執筆者石津 大希アナリスト 株式会社モニクルリサーチ
18:40

通期は営業減益予想、しかし1Qは増益で発進

2027年3月期通期の会社計画は、売上高4兆3,020億円(前期比+4.1%)に対し、営業利益5,550億円(同▲2.2%)、純利益3,490億円(同▲7.3%)と、増収減益を見込む。前期の2026年3月期がすでに営業利益5,673億円(▲13.7%)と減益だったことを踏まえれば、2期続けての利益減少を計画している格好だ。

ところが1Qは、売上高1兆431億円(+14.7%)、営業利益1,516億円(+8.0%)、純利益962億円(+5.4%)と増収増益となった。会社の保守的な計画と、足元の出足の強さにはギャップがある。

「減益局面」と読むだけでいいのか

収益性そのものは高い。前期の営業利益率はおよそ14%で、機械業種の中央値である約8%を大きく上回る。ROE(自己資本利益率)も11.3%と、業種中央値の7.8%より高い。財務も自己資本比率50%台となっている。

普通、機械株は減益計画が出れば敬遠されやすい。それでも株価が高値圏を保つのは、市場が減益の先にある回復や、円安・北米や資源向け需要といった追い風を、会社計画よりも強気に見ている可能性がある。会社の保守と、市場の楽観。どちらが正しいかは四半期を追って確かめるしかない。

筆者コメント

いまのコマツは、利益の局面が変わろうとしていると読み取れる。

資源と建機需要のサイクルに乗って伸びてきた利益は、前期にピークアウトの兆しを見せ、会社は2期連続の減益を計画している。数字の向きだけを見れば、明らかに減速局面だ。

だが株価はそれを額面どおりには受け取っていない。ここで効いてくるのが、この会社が景気敏感株でありながら循環の谷でも高い収益性と厚い財務を保ってきた実績だろう。市場は「目先の減益よりも、谷が浅く済み次の山ではより高い利益に届く」という循環の形を織り込みにいっているのかもしれない。

今後注目すべきは、保守的な通期計画が今後どう修正されていくかだ。1Qの増益がイレギュラーな要素によるものでなければ、計画と実績の差は四半期ごとに埋まっていく。減益の内側で何が起きているかを、決算のたびに確かめる視点を持ちたい。

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石津 大希アナリスト 株式会社モニクルリサーチ

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