この記事はここがポイント
- 幸楽苑2027年3月期第1四半期、純利益30.3%増、配当年15円に増加
- 株主優待は3月末年1回、9月末は中間配当のみの対象日
- 2026年3月末開始の長期保有優待、1年以上継続保有で優待券2,500円分を増額
同社が8月6日に発表した2027年3月期第1四半期決算では、売上高75億8,800万円(前年同期比9.8%増)、営業利益3億2,400万円(同22.2%増)、経常利益3億3,000万円(同23.4%増)、四半期純利益1億7,500万円(同30.3%増)と、いずれも増収増益となりました。
通期の業績予想(売上高315億円、営業利益16億円、経常利益16億円、当期純利益12億5,000万円)は5月13日発表分から据え置かれています。
通期の営業利益予想16億円に対する第1四半期の進捗率は20.3%です。前期(2026年3月期)は通期の営業利益実績15億1,500万円に対し、第1四半期時点は2億6,500万円で進捗率17.5%だったため、前年同期の進捗ペースと比べると今回はやや上回っています。
「再生から進化へ」、駅前出店で500店舗体制を目指す
幸楽苑は福島県郡山市に本社を置くラーメンチェーンで、「ラーメン事業」の単一セグメントで展開しています。
2026年6月末時点の店舗数は367店舗(国内直営346店舗、国内外フランチャイズ21店舗)で、地域別の売上構成比は関東49.1%、東北40.6%、北陸甲信越7.8%、東海2.5%となっており、東北・関東を主戦場とする地域密着型の展開が特徴です。
品目別では「らーめん類」が売上高の55.9%、「セット類」が32.4%を占めています。
同社は2027年3月期のテーマを「再生から進化へ」と掲げ、再び500店舗展開に向けた事業環境整備に着手すると説明しています。これまで中心だったロードサイド出店に加えて「駅前出店」にも取り組む方針で、当第1四半期には新規出店1店舗、店舗リニューアル9店舗を実施しました。
3月31日に開業した安積店では、環境負荷の少ない次世代型標準店舗として、同社として初めて「ZEBReady」認証を取得しています。低価格でおいしい商品を提供する生産基盤として、新工場建設の準備も店舗拡大にあわせて進めているとしています。
幸楽苑<7554>の株主優待、継続保有でさらにお得に
幸楽苑は株主優待制度を実施しており、毎年3月末日を基準日として、100株(1単元)以上を保有する株主に「株主ご優待券」または優待品を贈呈しています。
3月期決算の外食企業には、ゼンショーホールディングス<7550>のように3月末に加えて9月末(中間期末)にも優待の権利確定を設けている銘柄があります。
幸楽苑の株主優待の権利確定日は3月末の年1回のみで、9月末には優待の権利確定はありません。
配当は第2四半期末(9月末)と期末(3月末)の年2回ありますが、優待とは基準日が異なる点に注意してください。
9月末が近づくこの時期に外食株の優待を探している個人投資家は、この違いを見落として「秋にも優待がある」と思い込まないよう気をつける必要があります。
2025年11月12日には、これまでの優待制度に加えて長期保有株主優待制度を新設することを発表し、2026年3月末を基準日とする優待から適用が始まっています。1年以上継続して100株以上を保有する株主には、優待内容がより手厚くなる仕組みです。
保有株数別の優待内容は以下の通りです(500株以上の株主は優待券・優待品のいずれかを選択できます)。
- 保有株式数:継続保有1年未満/継続保有1年以上
- 100株以上500株未満:優待券2,000円分(500円×4枚)/優待券2,500円分(500円×5枚)
- 500株以上1,000株未満:優待券10,000円分(500円×20枚)または優待品/優待券13,000円分(500円×26枚)または優待品
- 1,000株以上:優待券20,000円分(500円×40枚)または優待品/優待券26,000円分(500円×52枚)または優待品
幸楽苑の優待条件一覧
ここでいう「継続保有1年以上」とは、毎期末(3月末)の株主名簿に同一の株主番号で連続2回以上、それぞれの基準日で1単元(100株)以上を保有し続けていることが条件です。
2026年3月末を基準日とする優待から適用が始まっており、次回の基準日である2027年3月31日の時点でも継続保有していれば、増額分の優待券を受け取れる見通しです。
優待券は幸楽苑各店舗での飲食代金に利用できる金券タイプのため、普段からラーメン店を利用する人 にとっては、外食費の実質的な節約につながる優待といえます。たとえば100株を1年以上保有していれば年2,500円分、1,000株を1年以上保有していれば年26,000円分の優待券が受け取れる計算です。
次回の権利確定日(基準日)は2027年3月31日です。
幸楽苑<7554>の9月1日の株価1,210円(前日比:▲4円、▲0.33%)
なお、株価水準についても触れておくと、9月1日終値の1,210円をもとに計算すると、PER(会社予想)は18.50倍、PBR(実績)は3.25倍、配当利回り(会社予想)は1.24%となります(EPS会社予想65.40円、BPS実績372.65円、配当予想15円をもとに算出)。
年初来高値1,249円(年2月17日)、年初来安値1,035円(6月3日)と比べると、現在の株価は年初来高値に近い水準で推移しています。
記者コメント
幸楽苑の2027年3月期第1四半期は、増収増益に加えて通期営業利益予想への進捗率も前年同期を上回るペースでした。ただし進捗率は20%台にとどまり、残り3四半期の推移次第という面もあります。
注目したいのは「駅前出店」という新たな出店戦略で、再び店舗数拡大に向けて動き出している点は今後の業績を占ううえで見ておきたいポイントです。
株主優待については、継続保有によって優待内容がより手厚くなる仕組みが2026年3月末の基準日から始まっており、長く保有する株主にとってはメリットが大きくなっています。
次回の権利確定日は2027年3月31日で、9月は優待の権利確定がないことに注意してください。
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
