パーソナルファイナンスニュース

60歳代・70歳代「ふたり以上世帯の貯蓄」平均いくら?年金・介護費用から見る老後家計のリアル

「口座凍結されたらどうしよう…」ずっと不安でした。介護経験者が語る《親が元気なうちにやっておきたいこと》

執筆者熊谷 良子編集者
17:16

介護費用の準備はどうしてる?最新調査とこれからの生活防衛策

トイレなどの介護が必要になったら、介護費用はどうする?

トイレなどの介護が必要になったら、介護費用はどうする?
出所:内閣府「令和4年 高齢者の健康に関する調査結果」

シニア世代の介護費用に関する意識は、内閣府の「令和4年度 高齢者の健康に関する調査」でも見ることができます。

将来、排せつなどの介護が必要になった際、その費用を「年金等の収入でまかなう」と答えた人が最も多く、全体の63.8%を占めました。

次いで「貯蓄でまかなう」が18.3%、「家族などの援助」が4.3%と続く一方で、「特に考えていない」人も8.3%存在しています。

多くの人が年金を主な財源と考えていますが、前述の通り、年金収入だけでは生活費すら赤字になる世帯が少なくありません。

年金だけで介護費用までカバーするのは、かなり厳しいのが現実です。

毎月の生活費の赤字を補うだけでも手元の貯蓄は減っていきます。

そこに介護への備えが不十分な状態が重なれば、結果的に子ども世代が経済的・精神的な大きな負担を背負うことになりかねません。

近年の物価高を考慮すれば、かつての目安「老後2000万円」では全く足りなくなる可能性も十分にあります。

インフレと長寿化の時代において、無理のない範囲で資産運用を行い「資産寿命を延ばす」ことは大切です。

しかし、ただ「残高を増やす」だけでは万全とは言えません。

筆者の体験でも触れたように、親が認知症を発症して口座が凍結されてしまえば、せっかく蓄えたお金も親の介護費用として引き出せなくなってしまいます。

いざという時に「親の年金や預貯金でどこまで対応できるのか」を元気なうちから親子でオープンに話し合うとともに、その資産を確実に親自身のために使えるようにしておく「家族信託」や「任意後見制度(成年後見制度)」などの活用も視野に入れて準備しておくことが、将来の安心を守るための最も有効な防衛策となるでしょう。

参考資料

(ご参考)記事内で使われる「貯蓄」の定義について

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]において、「貯蓄」とは、ゆうちょ銀行、銀行、その他の金融機関への預貯金、生命保険の掛金、そして株式や投資信託などの有価証券といった金融機関への貯蓄と、社内預金などの金融機関外への貯蓄の合計を指します。なお、有価証券の評価額は、株式および投資信託は調査時点の時価、債券などは額面で計算されます。

関連タグ

熊谷 良子編集者

PROFILE

TOP