パーソナルファイナンスニュース
70歳代おひとりさまの貯蓄「平均と中央値」はいくら?老後の「貯蓄の取り崩し方」や「お金の置き場所」を考えよう
宮野 茉莉子
忘れてはいけない老後資金の“死角”とは?認知症介護経験から見えた「口座凍結」リスクと、インフレに負けない資産防衛策
毎月約4.2万円の赤字を貯蓄から補填するシミュレーションをお伝えしましたが、実はこれ以上に老後家計を静かに圧迫する要因があります。
それが、近年実感することの多い「物価の上昇(インフレ)」です。
日本のシニア世帯は、金融資産の多くを「預貯金」として保有する傾向があります。
「銀行に入れておけば元本割れしないから安心」と思われがちですが、物価が上がり続ける環境下では、銀行に置いているだけの現金は、実質的な価値(購買力)が徐々に目減りしていきます。
例えば、物価が毎年2%ずつ上昇したと仮定すると、現在1000万円で買えるモノやサービスは、10年後には約1219万円出さないと買えなくなります。
つまり、額面は1000万円のままでも、実質的な価値は約820万円相当まで下がってしまう計算です。
老後資金を守るためには、単に取り崩すだけでなく、資金を長持ちさせる「資産寿命」という視点が欠かせません。
過度にリスクの高い投資をする必要はありませんが、インフレ対策として「資産の置き場所」を意識することが求められていると言えるでしょう。
当面使わない資金の一部を堅実な運用に回す視点や、「自分自身が長く働き続けて収入を得る」ことも、物価高に対する防衛策となります。
早大卒。証券外務員二種・相続診断士。15年の書籍校閲で培ったファクトチェック力を武器に、一次資料に基づく「お金と暮らし」の分析記事を担当する編集記者。認知症介護経験をいかし、読者目線に立った情報発信も。