住宅ローンの借り換えで注意したい4つのポイント
住宅ローンの借り換えを検討する際には、次の4点をおさえておきましょう。
①新たに審査が必要になる
借り換えは新規の住宅ローン申し込みと同じ扱いになるため、改めて金融機関の審査を受ける必要があります。以下のような場合は、審査が通りにくくなることがあります。
- 現在のローンに返済の延滞履歴がある
- 借り換え時点での収入が当初より減っている
- 転職したばかりで勤続年数が短い
- 健康状態に変化があり、団信への加入が難しい
また、審査書類の準備など手続きの手間も相応にかかります。「金利が上がる前に急いで借り換えよう」と焦っていても、審査に時間がかかる点は念頭に置いておきましょう。
②同じ金融機関への借り換えは原則できない
住宅ローンの借り換えは、原則として別の金融機関へ乗り換えることが前提となります。現在のローンを組んでいる金融機関に「金利を下げてほしい」と交渉することはできますが、それは「借り換え」ではなく「条件変更」の手続きになります。
ただし、住宅金融支援機構の融資を金融機関経由で利用しているケースなど、特定の条件のもとで同一機関での対応が可能な場合もありますので、まずは現在の金融機関に確認してみましょう。
③現在のローンの残りの返済期間を超えることはできない
借り換え後のローン返済期間は、現在のローンの残存返済期間を超えて設定することはできません。たとえば残り15年のローンを借り換える場合、新しいローンも最長15年が上限となります。
返済期間を長く設定して月々の負担を軽くしたい、という考えは原則として通りません。あくまでも残りの期間の中でやりくりすることになります。
④借入人は原則として同一でなければならない
借り換えにあたっては、借入人(債務者)が現在のローンと同一であることが原則です。離婚などで契約者を変更したいといった事情がある場合には、別途手続きが必要になるケースがあります。
まとめ:借り換えは「目的」によって判断基準が変わる
住宅ローンの借り換えを検討するときは、まず「何のために借り換えるのか」を明確にすることが大切です。
- 固定から固定への借り換え:現在よりも金利が低い商品に切り替えられる場合に有効です。ただし、諸費用を含めたトータルコストで本当にメリットが出るかを計算した上で判断しましょう。
- 変動から固定への借り換え:今後の金利上昇リスクを避けたい場合に有効です。月々の返済額が増えることがあっても、将来の返済額の予測が立てやすくなる安心感を優先したい方に向いています。
金利が上昇する局面では、焦りから「とにかく固定へ」と動いてしまいがちです。しかし、審査の通過可否や諸費用の負担、返済期間の制限など、事前に確認しておくべきことは意外と多くあります。
まずはご自身の現在のローン残高・残存期間・金利を整理したうえで、複数の金融機関の条件を比較してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
【免責事項】
本記事は金融機関や特定の商品への加入を推奨するものではありません。借り換えの検討にあたっては、各金融機関や専門家へのご相談をおすすめします。
参考資料
関連タグ
三菱UFJ銀行・三井住友信託銀行で15年以上のキャリアを築き、自身も20年以上の投資経験を持つ。現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『LIMO』でお金に関する記事を企画・執筆・監修中。
PROFILE
一種外務員資格(証券外務員一種)。大学卒業後、株式会社三菱UFJ銀行にて後方事務や法人営業部門のアシスタント事務を経験。その後、三井住友信託銀行に転職し、資産運用アドバイザー業務に約10年間従事。現役世代からシニア層、富裕層まで延べ1000名以上の個人顧客に対し、資産運用コンサルティングや承継対策を提案。社内表彰歴多数。
15年以上の金融機関キャリアに加え、自身も20年以上の投資経験(投資信託・株式・FX・金など)を持つ。現在は、くらしとお金の経済メディア『LIMO(リーモ)』、および専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』にて、企画・執筆・編集・監修を幅広く担当している。
金融のプロ・現役投資家・生活者(出産・育児経験)の3つの視点から、NISAや投資信託をはじめとするファイナンス領域を主軸に、その土台となる年金制度や社会保障、住宅ローン、相続まで横断的に分かりやすく解説。
