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国民年金「月5万円未満」が約2割の現実。50歳で突きつけられる見込額と「空白期間」から年金を増やす方法

年金が少ない・もらえない事態はなぜ起こる?50歳のねんきん定期便で知るリアルな見込額と、今からできる将来の年金増額術を徹底解説

執筆者熊谷 良子編集記者
08:06

年金額を増やすには?満額に近づけるための3つの方法

過去に未納期間があったり、フリーランスとして働いていた期間が長かったりして「年金が少ないかもしれない」と不安な方でも、これから紹介する制度を利用すれば、将来の受給額を増やすことができます。

1. 過去の未納分を後から納付できる「追納制度」

学生納付特例制度を利用したり、保険料の免除・猶予を受けたりした期間がある方は、10年以内であればさかのぼって保険料を納付できる「追納」ができます。

追納した保険料は、将来受け取る老齢基礎年金の額に反映されます。

2. 60歳以降も加入して年金を増やす「任意加入制度」

60歳になった時点で受給資格期間の10年を満たしていない場合や、満額の納付期間である40年(480カ月)に達していない場合は、「任意加入制度」を利用できます。

この制度は、60歳から65歳までの間に国民年金保険料を納めることで、不足している期間を補い、年金額を増やすものです。

3. 自営業者・フリーランス向けの上乗せ制度「付加年金」「国民年金基金」

自営業者やフリーランスの方は、毎月の国民年金保険料に月額400円を追加で納めることで、将来の年金額を増やせる「付加年金」を手軽に始められます。

さらに手厚い備えを希望するなら、税制上のメリットを受けつつ年金を上乗せできる「国民年金基金」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」の活用も有効な選択肢です。

【老後の家計と貯蓄の実態】年金だけでは毎月約4万円の赤字に?

年金見込額を確認したら、実際のシニア世帯の家計収支と照らし合わせてみましょう。

総務省が公表した「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」から、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の標準的な家計収支を見てみます。

65歳以上の夫婦のみの無職世帯《ひと月の家計収支》

65歳以上の夫婦のみの無職世帯《ひと月の家計収支》
出所:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」
  • 実収入:月額25万4395円(うち、公的年金などの社会保障給付が22万8614円)
  • 実支出:月額29万6829円(食費などの消費支出が26万3979円、税金などの非消費支出が3万2850円)

収入の多くを公的年金が占めていますが、生活費や税金などの支出が上回り、毎月約4万2434円の赤字となっています。

不足分は手元の貯蓄を取り崩して補う必要があり、年間に換算するとおよそ50万円の取り崩しが必要になる計算です。

出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」をもとにLIMO&ファイナンス編集部作成

さらに、J-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、70歳代の二人以上世帯の貯蓄額は、平均で2416万円ですが、より実態に近い中央値は1178万円となっています。

資産がほとんどない世帯と3000万円以上を保有する世帯に分かれており、世帯間の差が大きくなっていることがわかります。

こうしたデータからも、年齢を重ねるだけで自然と老後資金が貯まるわけではなく、同じシニア世代でも経済状況に大きな個人差が生じていることがうかがえます。

まとめ:働き方が多様化する時代に合わせた、自分だけの老後資金計画を

終身雇用が一般的ではなくなった現代では、フリーランスや業務委託、パラレルキャリアといった多様な働き方が広がっています。

現役時代のキャリアが多様化するにつれて、将来の年金受給額に個人差が生じるのは自然なことです。

でも、「年金が少なくなるかもしれない」という不安から、ご自身のキャリアを会社員という選択肢に限定してしまうのは、もったいないかもしれません。

公的年金は老後資金の土台であると同時に、病気やケガで働けなくなった際の「障害年金」や、一家の働き手を失ったときの「遺族年金」など、セーフティーネットとしての重要な役割も担っています。

過去の未納期間は「追納」で補い、厚生年金に加入していないフリーランスの方は「国民年金基金」や「iDeCo」、新NISAなどを活用して、ご自身に合った上乗せ部分を準備してみてはいかがでしょうか。

多様な働き方が選択できる今だからこそ、まずは公的年金の仕組みを正しく理解することが大切です。その上で、自分らしいキャリアプランと老後の安心を両立できる、独自の備えを築いていきましょう。

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