7月に入り、夏のボーナスを受け取った方も多いのではないでしょうか。その一方で、日々のやりくりにため息をついている方も少なくないかもしれません。
2026年6月に帝国データバンクが公表した「『食品主要195社』価格改定動向調査」によると、7月の飲食料品値上げは2566品目にのぼり、夏以降も値上げラッシュが本格化すると予測されています。
長引く物価高の影響が、家計に重くのしかかっているのが現状です。
働き盛りの現役世代でさえ家計管理に苦労する今の時代。定年退職を迎えて給与がなくなり、主な収入源が「年金のみ」となるシニア世代の現実はさらにシビアです。
6月からは、新年度の改定額(厚生年金がプラス2.0%、国民年金がプラス1.9%の引き上げ)が反映された年金が振り込まれ始めましたが、実際の物価上昇に生活実感が追いつくか不安を感じる声も聞かれます。
一方で、総務省の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2025年(令和7年)」においては、世帯主が65歳以上の世帯において、4000万円以上の手堅い貯蓄を蓄えている世帯が21.1%存在することもわかっています。
老後のお金事情には、すでに大きな格差が生じているのが事実です。
「現役のうちに少しでも老後資金を」と頭では分かっていても、目の前の生活費や支払いに追われ、なかなか貯蓄に回す余裕がないのが本音ですよね。
日々さまざまな公的データから「お金とくらし」の情報をひも解き、自身も家族の介護や相続に直面してきた金融メディア編集者としての視点から、この記事では高齢者世帯の「生活意識」やリアルな「貯蓄・年金事情」についてわかりやすくお伝えしていきます。
【年金への本音】60歳代・70歳代の家計はどれくらい余裕があるのか
シニア世代は、年金生活をどのように感じているのでしょうか。
J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」をもとに、60歳代・70歳代の年金に対する意識を見ていきます。
年金生活に対する意識を確認
「年金に対する意識と、年金にゆとりがない理由」
調査結果によると、「年金だけで不自由なく暮らせる」と答えた人は、二人以上世帯・単身世帯ともにどの年代でも1割前後にとどまっています。
とくに厳しいのが60歳代の単身世帯で、「日常生活費程度もまかなうのが難しい」と回答した割合が50.7%と半数を超えました。
また、年金生活にゆとりがない理由のトップは、すべての世帯・年代で「物価上昇等(51.0%~57.9%)」となっており、「医療費の個人負担増」や「年金支給額の切り下げ」がそれに続いています。
早大卒。証券外務員二種・相続診断士。15年の書籍校閲で培ったファクトチェック力を武器に、一次資料に基づく「お金と暮らし」の分析記事を担当する編集記者。認知症介護経験をいかし、読者目線に立った情報発信も。
