【優待は最大6,000円相当に拡充】森永乳業、毎年9月の株主優待は今回が最後に。海外事業けん引の1Q増益もあわせて解説 
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【優待は最大6,000円相当に拡充】森永乳業、毎年9月の株主優待は今回が最後に。海外事業けん引の1Q増益もあわせて解説 

ドイツ子会社MILEI社の増収要因と、過去2回の権利付き最終日前後の値動きを整理

執筆者高原 祥子LIMO&ファイナンス編集部記者
07:00
【優待は最大6,000円相当に拡充】森永乳業、毎年9月の株主優待は今回が最後に。海外事業けん引の1Q増益もあわせて解説 
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この記事はここがポイント

  • 森永乳業の2027年3月期第1四半期、海外乳素材事業けん引で営業・経常利益が増益、通期予想上方修正
  • 9月30日基準日優待は最大6,000円相当に拡充も今回が最終、2027年3月31日からの継続保有要件が追加に
  • 過去2回の権利付き最終日前後株価は対照的な動き、取得タイミングによる価格変動リスクに注意

権利付き最終日が迫るなか、個人投資家の関心は9月30日を基準日とする優待銘柄に集まっています。

AIや半導体関連銘柄の値動きが激しく、内需株が選好されやすいうえ、外国為替市場でドル円が内需銘柄にとって有利に働く円高方向に触れていることも追い風となっているといえます。

3月決算の企業では、本決算と並ぶ節目である中間期のこの時期に配当や株主優待の権利が確定する銘柄も多く、該当銘柄を探している方も多いのではないでしょうか。

 森永乳業<2264>もその一つです。

8月7日に発表された2027年3月期第1四半期決算からは、同社の"稼ぎ頭"となっている事業がどこかを読み解くことができます。

あわせて25日には株主優待制度の拡充も発表されており、9月30日の権利確定に向けたスケジュールとあわせて整理します。

2027年3月期第1四半期、純利益減も本業の収益力は拡大

2027年3月期第1四半期(2026年4月~6月)の連結決算は次の内容でした。

  • 売上高:1,470億9,900万円(前年同期比2.4%増)
  • 営業利益:99億7,700万円(同12.9%増)
  • 経常利益:106億700万円(同11.3%増)
  • 純利益:66億7,800万円(同3.4%減)

営業利益・経常利益が増加する一方、純利益だけが減少している背景には特別損益の差があります。

前年同期は退職給付制度の終了益22億1,500万円を含む特別利益22億3,500万円を計上していましたが、当期の特別利益は事業譲渡益7億円を中心とする8億8,300万円にとどまりました。この差が純利益減少の主因で、本業の収益力を示す営業利益・経常利益ベースでは伸びています。

これを受け、通期の連結業績予想も上方修正されました。売上高5,800億円(前期比1.5%増)は据え置いた一方、営業利益は期初計画(5月13日公表)の320億円から340億円へ、経常利益は327億円から350億円へ、純利益は200億円から210億円へ、それぞれ引き上げています。もっとも前期実績(純利益225億9,900万円)と比べると、通期予想は営業利益▲1.4%・経常利益▲5.7%・純利益▲7.1%となお減益の見通しです。

ただし、修正後の営業利益予想340億円に対する第1四半期の進捗率は29.3%で、単純な四半期等分ペース(25%)を上回っています。

なお、配当予想は中間12円・期末13円の年間25円で変更はありません。

"稼ぎ頭"はドイツ子会社の乳素材事業

森永乳業は事業を「成長分野」(ヨーグルト・アイス・菌体、海外の育児用ミルクなど)、「基幹分野」(ビバレッジ・チーズ・栄養食品・機能性素材、海外の乳素材など)、「育成・その他分野」に区分しており、第1四半期は基幹分野が売上高910億8,500万円(前年同期比1.0%増)で全体の約62%を占めています。

もっとも、この区分は国内・海外にまたがるため、実際に増益をけん引した場所を見るには国内・海外別の数字を見る必要があります。

  • 国内事業:売上高1,225億8,700万円(前年同期比1.2%減)、営業利益は前年同期比11億5,100万円減(約19.4%減)
  • 海外事業:売上高245億1,200万円(同25.4%増)、営業利益は前年同期比22億9,300万円増(約78.8%増)

売上高の8割超を占める国内事業が減収減益となる一方、売上高では2割弱にすぎない海外事業が営業利益を約8割伸ばし、連結全体の増益を支えた形です。

国内の減益は、価格改定やプロダクトミックス改善による増益効果を、原材料コストやオペレーションコスト・償却費負担の増加が上回ったためとしており、牛乳・アイスの販売数量減少も響きました。

海外事業の中心は、ドイツの連結子会社MILEI GmbH(ミライ社)が手がける乳素材(ホエイプロテインなど)事業です。ホエイプロテイン市況の上昇を背景に販売単価が上がったことで増収増益になったとしています。

なお、MILEI社の売上高は円換算で前年同期比24%増である一方、現地通貨(ユーロ)ベースでは10%増にとどまります。

この差は、期中平均レートが1ユーロ=165.3円(前年同期)から186.9円へ約13%円安に動いた換算効果によるもので、市況上昇に加えて為替の押し上げも含まれているとみられます。国内では「マウントレーニア カフェラッテ」などビバレッジやヨーグルトが増収に寄与しましたが、牛乳の販売減少がこれを打ち消しました。

株主優待、9月30日の権利確定は今回が最後、2027年3月から継続保有の条件追加に

森永乳業は8月25日、株主優待制度の内容拡充と基準日の変更を発表しました。

7月1日実施の1株を4株にする株式分割を踏まえた措置です。

直近の基準日である9月30日時点の株主を対象とする優待から、内容は次の通り拡充されます(Aコース=自社商品、Bコース=寄付から選択)。

保有株式数:優待内容

  • 200株〜399株:  自社商品(1,500円相当)または寄付
  • 400株〜999株:自社商品(2,500円相当)または寄付
  • 1,000株以上:自社商品(6,000円相当)または寄付

分割前ベースの現行水準(100〜299株で1,500円相当、300〜499株で3,000円相当、500株以上で5,000円相当)と比べると、たとえば400株(分割前の100株に相当)の場合、同じ実質保有株数で1,000円相当が上乗せされる計算です。

次回2027年3月31日基準日からは、次の2点が加わります。

  • 継続保有要件:基準日時点で200株以上を半年以上継続保有していることが条件(3月31日・6月30日・9月30日・12月31日の株主名簿に同一株主番号で連続記載されているかで判定)
  • 長期保有優遇:基準日時点で400株以上を3年以上継続保有している株主に、追加特典(400〜999株で1,000円相当、1,000株以上で2,000円相当)

基準日も毎年9月30日から毎年3月31日に変わり、2027年9月30日を基準日とする優待は実施されません。

2027年3月31日の優待対象は、2026年9月30日・12月31日・2027年3月31日の株主名簿に3回連続で記載されている株主に限られるため、2026年9月30日時点で200株以上を保有していないと2027年3月31日の優待は対象外となり、次に受け取れる機会は2028年3月31日基準日からになります。

 直近の9月30日基準の優待を受け取るには、28日が権利付き最終日、29日が権利落ち日です。

株主優待の内容や条件は今後変更される可能性があるため、必ず公式サイトで確認してください。

権利付き最終日を挟んだ値動き、2026年3月・2025年9月のケース

森永乳業の株価は、直近2回の権利付き最終日(配当・優待の基準日にあわせて株を保有すべき期限)の前後でどう動いたのでしょうか。

なお、ここで示す株価は2026年7月1日実施の1株を4株にする株式分割を遡及調整した後の値で、現在の株価と同じ基準です。

2026年3月のケース(期末配当の基準日)

権利付き最終日は3月27日でした。

それにかけての3営業日は1,229円から1,210円へと軟調に推移(▲1.55%)。

権利落ち日の30日は1,194円で▲1.32%の下落にとどまり、翌31日も小幅安でしたが、4月1日には1,253円まで急反発。

権利付き最終日から3営業日後の時点では、むしろ権利付き最終日比で+3.55%高い水準まで戻しています。

権利付き最終日と前後3営業日の株価推移(2026年3月)

権利付き最終日と前後3営業日の株価推移(2026年3月)
出所:各データより筆者作成

2025年9月のケース(中間配当・株主優待の基準日)

権利付き最終日は9月26日でした。それにかけての3営業日は892円から901円へやや強含みで推移(+1.01%)。

ところが権利落ち日の29日は865円へ▲4.00%の下落となり、3月のケースより下げ幅が大きくなりました。

その後も戻りは鈍く、3営業日後の10月1日には856円まで下げが続き、権利付き最終日比で約5%安(▲4.99%)の水準に沈んでいます。

権利付き最終日と前後3営業日の株価推移(2025年9月)

権利付き最終日と前後3営業日の株価推移(2025年9月)
出所:各データより筆者作成

2回のケースを比べると、権利落ち日の下落幅も、その後の値動きの方向も対照的でした。

株主優待や配当は保有しているだけで得られる魅力的な制度ですが、権利付き最終日直前に駆け込みで取得した場合、その後の値動き次第では優待・配当の価値以上に評価損を抱えるリスクがある点には注意が必要です。

記者コメント

2027年3月期第1四半期は、純利益こそ前年の特別利益の反動で減少しましたが、営業利益・経常利益は伸び、通期予想も上方修正されました。

増益の中心は国内のなじみあるブランドではなく、ドイツ子会社MILEI GmbHの乳素材事業で、市況上昇に加えて円安の換算効果も含まれています。国内事業は値上げ・商品構成改善の効果を原材料高が上回り減益となりました。

株主優待は分割を踏まえて拡充されますが、毎年9月末を基準日とする実施は今回が最後で、2027年3月期からは継続保有要件が加わります。

できるだけ早く優待を受け取りたい場合は、9月末までに200株以上を保有しておく必要があります。

また、過去の値動きを見る限り、権利付き最終日をまたいだ株価は一方向には動いておらず、取得タイミングによる価格変動リスクも踏まえた判断が求められます。

免責事項

  • 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
  • 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
  • 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
  • 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
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高原 祥子LIMO&ファイナンス編集部記者

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