年金からも「税金・社会保険料」が天引きされているので注意
前章では「平均年収400万円で38年間勤務した場合」を前提に、将来受け取る年金額の目安を示しましたが、そこでの金額はあくまで額面であり、そのまま受け取れるわけではありません。
年金は現役時の給与と同様に、税金や社会保険料が差し引かれる仕組みとなっているため、実際に手元に残る金額は表示額よりも少なくなります。
年金から控除される主な税金や社会保険料としては、次のようなものが挙げられます。
- 所得税
- 住民税
- 健康保険料(国民健康保険料・後期高齢者医療保険料)
- 介護保険料
参考として、総務省「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」をもとに、65歳以上の単身無職世帯における収支状況を確認していきます。
65歳以上の単身無職世帯における収支状況
- 実収入(額面の金額):13万1456円
- 可処分所得(手取り収入):11万8465円
- 消費支出:14万8445円
- 非消費支出(税金・社会保険料):1万2990円
年金などによる実収入が13万1456円であるのに対し、税金や社会保険料として1万2990円が差し引かれ、最終的に手元に残る金額は11万8465円となります。
控除される金額は、居住地や収入水準、世帯の状況によって異なりますが、目安としては、収入の10%〜15%程度が差し引かれるケースが多いと考えられます。
現役時代の給与でも額面と手取りが違ったように、年金でも「引かれたあとにいくら残るか」で考える習慣が、老後の家計を守るうえで役立ちます。
まとめにかえて
ここまで、平均年収400万円の人が38年間勤務したと仮定し、厚生年金と国民年金を合わせた受給額の目安を試算してきました。
試算では、両者を合計した年金は年額でおよそ163万円、月額にすると約13万6000円という結果になりました。
ただし、これはあくまで額面の数字にすぎません。
実際には税金や社会保険料が差し引かれるため、手元に残るお金はここから目減りしていきます。
大切なのは、この「手取り」というコストを差し引いた金額で、老後の暮らしをイメージしておくことです。
もし不足が見込まれるようであれば、日々の家計からいくらを将来に回せるのかを、一度落ち着いて見直してみてはいかがでしょうか。
長い時間をかけてお金に働いてもらう視点も選択肢の一つですが、投資には損失が生じる可能性もあります。ご自身のリスク許容度の範囲で、無理なく検討することが欠かせません。
参考資料
ファイナンシャルアドバイザー。一種外務員資格及びFP2級を保有。みずほ証券会社出身。証券会社では、個人向けコンサルティング営業に加え、地方公共団体や学校法人等への債券を活用した法人向け資産運用業務を経験。現在はIFAとして個人向け資産運用のコンサルティング業務を行う。
地方公務員・保険代理店出身。証券外務員二種保有。自治体で国民健康保険の賦課や高額療養費、退職に伴う年金切り替え等の実務に従事。複雑な社会保障制度に精通し、現在はLIMO編集部で年金・貯蓄・退職金等の金融情報を発信。
