厚生年金が10万円未満でも天引きされるのか
ここで気になるのが、「厚生年金が10万円未満でも天引きされるのか」という点です。
天引き(特別徴収や源泉徴収)の条件についてくわしく見ていきましょう。
年金から天引きされるお金とは
年金から天引きされるお金には、主に次の種類があります。
- 所得税と復興特別所得税(源泉徴収)
- 住民税と森林環境税(特別徴収)
- 国民健康保険料(特別徴収)※2026年4月からは、ここに「子ども・子育て支援金」も上乗せして徴収されます。
- 後期高齢者医療保険料(特別徴収)
- 介護保険料(特別徴収)
天引きされる条件
年金から上記のお金が天引きされるには条件があります。
まず税金(所得税と復興特別所得税および住民税と森林環境税)は、そもそも課税されなければ当然ながら天引きはありません。
65歳以上であれば、年金月額10万円未満(年120万円)は所得税・住民税ともに非課税となる水準のため、天引きはありません。これは公的年金等控除と基礎控除等が適用されるためです。
一方で社会保険料には「非課税」という概念がなく、どれだけ収入が低くても支払う義務があります。特別徴収を行う条件のひとつに「年間の受給額が18万円以上」というものがあるので、年金月額10万円未満でも天引きの対象になる可能性があるでしょう。
※2分の1判定(介護保険料と各種特別徴収の対象となるお金の合計額が、各支払期に支払われる特別徴収対象年金額の2分の1を超える場合は対象外とするという判定)は自治体が行うため、個別のケースによって異なります
「天引きされない」と「支払わなくていい」は違う
そもそもが非課税の場合を除いて、もし天引き対象にならなかったとしても「支払わなくていい」というわけではありません。
天引き(特別徴収)の対象外の場合は普通徴収となり、口座振替や納付書等で支払わないといけないのです。
老後もこのような負担が続くことは知っておきましょう。
まとめにかえて
厚生年金は国民年金より手厚いとはいえ、「月10万円未満」が全体の約2割を占めるのが実態です。
平均額の数字だけを見て安心するのではなく、自分自身の見込み額を「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で早めに確認しておくことが大切です。
その際は、手取り額も意識しておきましょう。
参考資料
地方公務員・保険代理店出身。証券外務員二種保有。自治体で国民健康保険の賦課や高額療養費、退職に伴う年金切り替え等の実務に従事。複雑な社会保障制度に精通し、現在はLIMO編集部で年金・貯蓄・退職金等の金融情報を発信。
