高齢者世帯の4割以上が収入源は「公的年金のみ」という現実
厚生労働省が公表した「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」からは、高齢者世帯(※)における収入の厳しい実情がうかがえます。
この調査によると、高齢者世帯全体の平均所得構成を見ると、「公的年金・恩給」が63.5%と大半を占めており、次いで「稼働所得」が25.3%、「財産所得」が4.6%となっています。
ただし、これはあくまで全体の平均値です。さらに詳しく「公的年金・恩給を受給している世帯」に絞って分析すると、全収入が「公的年金・恩給」のみという世帯が43.4%にも達していることが明らかになりました。
※高齢者世帯:65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の者が加わった世帯
所得に占める公的年金の割合【世帯構成データ】
- 総所得に占める公的年金・恩給の割合が100%の世帯:41.3%
- 総所得に占める公的年金・恩給の割合が80~100%未満の世帯:17.1%
- 総所得に占める公的年金・恩給の割合が60~80%未満の世帯:14.1%
- 総所得に占める公的年金・恩給の割合が40~60%未満の世帯:13.6%
- 総所得に占める公的年金・恩給の割合が20~40%未満の世帯:9.7%
- 総所得に占める公的年金・恩給の割合が20%未満の世帯:4.2%
このデータは、年金を受給している世帯の半数近くが、公的年金からの収入だけで生活を成り立たせているという現実を示しています。
こうした状況において、昨今の物価高は家計に深刻な影響を与えかねません。
まとめ:年金生活者支援給付金を活用して物価高に備えよう
本記事では、65歳以上の方を対象とする老齢年金生活者支援給付金について、制度の概要や手続き方法、さらには背景にあるシニア世帯の経済事情までを解説しました。
2026年度は給付額が増額されましたが、調査データが示すように、多くの方が物価上昇のスピードに家計が追いついていないと感じているのが現状でしょう。
公的年金だけで老後の生活を支えることがますます難しくなっている現代において、年金生活者支援給付金のような公的支援制度を正しく理解し、対象となる場合には確実に利用することが家計を守るうえで重要です。
日本年金機構から関連書類が届いた際は、内容をしっかりと確認し、忘れずに手続きを進めることをお勧めします。
次回の年金支給日は8月14日(金)です。ご自身の状況に合わせて、利用できる制度を賢く取り入れてみてはいかがでしょうか。
資産形成とともに「使える公的支援制度」へのアンテナを高く張っていきましょう。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金」
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
- 日本年金機構「個人の方の電子申請(年金生活者支援給付金請求書)」
- 厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」
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早大卒。証券外務員二種・相続診断士。15年の書籍校閲で培ったファクトチェック力を武器に、一次資料に基づく「お金と暮らし」の分析記事を担当する編集記者。認知症介護経験をいかし、読者目線に立った情報発信も。
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【経歴】 早稲田大学第一文学部卒業。
二種外務員資格(証券外務員二種)を保有し、15年以上にわたる書籍校閲で培った「ファクトチェック力」を武器に、現在は株式会社モニクルリサーチLIMO編集部に所属、くらしとお金の経済メディア『LIMO』にてパーソナルファイナンス系記事の編集・執筆を担当。
厚生年金保険・国民年金、貯蓄、家計管理など暮らしに不可欠なテーマについて、厚生労働省・日本年金機構・総務省などの一次データをもとに読み解く分析記事を得意とする。
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