ふつうの年金本体に上乗せされる「老齢年金生活者支援給付金」金額・支給要件・請求手続きを確認!
Wako Megumi/shutterstock.com
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ふつうの年金本体に上乗せされる「老齢年金生活者支援給付金」金額・支給要件・請求手続きを確認!

65歳以上の住民税非課税世帯なら支給対象かもしれません

執筆者熊谷 良子編集記者
11:36
ふつうの年金本体に上乗せされる「老齢年金生活者支援給付金」金額・支給要件・請求手続きを確認!
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この記事はここがポイント

  • 老齢年金生活者支援給付金は、65歳以上で住民税非課税など所得要件該当者への給付。
  • 2026年度、月額5620円基準で3.2%増額改定、受給には請求手続きが必要。
  • 公的年金を収入源とする高齢者世帯は43.4%を占め、物価高対策の重要な家計防衛策に

本格的な夏がやってきました。

エアコンの使用が増えるこの時期は、電気代をはじめとする光熱費が家計に重くのしかかります。

終わりの見えない物価高は、特に年金で生計を立てるシニア世帯にとって大きな課題。

総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、65歳以上の無職高齢夫婦世帯では、光熱・水道費に月々約2万4000円、食費には約7万9000円を支出しているというデータもあります。

シニア世帯の家計収支

シニア世帯の家計収支
出所:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」

日々の生活費に加え、医療費や介護費など、シニア期は何かと出費がかさむものです。「今の年金収入だけで、この物価高を乗り切れるだろうか」と将来に不安を感じる方も少なくないでしょう。

少しでも家計にゆとりを持たせるためには、利用できる公的支援を最大限に活用することが大切です。

しかし、支援制度のなかには、自分から手続きしなければ受け取れないものも多く存在します。

そこでこの記事では、所得が一定基準以下の年金受給者を支える「年金生活者支援給付金」に注目。

シニアの暮らしとお金にまつわる情報を発信する筆者が、特に65歳以上の方が対象となる「老齢年金生活者支援給付金」について、その仕組みや対象者、手続き方法をわかりやすく解説します。

年金生活者支援給付金とは?「老齢・障害・遺族」の3つの種類を解説

年金生活者支援給付金制度について

年金生活者支援給付金制度について
年金生活者支援給付金制度について

年金生活者支援給付金は、公的年金やその他の所得が一定の基準を下回る方を対象とした制度で、年金に上乗せして支給されます。この給付金は、受け取っている年金の種類に応じて、以下の3つに分けられます。

  • 老齢年金生活者支援給付金
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金

いずれも、それぞれの基礎年金を受給しており、所得要件を満たす場合に受け取ることが可能です。給付金は2カ月に一度、年金本体とは別に支給されます。今回は、このなかでも特に「老齢年金生活者支援給付金」について詳しく見ていきましょう。

【老齢年金生活者支援給付金】対象者は誰?満たすべき3つの支給要件

老齢年金生活者支援給付金を受給するには、定められた支給要件をすべてクリアする必要があります。主な判断基準は、受給者ご本人と世帯全体の所得状況です。

65歳以上で住民税非課税世帯なら対象?支給要件を詳しく確認

「老齢年金生活者支援給付金」支給要件

「老齢年金生活者支援給付金」支給要件
出所:日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
「老齢年金生活者支援給付金」支給要件
  • 65歳以上で、老齢基礎年金を受給していること。
  • ご自身を含む世帯員全員の市町村民税が非課税であること。
  • 前年の公的年金などの収入金額(※1)と、それ以外の所得との合計額が、基準額以下であること。
    (昭和31年4月2日以降生まれの方:80万9000円以下、昭和31年4月1日以前生まれの方:80万6700円以下(※2))

※1 障害年金や遺族年金といった非課税収入は、ここでの収入金額には含まれません。
※2 収入と所得の合計額が基準額を超えても一定の範囲内(昭和31年4月2日以降生まれの方は90万9000円以下、昭和31年4月1日以前生まれの方は90万6700円以下)であれば、「補足的老齢年金生活者支援給付金」の対象となる場合があります。

上記の3つの要件をすべて満たしている方が、給付金の支給対象となります。

【2026年度】老齢年金生活者支援給付金はいくらもらえる?基準額は月額5620円

2026年度における年金生活者支援給付金の額は、前年の物価変動を反映し、3.2%の増額改定が実施されました。

2026年度の給付額は3.2%増額

年金生活者支援給付金の給付額

年金生活者支援給付金の給付額
出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成
年金生活者支援給付金の給付額
  • 老齢年金生活者支援給付金(基準額):月額5620円

実際の支給額は、この基準額をベースに、個人の保険料納付済期間や免除期間に応じて計算されます。

【手続き】年金生活者支援給付金の申請方法は?ケース別の流れを解説

年金生活者支援給付金の手続き方法

年金生活者支援給付金の手続き方法
年金生活者支援給付金

年金生活者支援給付金の支給対象となる可能性のある方へは、日本年金機構から請求手続きに関する案内が送付されます。年金の受給状況によって案内の形式や届くタイミングが異なるため、ここでは3つのパターンに分けて手続きの流れを確認します。

ケース1:これから老齢年金を受給開始する方(緑の封筒)

年金請求書の封筒

年金請求書の封筒
出所:日本年金機構「65歳の誕生日を迎え、老齢基礎年金を新規に請求する方」
年金請求書の封筒

65歳を迎えて新たに老齢基礎年金の受給を始める方には、65歳になる3カ月前に「年金請求書(事前送付用)」が日本年金機構から届きます。この書類の中に「年金生活者支援給付金請求書」が同封されていますので、確認しましょう。

必要事項を記入したうえで、受給開始年齢(原則65歳)の誕生日の前日以降に、年金請求書と一緒に年金事務所へ提出します。

ケース2:すでに年金を受給中の方(うす緑の封筒)

年金生活者支援給付金請求書の封筒

年金生活者支援給付金請求書の封筒
出所:日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)送付用封筒」
年金生活者支援給付金請求書の封筒

すでに老齢基礎年金を受け取っている方で、新たに給付金の支給対象となった場合には、2025年9月1日から順次、「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が郵送されます。

令和7年度の年金生活者支援給付金請求書(はがき型)

令和7年度の年金生活者支援給付金請求書(はがき型)
出所:日本年金機構「令和7年度の年金生活者支援給付金請求書(はがき型)の送付について」
令和7年度の年金生活者支援給付金請求書(はがき型)

請求書(はがき)に必要事項を記入し、同封されている目隠しシールを貼り付けた後、切手を貼ってポストへ投函すれば手続きは完了です。

※支給要件に該当するか確認できない方には、A4サイズの請求書と所得状況届が送付されます。

ケース3:老齢基礎年金を繰上げ受給している方(うすだいだい色の封筒)

年金生活者支援給付金の請求書封筒、繰上げ受給中の人用

年金生活者支援給付金の請求書封筒、繰上げ受給中の人用
出所:日本年金機構「65歳の誕生日を迎えた方で、老齢基礎年金を繰上げ受給している方」
年金生活者支援給付金の請求書封筒、繰上げ受給中の人用

老齢基礎年金を繰上げ受給している方で、給付金の対象となる見込みがある場合、65歳になる誕生月の初旬(1日生まれの方は前月の初旬)に「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が届きます。

手続き方法はケース2と同じで、はがきに必要事項を記入して目隠しシールを貼り、切手を貼って投函します。

※支給要件に該当するか確認できない方には、A4サイズの請求書と所得状況届が送付されます。

一度請求手続きを行い認定されると、その後も支給要件を満たし続けている限り、翌年度以降の申請は原則として不要です。

もし所得の増加などにより要件を満たさなくなった場合は、「年金生活者支援給付金不該当通知書」が送付され、給付金の支給は停止されます。

高齢者世帯の4割以上が収入源は「公的年金のみ」という現実

厚生労働省が公表した「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」からは、高齢者世帯(※)における収入の厳しい実情がうかがえます。

この調査によると、高齢者世帯全体の平均所得構成を見ると、「公的年金・恩給」が63.5%と大半を占めており、次いで「稼働所得」が25.3%、「財産所得」が4.6%となっています。

ただし、これはあくまで全体の平均値です。さらに詳しく「公的年金・恩給を受給している世帯」に絞って分析すると、全収入が「公的年金・恩給」のみという世帯が43.4%にも達していることが明らかになりました。

※高齢者世帯:65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の者が加わった世帯

所得に占める公的年金の割合【世帯構成データ】

出所:厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」
総所得に占める公的年金・恩給の割合別 世帯構成

 

  • 総所得に占める公的年金・恩給の割合が100%の世帯:41.3%
  • 総所得に占める公的年金・恩給の割合が80~100%未満の世帯:17.1%
  • 総所得に占める公的年金・恩給の割合が60~80%未満の世帯:14.1%
  • 総所得に占める公的年金・恩給の割合が40~60%未満の世帯:13.6%
  • 総所得に占める公的年金・恩給の割合が20~40%未満の世帯:9.7%
  • 総所得に占める公的年金・恩給の割合が20%未満の世帯:4.2%

このデータは、年金を受給している世帯の半数近くが、公的年金からの収入だけで生活を成り立たせているという現実を示しています。

こうした状況において、昨今の物価高は家計に深刻な影響を与えかねません。

まとめ:年金生活者支援給付金を活用して物価高に備えよう

本記事では、65歳以上の方を対象とする老齢年金生活者支援給付金について、制度の概要や手続き方法、さらには背景にあるシニア世帯の経済事情までを解説しました。

2026年度は給付額が増額されましたが、調査データが示すように、多くの方が物価上昇のスピードに家計が追いついていないと感じているのが現状でしょう。

公的年金だけで老後の生活を支えることがますます難しくなっている現代において、年金生活者支援給付金のような公的支援制度を正しく理解し、対象となる場合には確実に利用することが家計を守るうえで重要です。

日本年金機構から関連書類が届いた際は、内容をしっかりと確認し、忘れずに手続きを進めることをお勧めします。

次回の年金支給日は8月14日(金)です。ご自身の状況に合わせて、利用できる制度を賢く取り入れてみてはいかがでしょうか。

資産形成とともに「使える公的支援制度」へのアンテナを高く張っていきましょう。

参考資料

 

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熊谷 良子編集記者株式会社モニクルリサーチ

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