【中間期は営業利益21.9%減も、記念配当で増配】ピックルスHD、「ご飯がススムキムチ」の売上の柱と株主優待を解説
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【中間期は営業利益21.9%減も、記念配当で増配】ピックルスHD、「ご飯がススムキムチ」の売上の柱と株主優待を解説

浅漬・キムチが売上の4割、白菜・胡瓜の価格に左右される収益構造と選べる優待の中身

執筆者高原 祥子LIMO&ファイナンス編集部記者
12:00
 【中間期は営業利益21.9%減も、記念配当で増配】ピックルスHD、「ご飯がススムキムチ」の売上の柱と株主優待を解説
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この記事はここがポイント

  • ピックルスHDは2027年2月期中間決算で売上高3.6%減、営業利益21.9%減の減収減益
  • 減益の主因は第2四半期に集中した天候不順による白菜と胡瓜の原料価格高騰
  • 年間配当は前期比3円増の32円(記念配当含む)、株主優待は100株保有で1,500円相当を選択

「ご飯がススムキムチ」で知られるピックルスホールディングス<2935>(以下、ピックルスHD)は、9月30日に2027年2月期の中間決算を発表しました。

物価高による消費者の節約志向が続くなか、売上高・利益ともに前年同期を下回りましたが、同じ日に期末配当予想を3円引き上げ、年間32円とする増配もあわせて発表しています。

ピックルスHDは、漬物・キムチ・惣菜を製造販売するピックルスコーポレーションを中核とする持株会社です。

2022年8月まではピックルスコーポレーションが上場していましたが、2022年9月以降は持株会社のピックルスHDが上場会社となっています。

今回の決算の詳細と、そして同社の売上を支えているのはどの商品なのか、順に見ていきましょう。

ピックルスHD<2935>の中間決算は減収減益、第2四半期に原料高が直撃

9月30日に発表された2027年2月期中間期(2026年3月~8月)の連結業績は次の通りです。

  •  売上高:215億1,600万円(前年同期比3.6%減)
  • 営業利益:12億2,500万円(同21.9%減)
  • 経常利益:12億7,100万円(同21.6%減)
  • 中間純利益:8億4,700万円(同23.2%減)

売上高は「ご飯がススムキムチ」シリーズが堅調だったものの、節約志向の影響やコンビニエンスストア向けの売上減少、収益性向上策として進めているアイテム数の絞り込みにより減収となりました。

利益面では、売上の減少や包装資材などの製造コストの増加に加え、夏の猛暑と少雨による白菜の歩留まり低下、初夏の雨天や低温による胡瓜の生育遅れといった天候不順で原料野菜の価格が上がり、減益となっています。

注目したいのは、四半期ごとの流れです。6月30日に発表した第1四半期(3~5月)は減収ながら、営業利益は6億9,600万円(同12.5%増)と増益でした。

一方、中間期の累計から差し引いて算出した第2四半期(6~8月)単独の営業利益は約5億2,900万円で、前年同期の約9億5,000万円から4割超の減益です。原料高の影響は夏場の3カ月に集中しています。

なお、6月30日時点で同社が示していた中間期の予想(売上高218億円、営業利益13億円)も下回りましたが、通期予想(売上高410億円、営業利益18億2,000万円)は据え置いています。

営業利益の進捗率は67.3%と5割を超えているものの、同社の利益は例年上期に偏っており、過去4期は中間期で通期営業利益の75~87%を稼いでいました。今期はこの水準を下回っており、通期予想の達成には下期に例年以上の上積みが必要です。

売上の柱は「浅漬・キムチ」、全体の約4割を占める

では、ピックルスHDの売上を支えているのはどの商品なのでしょうか。

中間決算短信には品目別の売上が記載されていないため、2026年4月に発表した2026年2月期(通期)の品目別売上で確認します。

  • 浅漬・キムチ:164億6,500万円(前期比1.8%減)
  • 惣菜:121億2,300万円(同5.0%増)
  • ふる漬:4億1,200万円(同5.1%増)
  • 商品:119億2,200万円(同7.0%減)

※出所:ピックルスホールディングス「2026年2月期 決算説明会資料」。「商品」は自社工場を持たないグループ会社のフードレーベルの売上などを含む

最も大きいのは「浅漬・キムチ」で、売上高409億2,300万円のうち約4割(40.2%)を占めます。

品目別の利益は開示されていないため、どれが最も利益を稼いでいるかまでは断定できませんが、売上面での柱が浅漬・キムチであることは明らかです。

同社によると、2026年2月期は浅漬が苦戦する一方、キムチは値上げのなかでも堅調に推移しており、今回の中間期でも「ご飯がススムキムチ」シリーズは堅調だったと説明しています。

同社は北海道から九州まで全国に製造・販売のネットワークを持ち、販路別では量販店(スーパーなど)向けが売上の74.5%(2026年2月期)を占めます。

日々の食卓向けに鮮度の求められる浅漬・キムチを、全国の工場から各地のスーパーへ届ける体制が、同社のビジネスの土台になっています。

白菜と胡瓜の価格が利益を左右する

一方で、この事業構造は原料野菜の価格に業績が左右されやすいことも意味します。2026年2月期の原料品目別の割合(金額ベース)は、白菜が30.5%、胡瓜が29.7%と、この2品目だけで約6割を占めていました。

2026年2月期は、野菜価格に突発的な高値が少なく安定して推移したことや、販売価格の見直し、アイテム数の絞り込みなどにより、営業利益が20億8,500万円(前期比63.0%増)と大きく伸びました。今回の中間期は、その白菜と胡瓜が天候不順で値上がりし、逆に利益を押し下げた形です。

同社は中長期戦略の「収益性の向上」として、原価上昇と連動した販売価格の見直しや、原材料調達の見直し・効率化、生産体制の効率化・自動化を掲げています。

前期も値上げで販売数量が減る場面がありながら、売上単価の上昇で製品の粗利を確保しており、原料高をどこまで価格や生産性の改善で吸収できるかが、今後の利益を見るうえでのポイントになります。

ピックルスHD<2935>の株主優待は2月末100株から、選べるギフトと200株以上でQUOカード

ピックルスHDの株主優待は、毎年2月末日時点の株主名簿に記載された、100株(1単元)以上を保有する株主が対象です。

保有株式数:優待内容

  • 100株以上200株未満:商品詰め合わせセット・商品券・寄付から1つ選択(1,500円相当)
  • 200株以上:上記の選択制優待(1,500円相当)に加え、QUOカード(2,000円分)

※商品券を選んだ場合は、グループ会社の運営施設で使える2,000円相当の商品券になります

選択制の優待品は年度ごとに内容が入れ替わっています。

2026年2月期の優待では、国産原料・保存料不使用の漬物などを詰めた「八幡屋セット」、ほしいもや芋ちっぷなどの「ベジパル」のセット、焼肉のたれや辛口味噌などの「フードレーベルセット」、「チュモッパのり」とオリジナル米などの「ピックルスグループセット」、埼玉県飯能市の同社グループ会社が運営する発酵の複合施設 「OH!!!~発酵、健康、食の魔法!!!~」で使える商品券、社会貢献団体への寄付から選ぶ形でした。

漬物だけでなく、ほしいもや調味料など同社グループの商品を幅広く試せるラインナップです。

商品券は2,000円相当と、ほかの選択肢(1,500円相当)より金額が大きい一方、同社の優待案内ページでは利用先が飯能市の同施設とされています。

施設を訪れる予定がない場合は、自宅に届く商品セットを選ぶのが現実的です。

商品券の利用方法の詳細は、毎年4月下旬に届く「株主優待のご案内」に記載されます。

200株以上を保有すると、選択制の優待に加えてQUOカード2,000円分が上乗せされます。

優待の合計は3,500円相当(商品券を選べば4,000円相当)となり、100株あたりに直すと1,750円相当と、100株保有時の1,500円相当を上回ります。

株数を増やすほど優待の価値が相対的に高まる設計で、QUOカードはコンビニエンスストアなどで使えるため、日用品の買い物に回しやすい優待です。

なお、優待の内容や条件は変更される可能性があるため、公式サイトを確認してください。

2027年2月期の権利取得スケジュール

2027年2月期の基準日は2027年2月28日です。この日は休日のため、国内株式の決済ルール「T+2」から逆算すると、権利付き最終日は2027年2月24日、権利落ち日は25日となります。

年間配当は32円、記念配当2円を含む

ピックルスHDは9月30日、2027年2月期の期末配当予想を14円から17円(普通配当15円、記念配当2円)に修正しました。

主要子会社のピックルスコーポレーションが2027年2月に会社設立50周年を迎えることを記念した配当に加え、累進配当の方針にもとづき普通配当も1円引き上げています。

中間配当15円(支払開始予定日は2026年11月5日)と合わせ、年間配当は32円となる予定で、前期の29円から3円の増配です。

中間期は減益でしたが、同社は増配の理由について、業績動向や財務状況、今後の事業展開などを総合的に考慮したと説明しています。

通期予想の1株当たり当期純利益98.33円をもとに計算すると、年間32円の配当性向は約32.5%です。2026年8月末時点の自己資本比率は67.2%で、財務面の余力は大きい状態にあります。

100株を保有している場合、年間配当の受け取り額は3,200円(税引前)、これに1,500円相当の優待(商品券なら2,000円相当)が加わります。200株なら配当6,400円(税引前)に、選択制優待とQUOカード2,000円分を合わせた3,500円相当以上の優待が加わる計算です。

ピックルスHD<2935>の10月2日の株価終値

2日終値は1,161円(前日比:▲17円、▲1.44%)でした。

  • PER(会社予想):11.8倍
  • PBR(実績):0.72倍
  • 配当利回り(会社予想、年間32円で計算):2.76%
  • 100株の投資金額:11万6,100円
  • 時価総額:149億円

年初来高値は1月5日の1,341円、年初来安値は6月2日の1,067円で、足元はそのレンジの中ほどよりやや下に位置しています。PBRは1倍を下回る水準です。

10月2日の終値1,161円で計算すると、配当利回り(会社予想)は2.76%で、100株保有時の優待(1,500円相当)を加えた配当+優待の合計4,700円相当は、投資金額の約4.0%に相当します。

ピックルスホールディングスの年間チャート

記者コメント

ピックルスHDの中間決算は、第1四半期の増益から一転し、夏場の天候不順による原料野菜の値上がりが利益を押し下げる結果となりました。

原料の約6割を白菜と胡瓜が占める構造上、野菜価格の振れは避けられない要素です。前期に利益を押し上げた野菜価格の安定が、今期は逆風に転じた点は押さえておきたいところです。

一方で、主力の「ご飯がススムキムチ」シリーズは中間期も堅調で、同社は通期予想を据え置いたまま、記念配当と普通配当の引き上げによる増配を決めました。下期に原料価格がどう推移するかが、通期予想の達成を左右するポイントになりそうです。

また、同社は同じ9月30日に、東京証券取引所の市場区分をプライム市場からスタンダード市場へ変更する申請を行うことも発表しました。

同社は2025年2月末時点でプライム市場の上場維持基準のうち「流通株式時価総額」を満たしていませんでしたが、改善に向けた計画に取り組んだ結果、2026年2月末時点ではすべての基準に適合していました。

そのうえで、事業規模や市場環境、今後の成長戦略、基準に継続して対応する負担などを総合的に考え、スタンダード市場が最も適した市場区分だと判断したとしています。

市場区分の変更後も、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に取り組む方針です。

変更の可否や時期は東証の審査を経て決まります。

免責事項

  • 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
  • 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
  • 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
  • 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
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高原 祥子LIMO&ファイナンス編集部記者

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