ヤマハ発動機の28日株価終値1,924.5円と年初来高値圏、二輪車が増益をけん引する一方でOLV事業は構造改革へ
JuliusKielaitis/Shutterstock.com
執筆者高原 祥子LIMO&ファイナンス編集部記者
11:00
ヤマハ発動機の28日株価終値1,924.5円と年初来高値圏、二輪車が増益をけん引する一方でOLV事業は構造改革へ
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この記事はここがポイント

  • ヤマハ発動機、中間決算で大幅増益と通期予想上方修正、株価も高値圏維持
  • 増益牽引は二輪車事業、全社営業利益の71%を占める主力
  • 赤字のOLV事業は構造改革へ移行、300名人員調整と2028年黒字化目標

ヤマハ発動機<7272>の株価は28日、前日比+18円(+0.94%)高の1,924.5円で取引を終えました。

17日につけた年初来高値1,987円からは一服したものの、依然として高値圏を保っています。

半導体・AI関連株の値動きが荒い東京株式市場にあって同社株が底堅さを保っている背景には、4日に発表した2026年12月期中間決算での大幅増益と、それに伴う通期業績予想の上方修正があります。

最新決算からひも解く企業の強み

同社が4日に発表した中間決算(2026年1-6月)は、売上収益が前年同期比+17.2%の1兆4,979億8,900万円、営業利益は+88.6%の1,584億7,600万円、中間利益は+114.7%の1,139億円という大幅増収増益でした。

通期業績予想も、5月時点の予想から売上収益で2,000億円、営業利益で800億円、最終利益で700億円それぞれ上方修正されています。

この大幅増益を支えたのが、二輪車(モーターサイクル)を主力とするランドモビリティ事業です。

中間売上収益の66%にあたる9,845億5,800万円(+21.8%)を稼ぎ、営業利益は1,127億3,100万円と、全社の営業利益のうち71%をこの1事業だけで稼ぎ出しています。前年同期の593億9,700万円から533億3,400万円増え、+89.8%という高い伸びです。

ランドモビリティ事業では、先進国は日本の販売が減少した一方で、欧米の需要伸長に伴い全体の販売台数は増加。また、新興国では、インド、アセアンの需要が大きく伸長し、販売台数が増加しました。

日本国内の需要が振るわないなかでも、欧米や新興国での販売増でカバーする構図が同事業の強みです。利益面でも「原材料コスト上昇の影響を受けたものの、販売台数の増加や価格転嫁、為替影響により増益」としており、値上げが着実に浸透していることがうかがえます。

全セグメントの営業利益を並べて見る、"稼ぎ頭"と"重荷"の差

セグメント: 売上収益(前年同期比)/ 営業利益(前年同期比)

  • ランドモビリティ:9,845億5,800万円(+21.8%)/1,127億3,100万円(前年593億9,700万円、+533億3,400万円)
  • マリン:3,006億6,900万円(+7.4%)/ 460億4,200万円(前年389億1,700万円、+18.3%)
  • アウトドアランドビークル(OLV) :802億8,900万円(+3.3%)/▲119億8,100万円(前年▲136億7,000万円、赤字幅縮小)
  • ロボティクス:601億2,000万円(+24.5%)/ 36億6,500万円(前年▲15億4,100万円、黒字転換)
  • 金融サービス:636億3,800万円(+18.1%) /121億2,700万円(前年80億5,100万円、+50.6%)
  • その他:87億1,300万円(▲11.6%)/ ▲41億700万円(前年▲71億2,200万円、赤字幅縮小)
  • 連結合計:1兆4,979億8,900万円(+17.2%)/1,584億7,600万円(+88.6%)

マリン事業も船外機の販売増と経費削減で+18.3%の増益、ロボティクス事業は「主要市場の中国を中心に販売が好調に推移」したサーフェスマウンターがけん引し、前年同期の赤字から黒字に転換しました。

一方、四輪バギーやゴルフカーを手がけるOLV事業は、赤字幅こそ縮小したものの依然として119億8,100万円の営業損失です。同社は重要な後発事象として、米国ジョージア州の工場でのROV(レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル)自社生産を終了し、パートナー企業からのOEM供給を前提とした協業モデルへ移行すると発表しました。

正社員約200名の削減を含む合計約300名の人員調整を計画し、一過性費用として約120億円を見込んでいます。同社は「2027年に大幅な収益改善を実現し、収益構造の改善及び資本効率の向上を通じて、OLV事業の2028年単年度黒字化を目指します」としています。

バリュエーション評価:高値圏でどこまで買われているか

28日終値1,924.5円をもとにすると、PER(会社予想)は10.99倍、PBR(実績)は1.49倍、配当利回り(会社予想)は2.60%です。EPS(会社予想)は175.17円、BPS(実績)は1,289.18円で、17日の年初来高値1,987円からは3.2%、2月4日の年初来安値1,033円からは86.3%それぞれ離れた水準にあります。

チャートをみると株価の値動きは一目瞭然です。

決算後、同社の株価はいわゆる「垂直上げ」の状態となっています。決算が株価に与えたインパクトの大きさが伝わってきます。

ヤマハ発動機の年間チャート

ヤマハ発動機の年間チャート
出所:各データより筆者作成

記者コメント

中間決算だけを見ると88.6%増益という数字のインパクトが目立ちますが、中身を見ると二輪車頼みの収益構造がより鮮明になったとも言えます。

OLV事業の構造改革が計画通りに進み、2028年度の黒字化を実現できるかどうかは、今後の決算で継続的に確認しておきたいポイントです。

免責事項

  • 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
  • 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
  • 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
  • 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
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高原 祥子LIMO&ファイナンス編集部記者

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