後の暮らしにもゆとりを持ちやすくなるでしょう。