この記事はここがポイント
- QDレーザ株価はAI向け「量子ドット」技術への期待で急騰。
- 業績は赤字続き、黒字化も特許譲渡の一時的要因。
- 信用倍率5,000倍超と需給が偏り、下落リスクに注意。
AIやデータセンターの電力問題を解決する「量子ドット」技術で注目を集めるQDレーザ。
株式市場では次世代技術への期待から、直近の株価はTOPIX(東証株価指数)を大きく上回る急騰を見せています。しかし、同社の直近の業績を見ると依然として営業赤字が続いており、利益が伴っていないのが実態です。
一体なぜ、業績が赤字体質であるにもかかわらず、これほどまでに株価が力強く上昇しているのでしょうか。
この理由について、元機関投資家の泉田良輔氏がQDレーザの株価の動きと会社からのメッセージを読み解き、プロの投資家ならではの視点で迫ります。
株価急騰の背景と「量子ドット」への期待
QDレーザの株価は、日本株の全体的な値動きを示すTOPIX(東証株価指数)と比較すると、長らくアンダーパフォーム(基準となる指数を下回る状態)が続いていました。
しかし、直近ではその傾向が反転し、急激な上昇トレンドを描いています。
【チャート】QDレーザの株価急騰
この株価急騰の背景には何があるのでしょうか。「なぜこれほど注目が集まっているのか」という疑問が投げかけられると、泉田氏は次のように分析します。
「最近はAIとかデータセンターでの話題がすごく多いし、電力問題なんかもあるんで、そのあたりから注目が増していった、そんな展開なのかなと思います」
現在、世界規模でデータ通信量が爆発的に増加しており、AIを活用したデータセンターの建設が急ピッチで進んでいます。それに伴い、膨大なデータを処理するための消費電力の増加や、システムが発する熱の問題が大きな課題となっています。
QDレーザが社名にも冠している「量子ドット」という技術は、従来のレーザー技術が抱えていた熱による出力の不安定さを克服し、データセンターの電力問題や熱問題を解決する次世代のイノベーションとして期待されています。
株式市場は、この技術が将来のITインフラを支える不可欠なものになるというストーリーを描き、その「期待」が株価を大きく押し上げているのです。
「イズミダイズム」はモニクルグループが運営する金融・経済YouTubeチャンネルです。フィデリティ投信や日本生命出身の元機関投資家の泉田良輔が、プロの視点から経済ニュースの裏側や資産形成のトピックを論理的に解説します。
株式会社モニクルリサーチ代表取締役。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。元機関投資家。フィデリティ投信や日本生命で日本株式や米国株式の証券アナリストやファンドマネージャーとして勤務。東京科学大学大学院非常勤講師。
