【2割負担は約370万人】後期高齢者医療制度で負担が上がるのは誰?「年金収入+その他所得」の基準を確認
kapinon.stuio/Shutterstock.com
執筆者筒井 亮鳳ファイナンシャルアドバイザー/一種外務員資格/TLC
監修者泉田良輔LIMO&ファイナンス編集部 編集長
12:27
【2割負担は約370万人】後期高齢者医療制度で負担が上がるのは誰?「年金収入+その他所得」の基準を確認
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私はこれまでIFAとして、介護やがんをはじめとした病気にまつわるお金の相談を数多く受けてきました。そこで痛感するのは、医療費は「いつ・いくらかかるか」が読みにくい、ということです。そうなると、万が一に備えて預貯金をたくさん持っておかなければと思いがちです。

一方で、預貯金ばかりをためることになると、当面使う予定のない余裕資金まで、すべて預金に置きっぱなしになるかのうせいがあります。

そこでてくるのが余ったお金は投資に回すという発想です。ただ、投資の世界には「卵をひとつの籠に盛るな」という言葉があります。使う時期が遠い資金は、複数の資産に分けて長期で育てることも選択肢の一つです。

投資は損をする可能性もあります。生活防衛資金や近い将来に使うお金まで投資に回すのは禁物で、あくまでご自身のリスク許容度の範囲で、というのが大前提です。

そして忘れてはいけないのが、高額療養費制度や後期高齢者医療制度といった公的な仕組みが土台にあることです。制度で守られる部分を踏まえれば、保険をかけすぎる必要もありません。要は、公的制度・余裕資金・運用のバランスをどう取るか、ということです。

こうなると、投資と保障のバランスが重要となります。

年齢を重ねるほど、医療費は確実に増えていきます。

「老後の医療費って、結局いくらかかるの?」と、漠然とした不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、1人あたりの医療費は60歳代前半の「約38万円」から、90歳代後半には「125万円」超へと、約3.3倍まで膨らみます。

そして75歳になると、加入する医療保険は「後期高齢者医療制度」へと自動的に切り替わり、所得によって窓口負担が「1割・2割・3割」に分かれます。

この記事では、年代別の医療費の実額から後期高齢者医療制度の仕組み、2割負担の基準、そして今からできる備えまで、ズバッと整理します。ご自身やご家族の老後を思い浮かべながら、ぜひ最後までご覧ください。

【年代別】シニア1人当たりの医療費、結局いくらかかる?

年齢階級別1人当たり医療費(令和4年度、医療保険制度分)

年齢階級別1人当たり医療費(令和4年度、医療保険制度分)
年齢階級別1人当たり医療費(令和4年度、医療保険制度分)

結論はシンプルで、高齢になるほど1人当たりの医療費は増えていきます。

本章では、厚生労働省「年齢階級別1人当たり医療費(令和4年度・医療保険制度分)」をもとに、60歳以上の各年代について、1人あたり医療費の総額と、そのうち「入院+食事・生活療養」が占める割合を見ていきましょう。

【60歳〜100歳超】1人あたり医療費はどこまで増える?

  • 60~64歳:38万円
    • 「入院+食事・生活療養」の割合:37%
  • 65~69歳:48万1000円
    • 「入院+食事・生活療養」の割合:40%
  • 70~74歳:61万6000円
    • 「入院+食事・生活療養」の割合:42%
  • 75~79歳:77万3000円
    • 「入院+食事・生活療養」の割合:45%
  • 80~84歳:92万2000円
    • 「入院+食事・生活療養」の割合:50%
  • 85~89歳:107万1000円
    • 「入院+食事・生活療養」の割合:58%
  • 90~94歳:117万9000円
    • 「入院+食事・生活療養」の割合:65%
  • 95~99歳:125万8000円
    • 「入院+食事・生活療養」の割合:69%
  • 100歳以上:123万2000円
    • 「入院+食事・生活療養」の割合:70%

60歳代前半では総額「約38万円」ですが、90歳代後半には「125万円」を超え、なんと約3.3倍まで膨らみます。

この伸びを一気に押し上げている正体が、「入院+食事・生活療養」の費用です。

70歳代までは外来診療が中心ですが、80歳を過ぎると医療費全体の半分以上を入院関連が占めるようになり、90歳代では7割近くにまで達します。要はここが老後医療費の「本丸」ということです。

ここで押さえておきたい注意点があります。高額療養費制度を使ったとしても、月ごとの自己負担限度額に加えて、食事代や差額ベッド代(全額自己負担)といった支出は別で発生します。

介護費用も見逃せません。生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、一時的な費用(※1)の合計は「47万円」、月々の費用は平均「9万円」(※2)となっています。

もちろん、実際に必要な金額は要介護度や介護を受ける場所によって大きく変わります。

さらに厚生労働省「令和6年簡易生命表」では、平均寿命は男性81.09歳、女性87.13歳。長生きは喜ばしい一方で、その分だけお金がかかる期間も延びるということです。

長寿化が進む今、ライフプランでは長期入院や介護の費用、そしてその期間の生活資金まで含めて備えておくことが欠かせません。

※1:住宅改造や介護用ベッドの購入費など
※2:いずれも公的介護保険サービスの自己負担費用を含む

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筒井 亮鳳ファイナンシャルアドバイザー/一種外務員資格/TLC
泉田良輔LIMO&ファイナンス編集部 編集長

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