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70歳代おひとりさまの貯蓄「平均と中央値」はいくら?老後の「貯蓄の取り崩し方」や「お金の置き場所」を考えよう
宮野 茉莉子
忘れてはいけない老後資金の“死角”とは?認知症介護経験から見えた「口座凍結」リスクと、インフレに負けない資産防衛策
ここまで資金の目減りや収入の確保について触れてきましたが、実際に親の介護を経験した筆者が痛感している「老後資金の死角」がもう一つあります。
それが「認知症による口座の凍結」です。
どんなに十分な貯蓄があっても、認知症による判断能力の低下で口座が凍結されてしまえば、日々の生活費や介護費用の引き出しすら家族には困難になってしまいます。
お金を単に貯めるだけでなく、いざという時に「使える」状態にしておく仕組みづくり(家族信託や任意後見制度など)も、元気なうちに家族と話し合っておくべき大切な老後対策です。
70歳代・二人以上世帯のデータからは、公的年金だけで生活費をまかなうのが難しく、不足分を貯蓄で補う構造が見えてきます。
しかし、老後の安心は「現金をいくら持っているか」だけで決まるわけではありません。物価高によって目減りする現金の性質を理解し、資産寿命を意識した管理へシフトすること。
また、認知症リスクにも備えて資金を活用できる仕組みを整えつつ、2026年の制度改正を活かして無理のない範囲で働き続けるなど、多角的なアプローチが必要です。
自身の貯蓄額や収支の見通しを正確に把握し、家計のバランスを見直すことが、安心できる老後生活を支える鍵となるでしょう。
早大卒。証券外務員二種・相続診断士。15年の書籍校閲で培ったファクトチェック力を武器に、一次資料に基づく「お金と暮らし」の分析記事を担当する編集記者。認知症介護経験をいかし、読者目線に立った情報発信も。