【9月は今年最大4,923品目】食品値上げラッシュのなか、イオンは「トップバリュ」値下げで先手。株価は権利落ち後に切り返し1,400円台回復
TK Kurikawa/Shutterstock.com
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【9月は今年最大4,923品目】食品値上げラッシュのなか、イオンは「トップバリュ」値下げで先手。株価は権利落ち後に切り返し1,400円台回復

四半期最高益を支えるヘルス&ウエルネス事業と、株主優待オーナーズカードの還元条件を解説

執筆者高原 祥子LIMO&ファイナンス編集部記者
07:00
【9月は今年最大4,923品目】食品値上げラッシュのなか、イオンは「トップバリュ」値下げで先手。株価は権利落ち後に切り返し1,400円台回復
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この記事はここがポイント

  • イオンは9月4,923品目値上げに先駆け、トップバリュ145品目を値下げ
  • イオン株価は権利落ち後1,400円台へ回復、27年2月期1Qは営業利益33.6%増の過去最高益
  • 好調ヘルス&ウエルネス事業が値下げ原資、オーナーズカードは買い物金額1〜7%還元

イオン<8267>の株価は4日、前日比+18.5円(+1.33%)高の1,409円で取引を終えました。

終値ベースで1,400円台に乗せたのは7月30日(1,423.0円)以来、約1カ月ぶりです。

個人消費の力強さを欠く相場環境が続くなか、同社の株価は8月末の株主優待・配当の権利落ち後もじわりと値を切り上げています。

ちょうど同じタイミングで、帝国データバンクが8月31日に公表した最新の調査「『食品主要195社』価格改定動向調査 ― 2026年9月」では、2026年9月の飲食料品値上げが4,923品目に達し、単月として2026年で最も多い「今年最大の値上げラッシュ」になることが判明しました。前年9月(1,467品目)の約3倍、2023年以来3年ぶりの多さで、2022年以降では過去4番目の高水準です。

イオンはこの値上げの波が本格化する直前の8月27日、家計の負担をやわらげる狙いで「イオントップバリュ」ブランド145品目を、9月2日から順次期間限定で値下げすると発表しています。値上げラッシュのさなかで、対照的な動きをみせている格好です。

2027年2月期1Qは営業利益33.6%増、四半期として過去最高益

イオンが7月10日に発表した2027年2月期第1四半期決算では、営業収益が2兆9,419億8,100万円(前年同期比14.6%増)、営業利益は752億300万円(同33.6%増)、経常利益は635億8,200万円(同32.3%増)と、いずれも第1四半期として過去最高となりました。

稼ぐのはヘルス&ウエルネス事業、ツルハ・ウエルシア統合が牽引

稼ぎ頭となっているのがヘルス&ウエルネス事業です。ツルハホールディングスとウエルシアホールディングスの経営統合によるシナジーで、売上高は前年同期比89.9%増、営業利益は同216.0%増と大きく伸びました。一方、今回の値下げの対象となるGMS・SM事業は営業損失が続いており、値下げの原資は好調なヘルス&ウエルネス事業など他事業の稼ぎが支えている構図といえそうです。

株主優待「オーナーズカード」、保有株数に応じ1~7%還元

イオンは100株以上を保有する株主に「オーナーズカード」を発行しており、権利確定日(8月末日・2月末日)時点の保有株数に応じて、半年間の買い物金額(上限100万円)の1〜7%が半年ごとに還元されます。

還元率は100株以上で1%、200株以上で2%、300株以上で3%、1,500株以上で4%、3,000株以上で5%、9,000株以上で7%です。100万円分の買い物をした場合、100株保有なら1万円、300株保有なら3万円、9,000株保有なら7万円が還元される計算です。

還元は現金またはWAON POINTで受け取れ、8月末までの買い物分は10月に還元されます。毎月20日・30日の「お客さま感謝デー」(5%割引)とも併用でき、イオンシネマや一部レストランの割引特典もあります。日常的にイオン系列で買い物をしている家庭にとっては、今回のトップバリュ値下げによる節約分に、優待の還元分が上乗せされる形です。

このほか、3年以上継続して株式を保有し、毎年2月末時点で1,500株以上を保有する株主には、保有株数に応じて1,000円〜1万円分のイオンギフトカードが進呈される「長期保有株主優待制度」もあります。

優待の内容や条件は変更される可能性があるため、最新情報は必ず公式サイトで確認してください。

権利落ち後にむしろ株価上昇、1,400円台を回復

イオンの直近の株主優待・配当の基準日は8月31日、権利付き最終日は27日、権利落ち日は営業日の28日でした。

権利付き最終日には権利落ちに伴う下落を警戒した売りが先行して2%超の下落となり、反対に権利落ち後は+0.33%と小幅反発という値動きになりました(終値ベース)。

権利落ち後の9月に入ってからは堅調な動きとなり、4日の終値(1,409.0円)は、7月30日(1,423円)以来約1カ月ぶりの1,400円台回復となります。

イオンの年間チャート

イオンの年間チャート
出所:LIMO&ファイナンス

記者コメント

本来であれば株主優待・配当の権利落ち日には、その価値相当分だけ株価が下がる場面が想定されます。しかし今回は、権利落ち日以降も株価が上昇基調で推移を続け、4日には権利確定前の終値を上回り、終値ベースで約1カ月ぶりに1,400円台を回復しました。

物価高が続くなかで打ち出した「トップバリュ」の値下げが、生活防衛志向を強める個人投資家の評価につながっている可能性はありますが、需給面など複数の要因が重なっている可能性もあります。

4日は一服感が見られましたが、足元では長期金利が3%を突破する場面もあり、金利上昇が重荷となる半導体やAI関連株が売られたため、イオンなどの内需株に目が向きやすい側面もあったとみられます。

次回の権利確定は2027年2月で、直近の8月末から半年近く先になります。優待取りを目的とした需要は一般に権利確定日が近づくほど強まりやすく、逆に日程がこれだけ遠い時期は、よほどの押し目でない限り優待狙いの買いが入りやすい局面とは言えません。

それでも株価が底堅さを保っているのは、値上げラッシュのなかで打ち出した「トップバリュ」の値下げや、四半期として過去最高となった1Q決算の内容など、優待取り以外の材料が中心になっているためとみられます。

免責事項

  • 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
  • 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
  • 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
  • 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
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高原 祥子LIMO&ファイナンス編集部記者

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