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デクセリアルズ(4980)はなぜ高収益なのか?元機関投資家が事業構造と成長性を分析

監修者泉田良輔LIMO&ファイナンス編集部 編集長
21:32

株価上昇の起爆剤「光半導体(フォトニクス)」とは

成熟市場を主戦場としてきたデクセリアルズにおいて、現在株式市場から最も熱い視線を集めているのが「光半導体(フォトニクス)」事業です。

光半導体とは、電気信号を光信号に、あるいは光信号を電気信号に変換する半導体素子の総称です。現在、AIの普及に伴いデータセンターの建設が急増していますが、膨大なデータを高速で処理・通信するためには、従来の電気通信から光ファイバーを用いた光通信への移行が不可欠です。

デクセリアルズは、このデータセンター内の「光トランシーバー」に組み込まれる高速応答フォトダイオードなどの部品を提供しています。

泉田氏はこの事業の立ち位置について、次のように解説します。

「AIって言うんだけど、確かにAIってデータセンターを作ってその中にサーバーがあるからAI関連ではあるんだけど、AIど真ん中ではない。AIに必要なインフラ投資に関わる部品ですね」

つまり、AIソフトウェアそのものを開発しているわけではありませんが、AIを動かすための物理的なインフラ(データセンター)が拡大すればするほど、同社の光半導体部品の需要も連動して伸びていく構造になっているのです。

中期経営計画の上方修正とパイプラインの広がり

データセンターの構造は今後、単一のラック(サーバーの棚)内での処理能力向上(スケールアップ)から、複数のラックを繋ぐ接続(スケールアウト)、さらには複数のデータセンター間を繋ぐ接続(スケールアクロス)へと、より大規模で高速なネットワーク体系へと進化していくと予想されています。

データセンターのネットワーク体系と製品パイプライン

データセンターのネットワーク体系と製品パイプライン
出所:デクセリアルズ「中期経営計画『進化の実現』リフレッシュ」(2026年5月13日)p.22

 デクセリアルズは、このネットワーク体系の進化に合わせて、多彩な製品群(パイプライン)を準備しています。現在量産販売中の「表面入射型」に加え、量産準備中の「裏面入射型」、さらに高速化に対応する「導波路型」や「シリコンフォトニクス対応PIC」の開発も進めています。

泉田氏はこの広範な製品展開を高く評価しています。

「データセンターのネットワーク体系において、末端から上流まで全て関わることができると言っています」

この期待を裏付けるように、同社が発表した中期経営計画「進化の実現」リフレッシュ版では、光半導体(フォトニクス)事業の売上目標が大幅に上方修正されました。

2026年3月期(FY25)の実績103億円に対し、2029年3月期(FY28)の目標は325億円と、約3倍の成長を見込んでいます。当初の計画(150億円)から倍以上の引き上げとなっており、データセンター需要の急拡大に対する経営陣の強い自信がうかがえます。

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