パーソナルファイナンスニュース

「オルカン」と「S&P500」の両方もちは「アリ」か「ナシ」か?共通点と相違点、運用実績を徹底検証して考える

執筆者和田 直子編集者 株式会社モニクルリサーチ
05:02

「卵を一つのカゴに盛るな」オルカンとS&P500はどう位置づける?

銀行員時代、投資の話をするときに毎日のように口にしていたのがこの言葉です。

卵を一つのカゴに盛るな

卵を一つのカゴに盛るな
出所:金融庁「基礎から学べる金融ガイド」

「卵を一つのカゴに盛るな」

投資の世界に伝わる格言で、「一か所に資産を集中させず、複数に分けることでリスクを分散させましょう」という意味です。カゴを落としても、全ての卵が割れないように、という例えですね。

この考え方を体現したものが「バランスファンド」と呼ばれる商品です。1本のファンドの中に、世界各国の株式・債券・不動産(リート)など複数の資産クラスをまとめて組み入れており、運用会社が市場の状況を見ながら配分を調整してくれます。ただし、その分だけ手間がかかるため、信託報酬などのコストがやや高めになる傾向があります。

コスト意識の高い方の中には、「国内株式ファンド」「米国株式ファンド」「欧州債券ファンド」などを自分で組み合わせ、自前でポートフォリオを構築する方もいらっしゃいました。

この「分散」の観点でオルカンとS&P500を見ると、どちらも米国株への比率が高い点は共通しています。オルカンは世界分散とはいえ米国が6割超を占め、S&P500は米国100%です。そのため、「米国株以外の国や、株式以外の資産(債券・リートなど)にも投じたい」とお考えなら、他のファンドと組み合わせることも選択肢のひとつです。

ただ、積立投資の場合は「時間の分散」という効果が働いています。毎月少しずつ購入することで、価格が高いときは少なく、安いときに多く買えるため、それ自体がリスク分散の機能を果たします。

もう一点、長期投資ならではの視点もお伝えしておきます。たとえば老後資金のために20〜30年積み立て、65歳を迎えた頃にちょうど米国株が不調だったとしたら…

S&P500は米国株100%のため、ダメージをそのまま受けることになります。

オルカンであれば、将来的に米国株の勢いが落ちてインドや東南アジアなど他の国が台頭してきた場合にも、世界の成長に合わせてファンド内の比率が自動的に調整されていきます。どこに成長の中心が移っても、「世界全体についていく」という設計がオルカンの特徴です。

正解は人によって違いますが、「今後も米国が世界経済をリードし続けると信じる」ならS&P500、「どの国が伸びるか分からないから世界丸ごと持っておきたい」ならオルカン、というのが一つの考え方になるでしょう。

関連タグ

和田 直子編集者 株式会社モニクルリサーチ

PROFILE

TOP