この記事はここがポイント
- 東京都区部中古物件7000万円台に高騰、マイホーム購入にペアローン利用拡大
- 2026年1月調査、20代35.3%・30代30.9%がペアローン利用、若年層に定着
- FPは、無理なく返済できる月額を基に、将来を見据えた資金計画を推奨
7月、いよいよ夏本番を迎えました。日々の物価高や住宅価格の高騰に驚かれている方も多いかもしれません。東京都区部では中古物件でも7000万円台を超えるなど、マイホーム購入のハードルは高い状態が続いています。
私はファイナンシャルプランナー(FP)として住宅購入のご相談を受けてきた中で、最近は限られた予算で希望の住まいを叶えるため「夫婦で住宅ローンを組む」ことを検討される方が増えていると感じます。今回は、最新の調査結果をもとに、共働き世帯に選ばれているペアローンの現状と利用時の注意点を解説します。
都心の中古マンション7000万円台!価格高騰が続くマイホーム市場
東日本レインズの「月例速報マーケットウォッチ(2026年6月度)」によると、首都圏の中古住宅市場では価格の高止まりが見られます。
2026年6月「成約中古マンション」
東京都区部における中古マンションの平均成約価格は7559万円(前年比+1.8%)と依然として高水準です。周辺の埼玉県(3110万円)や横浜・川崎市(4368万円)では明確な価格の上昇トレンドが続いています。 また、中古戸建の区部の平均成約価格は前年比14.5%上昇の7900万円となりました。
都市部を中心に物件価格の高騰が続く中、一人ではなくご夫婦で協力する「ペアローン」を選択肢に入れる方が増えているのは、自然な傾向と言えそうです。
20歳代の約3割が利用。若い世代に定着するペアローン
住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)」によると、金利タイプは「変動型」が75.0%と圧倒的なシェアを占めています。
利用した金利タイプ
こうした環境の中、予算を補うために「ペアローン」や「収入合算」を利用する世帯は全体で38.7%に上りました。
ペアローン・収入合算の利用
そのうち、純粋な「ペアローン」を利用した世帯は24.1%です。 年代別に見ると、ペアローン利用率は「20歳代」が35.3%、「30歳代」が30.9%と若い世代ほど高く、若い共働きご夫婦にとって有効な選択肢として定着していることがうかがえます。
ペアローンと収入合算の違いと注意点
夫婦でローンを組む方法には「ペアローン」と「収入合算」の2種類があり、大きな違いは「契約の数」と「団体信用生命保険(団信)の保障範囲」です。
夫婦でローンを組む
- ペアローン 夫婦それぞれが個別にローンを組むため契約が2つになります。金利タイプや返済期間を別々に選べるのが特徴です。万が一の際は、亡くなった方の残高が団信で免除されます。
- 収入合算 契約自体は1つで借入額を増やす方法です。主債務者ではない側(連帯保証人など)に万が一のことがあった場合、団信の免除が受けられないケースが多い点に注意が必要です。
どちらも希望の物件に手が届きやすくなりますが、将来的な収入の減少やライフスタイルの変化により、返済負担が重くなるリスクも伴います。
まとめにかえて
マイホームは長い時間をかけて返済していく大きな買い物です。夫婦の収入を合わせれば選択肢は広がりますが、予期せぬライフイベントに備えることも大切です。
《FPのワンポイントアドバイス》
夫婦でローンを組む際は、借入可能額ギリギリまで借りるのではなく、「無理なく返済し続けられる月々の金額」をベースに予算を立ててみてください。将来の出産や育児などで世帯収入が下がる時期をシミュレーションしておくこともおすすめします。団信でカバーしきれないリスクについては、民間の生命保険や手元の貯蓄で補うなど、ご夫婦で話し合って最適な資金計画を立ててみてくださいね。
参考資料
日本生命保険相互会社出身。元マネースクール講師、現役FP(CFP®・1級FP技能士)でJ-FLEC認定アドバイザー。保険から年金、資産運用まで幅広い知見を持ち、「お金の先生」としてLIMO&ファイナンス編集部にてわかりやすく信頼できる記事をお届けします。
