【ゆうちょも通常貯金金利が上がる】個人向け国債「固定3年」とゆうちょの3年定期貯金、100万円を預けたら満期時の手取り利息はいくら違う?
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【ゆうちょも通常貯金金利が上がる】個人向け国債「固定3年」とゆうちょの3年定期貯金、100万円を預けたら満期時の手取り利息はいくら違う?

ゆうちょ銀行が通常貯金の金利を0.500%へ、定期性貯金の改定はまだ。同じ「3年固定」でも利率差は1.27%

【ゆうちょも通常貯金金利が上がる】個人向け国債「固定3年」とゆうちょの3年定期貯金、100万円を預けたら満期時の手取り利息はいくら違う?
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この記事はここがポイント

  • 100万円を3年間預けた税引後利息は個人向け国債固定3年が約4万9,484円、ゆうちょ銀行3年定期貯金が約1万9,317円で約3万円の差
  • 個人向け国債固定3年の年2.07%と3年定期貯金の年0.800%では利率に1.27%の開き
  • ゆうちょ銀行は11月9日に通常貯金金利を0.500%に引き上げ、定期性貯金も改定予定

ゆうちょ銀行は11月9日に、通常貯金の金利を0.400%から0.500%へ引き上げます。

9月18日に発表したもので、8月10日(0.300%→0.400%)に続く引き上げです。

発表の同じ日、日本銀行は金融政策決定会合で政策金利(無担保コールレート・オーバーナイト物)を1.25%程度へ引き上げることを決めていました。6月に続く利上げです。

ゆうちょ銀行は定期性貯金についても引き上げを予定しているとしています。

ただ、対象となる商品や改定後の金利、適用開始日は「確定次第、Webサイトで知らせる」としており、10月16日時点ではまだ公表されていません。

10年も先のことはわからないけれど、3年くらいなら預けておけるお金がある、という方も多いのではないでしょうか。

3年で元本割れのない商品といえば、ゆうちょの3年定期貯金と、個人向け国債の「固定3年」が代表的な選択肢です。

本記事では、この2つに100万円を3年間預けた場合、手取りの利息にどれだけの差が出るのかを試算していきます。

比較する2つの商品の基本情報

それでは比較するそれぞれの商品の特徴をみていきましょう。

個人向け国債 固定3年(第197回債・10月募集分)

  • 利率(年):2.07%(税引後1.6494795%)
  • 金利タイプ:固定金利(発行時の利率が満期まで変わらない)
  • 利率の決め方:基準金利(期間3年の固定利付国債の想定利回り)-0.03%
  • 最低金利:0.05%
  • 募集期間:2026年10月8日~30日
  • 発行日:2026年11月16日
  • 償還日:2029年11月15日
  • 利払い:毎年5月15日・11月15日の年2回
  • 利子の計算:単利(半年ごとに利子を受け取る)
  • 購入単位:1万円から1万円単位
  • 中途換金:発行後1年経過すれば可能(直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685を差し引き)

ゆうちょ銀行 定期貯金(預入期間3年)

  • 利率(年):0.800%(半年複利による税引前の年平均利回りは0.808%)
  • 金利タイプ:固定金利(預入時の利率が満期まで続く)
  • 利子の計算:預入期間3年以上は半年複利
  • 預入単位:1,000円以上1,000円単位
  • 預入期間内の払戻し:預入期間内払戻利率を適用
  • 預金保険の対象(元本1,000万円までとその利子を保護)

個人向け国債の固定3年は、9月募集分の1.96%から+0.11%上がり、2%台に乗せました。

ゆうちょの3年定期貯金も、8月10日の引き上げで0.600%から0.800%になっています。

それでも両者の利率には1.27%の開きがあります。

10年で比べた場合(変動10年2.05%、10年定期貯金1.250%)の差は0.80%なので、3年のほうが差は大きくなっています。

そもそも個人向け国債の「固定3年」とは?

個人向け国債は、原則として個人だけが購入できる国債です。「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3タイプがあり、毎月発行されています。

このうち固定3年は、3タイプの中で最も期間が短い商品です。

利率は、募集期間開始日の2営業日前の市場実勢をもとに計算した期間3年の国債の想定利回りから、0.03%を差し引いて決まります。

一度決まった利率は、3年後の満期まで変わりません。

ゆうちょの定期貯金も、預けた時点の利率が満期まで続く点は同じです。

つまり今回の比較は、どちらも「3年間、今の利率で固定する」商品どうしです。

変動10年と10年定期貯金を比べる場合は、変動10年の利率が今後どう動くかで結果が変わりますが、固定3年と3年定期貯金なら、申し込んだ時点で3年間の利息がほぼ確定します。差はそのまま利率の水準の差といえるでしょう。

100万円を3年間預けたら手取り利息はいくら?

試算の前提

  • 運用金額:100万円
  • 運用期間:3年間
  • 個人向け国債 固定3年:10月募集分の年2.07%(固定)
  • ゆうちょ 3年定期貯金:年0.800%(半年複利)、満期時に受け取ると仮定
  • 税率:20.315%(復興特別所得税を含む)

端数処理などにより実際の受取額とは異なる概算です

個人向け国債 固定3年(年2.07%)

  • 半年ごとの利息:税引前1万350円/税引後約8,247円
  • 3年間の利息合計:税引前6万2,100円/税引後約4万9,484円

ゆうちょ 3年定期貯金(年0.800%)

  • 3年間の利息合計:税引前約2万4,241円/税引後約1万9,317円

差額(税引後)

  • 個人向け国債 固定3年のほうが約3万167円多い

国債固定3年vsゆうちょ3年定期比較表

国債固定3年vsゆうちょ3年定期比較表
出所:各データより筆者作成

ここで押さえておきたいのが、利息のつき方の違いです。

個人向け国債の固定3年は単利で、半年ごとに受け取る利子に利子はつきません。

一方、ゆうちょの3年定期貯金は半年複利で、半年ごとの利子が元金に加わり、その利子にも利子がつきます。

このため0.800%の利率は、半年複利で計算すると税引前の年平均利回りで0.808%になります。

試算はこの複利の効果を含めたものですが、それでも約3万円の差が残る計算です。

手取りで比べると、固定3年の利息は3年定期貯金の約2.6倍になる計算です。

逆算すると、3年定期貯金で固定3年と同じ税引前利息を得るには、年2.02%程度の金利が必要になります。

現在の0.800%から1.2%以上の引き上げが必要な水準です。

なお、11月9日から引き上げられる通常貯金の金利(0.500%)で100万円を1年間預けた場合、利息は税引前5,000円、税引後3,984円です。

いつでも引き出せる通常貯金とは役割が違いますが、固定3年の1年分の税引後利息(約1万6,495円)と比べると、金利水準の差がわかります。

比較する前に知っておきたい注意点

定期貯金の金利は今後引き上げられる予定

ゆうちょ銀行は定期性貯金の金利引き上げも予定しています。改定後の金利が公表されれば、試算の差は縮まります。

ただし、それでも固定3年との差がどこまで縮まるかは、改定後の金利を見るまでわかりません。

固定3年は1年以内に換金できない

個人向け国債は発行から1年間、原則として中途換金できません。

1年経過後は換金できますが、直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれます。

100万円の場合は約1万6,495円です。固定3年は利率が変わらないため、これはちょうど1年分の税引後利息と同じ額になります。

発行から1年たってすぐに換金すると、それまでに受け取った手取り利息とほぼ同じ額が差し引かれる点に注意が必要です。

定期貯金を満期前に払い戻すと金利が下がる 定期貯金は、満期前に払い戻すと当初の利率ではなく預入期間内払戻利率が適用されます。

この利率は、経過した期間に応じた定期貯金の利率×60%が目安で、預入日時点の通常貯金の利率を下回らないとされています。

たとえば0月16日時点の利率で3年定期貯金を預け、2年経過後に払い戻す場合、目安は2年の利率0.650%×60%=0.39%です。

これは預入日時点の通常貯金の利率(0.400%)を下回るため、0.400%が適用の目安になります。

現在の利率で預けた場合、3年待たずに払い戻すと、経過期間にかかわらず預け入れた時点の通常貯金と同じ0.400%が目安になると考えておくとよいでしょう。

税金はどちらも20.315% 個人向け国債の利子も定期貯金の利子も、受け取り時に20.315%分の税金が差し引かれます。

次回の個人向け国債は11月9日から募集

個人向け国債の11月募集分(固定3年は第198回債)の募集期間は11月9日~30日で、金利は募集開始日の前営業日の11月6日に公表される予定です。

10月募集分の募集期間は10月30日までです。

まとめ

ゆうちょ銀行は11月9日に通常貯金の金利を0.500%へ引き上げ、定期性貯金も引き上げる予定です。

それでも現時点の金利で比べると、100万円を3年間預けた場合の税引後の手取り利息は、個人向け国債の固定3年が約4万9,000円、3年定期貯金が約1万9,000円と、約3万円の差があります。

どちらも固定金利のため、申し込んだ時点の利率で3年間の利息がほぼ決まります。

ゆうちょ銀行が定期性貯金の改定後の金利を公表したら、あらためて固定3年の11月募集分の利率と並べて比べてみてください。

記者コメント

日銀は9月18日の公表文で、経済・物価・金融情勢に応じて引き続き政策金利を引き上げていく考えを示しています。

今後さらに利上げが進めば、個人向け国債の利率も、ゆうちょや銀行の預貯金金利も、もう一段上がる可能性があります。

10年の比較では、いま10年という長い期間利率を固定してしまうことのリスクが論点でした。

3年であれば、固定する期間は10年の3割にとどまります。満期が来れば、その時点の金利であらためて預け先を選び直せるのが、短い期間の固定金利商品の強みです。

一方で、金利が上がっていく局面では、3年でも「もう少し待てば利率がよかった」ということは起こり得ます。

固定3年は毎月発行され、定期貯金は1,000円から預けられます。

まとまった資金を一度に預けるのではなく、時期を分けて少しずつ積み上げていけば、満期も分散され、預け入れ時期のリスクを抑えることにつながるでしょう。

注意したいのは、どちらも「3年間は使わないお金」で運用することが前提になる点です。

固定3年は1年たてば換金できるとはいえ、その時点で受け取った手取り利息とほぼ同額が差し引かれます。

定期貯金も途中で払い戻せば、預け入れた時点の通常貯金と同じ水準の利率になります。

3年後までに使う予定のあるお金は、通常貯金に残しておくなど、置き場所を分けておくことが大切です。

 

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高原 祥子
LIMO&ファイナンス編集部記者

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