前回2025年9月のケースでは、権利付き最終日から権利落ち日にかけてどう動いたのか
ここまで、2026年9月30日の株主優待スケジュールと、前回2025年9月にも同様の「保有期間不問」の特別優待があったことを見てきました。
通常より優待狙いの買いが入りやすい状況で、実際の株価がどう動いたのかについては、次に日次データをもとに詳しく検証します。
「権利落ち日に株価が下がる」という一般的なイメージとは異なる展開になっていたことが、日経平均株価との比較から見えてきます。
下げが集中したのは権利落ち日ではなく権利付き最終日だった
前回、2025年9月の権利付き最終日の1カ月前にあたる8月26日の終値は3,438円でした。
そこから株価は上昇基調をたどり、9月16日には期間中の終値ベースの高値となる3,715円まで買われています(8月26日比+8.06%)。
その後、株価は一進一退となります。19日に3,554円(前日比▲2.36%)まで下げた後、22日は3,632円(+2.19%)まで戻し、24日・3,650円、25日・3,645円と、権利付き最終日の直前までは比較的落ち着いた値動きが続いていました。
流れが変わったのは、権利付き最終日となった26日です。
終値は3,541円で、前営業日比104円安(▲2.85%)と、前1カ月のなかで最も下落率の大きい一日になりました。出来高も716万7,300株に達し、前日25日の373万3,800株から倍近くに膨らんでいます。
同日の日経平均株価は前日比▲0.87%安でしたので、オリエンタルランドの下落率はそれを大きく上回っており、市場全体の地合いだけでは説明しきれない下げ幅でした。権利を確定させた株主や、優待目当てで短期保有していた投資家による売りが、権利落ちを待たずにこの日のうちに出ていた可能性が考えられます。
これに対し、実際に株式が権利落ちとなった29日の終値は3,536円で、前営業日比5円安(▲0.14%)の小幅安にとどまりました。この日の日経平均は前日比▲0.69%安でしたので、オリエンタルランドはむしろ市場平均よりも底堅く推移したことになります。
前回のケースを見る限り、権利落ちに伴う値下がりは、制度上の権利落ち日そのものよりも、その前日である権利付き最終日に集中して表れていたことになります。
権利落ち日から1カ月後にかけては下落基調で推移
権利付き最終日(9月26日)からちょうど1カ月後にあたる10月26日は市場休場(日曜)にあたるため、直前の取引日である24日の終値を見ると3,488円でした。権利落ち日(9月29日)の終値3,536円からは48円安、下落率にして▲1.36%です。
この間、10月8日には期間中の終値ベースの安値となる3,444円(権利落ち日比▲2.60%)まで下げる場面もありましたが、その後10月中旬から下旬にかけては3,560円〜3,599円台まで戻す場面もあり、一本調子の下げではなく上下を繰り返しながらの推移となりました。
OLCの権利付き最終日前後1カ月の株価チャート(2025年9月)
記者コメント
前回、2025年9月のケースを見る限り、「権利落ち日に株価が下がる」という一般的なイメージとは異なり、実際に下げが集中したのは権利がまだ付いている権利付き最終日(9月26日)でした。
この日は日経平均の下落率(▲0.87%)を上回る▲2.85%の下げと、出来高の急増が同時に起きており、権利を確定させた株主による先回りの売りが出ていた可能性が考えられます。
一方、制度上の権利落ち日(9月29日)そのものは、日経平均が▲0.69%安のなかで▲0.14%の小幅安にとどまり、むしろ市場平均よりも底堅い値動きでした。
株主優待は保有しているだけで得られる魅力的な制度ですが、値下がりが必ずしも権利落ち日以降に起きるとは限らず、権利付き最終日の時点ですでに株価に織り込まれ始める場合もあります。
優待狙いで駆け込み取得を検討する際は、権利落ち日だけでなく、その前後数日の値動きにも注意が必要です。
今年9月30日の権利確定に向けても、前回と同様の値動きになるとは限りませんが、「特別優待」という共通項があるなかで、前回の動きは参考にすべき一つの材料になるでしょう。
参考資料
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
