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BRICSブームから約15年「インド株」はどれくらい成長した?今から投資もアリ?《米国株・日本株とリターンを比較》

インドの「現在地」と「期待値」

執筆者和田 直子編集者 株式会社モニクルリサーチ
20:52

運用のプロはどう見る?インドの「現在地」と「期待値」

この15年のパフォーマンス比較では、米国株や日本株に一歩譲ったインド株。

さらに足元では、イラン情勢の緊迫化に伴う原油高リスク(原油純輸入国であるインドには逆風)や、モディ首相による国民への燃料節約要請、さらには「AIの汎用化によるITサービス産業の変革期」など、短期的な懸念材料もいくつか浮上しています。

しかし、運用のプロは依然として「中長期で強気」を崩していないようです。

ここからは、いくつかのインド株投信の月次レポートを参考に、各運用会社のファンドマネージャーたちが考える、インドの「現在地」と「期待値」を確認していきます。

1. 人口ボーナスによる内需拡大

インドは中国を抜いて世界一の人口(約14億人)を誇りますが、注目すべきはその「中身」です。

これから結婚し、家を買い、子を育てる生産年齢人口が2040年代後半まで増え続けると見込まれており、「人口ボーナス期」の真っ只中にあります。

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出所:総務省統計局「統計ダッシュボード」

注目すべきは、単に「モノが売れる」というマクロな消費から、「所得水準の上昇」と「都市化の進展」という質的な変化へシフトしている点です。

こうした背景により、以下のセクターの投資比率を高めるというファンドも。

  • 不動産セクター: 地方から都市へ人が集まることで、空前の「住宅ブーム」が到来
  • 金融(銀行)セクター:家を買うためのローンや、資産を預ける「銀行口座」の需要が増加

「ただ人が増える」だけでなく、「家を買い、ローンを組む人たちが急増する」。このドッシリとした国内需要の強さは、すでに成熟した先進国にはない強みです。

2. 「ITサービス」から「製造業」への転換と、底堅い経済指標

これまでインド経済を引っ張ってきたのはITサービスでしたが、足元では「AIの台頭」という未知のライバルに直面しています。

そこで今、大急ぎで進められているのが「製造業」と「インフラ整備」へのシフトです。

世界の大企業が「中国だけに依存するのはリスクだ(チャイナ+1)」と次の工場を探す中、インドはその巨大な受け皿として機能し始めています。

短期的には原油高などの逆風を受けつつも、発表されるマクロ指標は堅調です。

  • 製造業PMI(景気の良さを示す指数): 好不況の境目である「50」を大きく上回る54台をしっかりキープ
  • 2026年度の経済成長率予測: 変わらぬ内需の強さで、6%〜7%程度の着実な成長を見込む

かつての「道路がガタガタで、しょっちゅう停電する」といったインドのイメージはもう過去のもの。インフラの底上げが、モノづくりの生産性をさらに高める良いサイクルに入っています。

3. プレミアムの剥落。過去5年平均まで調整した「適正なバリュエーション」

「インド株は成長期待が大きい分、いつでも株価が割高(プレミアムが乗っている)」

これが、これまでの投資中級者の共通認識でした。

「いいのは分かっているけど、今買うのは高すぎるなぁ」と二の足を踏んでいた方も多いはずです。

しかし、足元の地政学リスクや一時的な市場のバタバタによって、その過剰な「お高くとまっていた割高感」がようやくリセットされつつあります。

  • 予想PER(株価の割安度): 2026年5月末時点で約21倍まで落ち着き、過去5年の平均並みという「買いやすい適正水準」に。
  • EPS(1株当たりの利益)成長率: 企業の稼ぐ力は、市場予想で前年比+12.5%と、しっかり二桁成長をキープ。

※数値は各運用のプロがグローバルな比較で多用する「MSCIインド・インデックス」等の月次レポートをもとに集計しています(全体のトレンドは前半のSENSEXとも概ね連動しています)。

つまり、「インド企業そのものは元気に稼いで成長しているのに、外部環境のニュースのせいで株価が適正レベルまで下がってきている」という状態です。

ファンドマネージャーたちがレポートで「長期投資家にとっては、足元はむしろ絶好の拾い場(投資機会)になるかもしれない」と前向きに語っているのは、こうした数字の裏付けがあるからなのです。

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