【年金と健康寿命】厚生年金「月20万以上」はわずか18.8%、65歳以上の「4人に1人」が該当するMCI(軽度認知障害)を含めた認知症リスクを元銀行員が解説
years44/shutterstock.com
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【年金と健康寿命】厚生年金「月20万以上」はわずか18.8%、65歳以上の「4人に1人」が該当するMCI(軽度認知障害)を含めた認知症リスクを元銀行員が解説

平均寿命は女性87歳・男性81歳、健やかに過ごせる期間とのギャップをみる

執筆者神田 翔平ファイナンシャルアドバイザー/一種外務員資格/FP2級
14:40
【年金と健康寿命】厚生年金「月20万以上」はわずか18.8%、65歳以上の「4人に1人」が該当するMCI(軽度認知障害)を含めた認知症リスクを元銀行員が解説
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2026年も早くも半分が過ぎ、折り返し地点を迎えました。時の流れの早さを感じる中で、ご自身の将来の年金や老後の健康について考える機会も増えているのではないでしょうか。

老後のライフプランにおいて真に大切なのは、資金面だけでなく「健康寿命」をいかに延ばすかという視点です。筆者は元銀行員として、若年層から富裕層まで幅広い世代のお客様のライフプランニングをサポートしてきましたが、お金の不安をなくすことと同時に、それを楽しむ健康があってこその豊かな老後であると、日々の業務の中で実感してきました。現在は資産運用のコンサルティング業務を行う中でも、長寿化を見据えた資金準備や健康への備えに関心を持つ方は少なくありません。

今回はそうした実務経験を踏まえ、厚生労働省の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」等の調査結果をもとに、公的年金の受給実態や長寿化に伴う認知症リスクの現状について解説します。

厚生年金「月額20万円以上」を受給できる人はわずか18.8%という現実

厚生労働省の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の受給額には制度によって特徴があります。国民年金は保険料が一律のため受給額に大きな差が出にくい一方、厚生年金は収入や加入期間により変動し、男女間でも差が出やすい仕組みです。

  • 厚生年金 平均月額:全体15万289円(男性16万9967円、女性11万1413円)
  • 国民年金 平均月額:全体5万9310円(男性6万1595円、女性5万7582円)
  • 厚生年金 月額20万円以上の割合:18.8%

基礎年金(国民年金)を含んだ厚生年金受給者のうち、ひと月20万円以上を受け取っている人はわずか2割弱にとどまります。国民年金のみの受給者を含めると、月額20万円以上となる人の割合はさらに低くなると予想されます。

公的年金だけで老後の生活費をすべて賄うのはハードルが高いため、ご自身に合ったペースで少しずつ自助努力による備えを始めていくことが大切です。このように資金の備えが重要になる背景には、私たちの「長寿化」があります。

【伸びる健康寿命】平均寿命は女性87歳・男性81歳、健やかに過ごせる期間とのギャップをみる

健康寿命と平均寿命の推移(男女別)

健康寿命と平均寿命の推移(男女別)

内閣府の「男女共同参画白書 令和8年版 全体版」によると、日本人の長寿化が進む中で、誰もが健康でいきいきと暮らせる期間も着実に延びていることがわかります。

  • 平均寿命(令和6年):女性87.13歳、男性81.09歳
  • 健康寿命(令和4年):女性75.45歳、男性72.57歳

平均寿命の延びに伴い、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる「健康寿命」も延伸傾向にあります。平成13(2001)年からの推移を比較すると、男女ともに約3年程度、健康に過ごせる期間が長くなりました。

ここで注目したいのが、平均寿命と健康寿命の「ギャップ(差)」です。上記のデータから計算すると、男性で約8.5年、女性で約11.7年の差が存在します。この期間は、何らかの健康上の問題で日常生活に制限が生じ、医療や介護のサポートが必要になる可能性が高い期間を意味しています。

長寿化によって健やかな時間が延びているのは喜ばしいことですが、同時にこの約8〜12年間に及ぶギャップ期間をいかに心豊かに、そして経済的な不安を減らして過ごすかという視点が欠かせません。資産形成に加えて、医療や介護のリスクに対する理解が不可欠です。

中でも、長く健やかな生活を送る上で、今から意識しておきたいのが「認知症」への備えです。

【身近な認知症リスク】65歳以上の「4人に1人」が該当、MCI(軽度認知障害)を含めた現状

65歳以上の高齢者における認知症の現状(令和4年(2022年)時点の推計値)

65歳以上の高齢者における認知症の現状(令和4年(2022年)時点の推計値)
出所:政府広報オンライン「知っておきたい認知症の基本」

政府広報オンラインによると、65歳以上のシニア層3603万人を対象にした令和4年度(2022年度)の推計では、以下の現状が報告されています。

  • 認知症:約443万人(12.3%)
  • 軽度認知障害(MCI):約559万人(15.5%)

認知症やその前段階とされるMCI(軽度認知障害)を含めると合計で約1002万人となり、およそ4人に1人が認知機能に関して何らかのサポートや注意が必要な状況にあると推計されています。今や認知症は極めて身近な問題です。

豊かな老後に向けた備えを考える

今回は、厚生労働省等の調査結果をもとに、公的年金の受給実態や長寿化に伴う健康寿命の現状について解説しました。厚生年金で月20万円以上を受け取れる方がわずか2割弱という現実を知り、少し不安に思われたかもしれません。

しかし、早く現状を知ることで、これからの生活を見直す前向きなきっかけにしていただければと思います。人生100年時代と言われる中、長く健康でいられる時間は着実に延びていますが、同時に平均寿命と健康寿命の間には約8〜12年のギャップがあり、認知症のリスクも身近なものとなっています。

豊かな老後を過ごすためには、経済的な備えと健康維持の両輪が欠かせません。自分は大丈夫と思わず、食事や運動などの生活習慣を見直すことから始めてみませんか。お金と健康、両方の資産を今から少しずつ育てていくことが大切です。まずはご自身のねんきん定期便を確認し、将来の暮らしを具体的にイメージしてみてはいかがでしょうか。

参考資料

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神田 翔平ファイナンシャルアドバイザー/一種外務員資格/FP2級

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