2026年7月13日の東京株式市場は、半導体関連株安を受けて大幅反落となりました。
取引時間中に韓国総合株価指数(KOSPI)が急落し、サーキットブレーカーが発動されたことをきっかけに、キオクシアホールディングスをはじめとする主要な半導体関連株に売りが広がりました。
その一方で、全体相場の逆風を跳ね返すように買われたのが、小売りやエンタメ、外食等の内需銘柄や銀行セクターなどです。
なかでも、前週末の7月10日に2027年2月期第1四半期の決算発表を終えたばかりのイオン<8267>は力強い値動きを見せ、4日ぶりに反発して取引を終えました。
今回は、決算をこなしたイオンの最新株価の動きを振り返るとともに、個人投資家にとっての「次の焦点」となっている人気の株主優待制度について詳しく解説します。
イオン<8267>の2026年7月13日終値は「1,403.5円」
イオンが7月10日に発表した2027年2月期・第1四半期(2026年3月〜5月)の連結決算は、ポジティブな材料とネガティブな材料が同居する結果となりました。
ツルハホールディングスの連結子会社化に伴う統合シナジーが大きく寄与し、全体の利益を押し上げた結果、第1四半期として過去最高の営業利益を更新しました。
一方で、主力のGMS(総合スーパー)事業とスーパーマーケット(SM)事業は赤字に着地。
人件費・光熱費をはじめとするコスト高が響き、手放しでは喜べない強弱入り混じる内容となっています。
決算発表後初の取引となった7月13日のイオンの株価は、目まぐるしく上下する展開となりました。
13日の寄り付きは前週末比で買われ、1,407円と節目の1,400円台を回復してスタート。
しかし直後には、決算で露呈した主力事業の赤字転落を嫌気した売りに押され、一時1,347.5円の本日安値まで急速に売り込まれる場面もありました。
もっとも、ここからの底力が市場の注目を集めます。
安値を叩いたあとは着実に下値を切り上げ、前場の引け前には早くもプラス圏へと浮上。
東京株式市場で半導体関連株が軒並み総崩れとなるなか、「外部環境の影響を受けにくい内需の主力株」としてディフェンシブ目的の資金を呼び込む格好となりました。
結局、終値ベースでも節目の1,400円台をしっかり回復して取引を終了。イベント通過によるアク抜け感も手伝い、相場の崩れに巻き込まれない底堅さを示しました。
- 株価(終値):1,403.5円
- 前日比:+1.92%
- 始値:1,407円
- 高値:1,412.5円
- 安値:1,347.5円
- 出来高:13,223,900株
- 時価総額:3,906,683百万円
- 売買代金:18,335百万円
- PER(会社予想):53.2倍
- PBR(実績ベース):3.21倍
- 配当利回り:1.07%
イオンの年間チャート
次のイオンの1年間の値動きをみてみましょう。
昨年11月25日に2,920円(株式分割を考慮)の上場来高値を記録して以降、緩やかな下落が続いていました。
足元は今年6月23日につけた1,274円を底に、緩やかに回復しつつあります。
イオンの年間チャート
イオン<8267>の株主優待「オーナーズカード」徹底解説
それでは株主優待についてみていきましょう。
この権利確定が8月に迫っているため、気になっている個人投資家も多いのではないでしょうか。
イオンの株式を100株以上保有すると、株主優待として「イオン株主様ご優待カード(通称:オーナーズカード)」がもらえます。
日々の買い物やエンタメがお得になる、主に3つの最強特典を解説します。
特典①:買い物額に応じたキャッシュバック(ご返金)
お会計時にオーナーズカードを提示し、現金やWAON、イオンマークのクレジットカードなどで支払うと、半期ごとの買い物額に応じて現金がキャッシュバックされます。
2025年9月の株式分割(1株→3株)に伴い、2026年2月から返金率の区分がリニューアル(新設枠が登場)しました。
現在の返金率は以下の通りです。
- 100株以上 199株以下:返金率 1%(2026年2月に新設)
- 200株以上 299株以下:返金率 2%(2026年2月に新設)
- 300株以上 1,499株以下:返金率 3%
- 1,500株以上 2,999株以下:返金率 4%
- 3,000株以上 8,999株以下:返金率 5%
- 9,000株以上:返金率 7%
キャッシュバックの対象となるお買い物上限額は、家族カード分と合算して半年間で100万円までです。
上限まで買い物をした場合、1%の区分(100株保有)なら最大1万円戻ってくるため、嬉しい家計のサポートになります。
特典②:「お客さま感謝デー」は5%割引と併用可能!
毎月20日・30日に開催されるイオンの定番イベント「お客さま感謝デー」。
この日にオーナーズカードを提示して買い物をすると、「お客さま感謝デーの5%割引」を受けられ、さらに「保有株数に応じたキャッシュバック」もダブルで適用されます。
割引と返金の「二重取り」ができるため、まとめ買いのチャンスです。
たとえば同じ小売大手の良品計画(無印良品)の株主優待では「無印良品週間」など、ほかの割引サービスとの併用はできません。
他社では「どちらか有利な方ひとつだけ」となるケースが多いなか、イベント割引と優待特典をしっかり「二重取り」できるイオンの制度は、非常に太っ腹で強力なメリットと言えます。
特典③:イオンシネマやグループ店舗での即時割引
カードの提示により、その場で割引や優待料金が適用されるサービスもあります。
日常のエンタメや外食がぐっと身近になります。
イオンシネマ(映画鑑賞)
- 鑑賞料金:大人・大学生は一律1,000円 / 高校生以下は一律800円に
- さらに嬉しい特典:オーナーズカード1枚につき、「ポップコーン(Sサイズ)」または「ドリンク(Sサイズ)」のどちらか1つの無料引換券がもらえます
飲食専門店での10%割引
「おひつごはん四六時中」「天ぷら和食処四六時中」「ごはん処四六時中」などの各四六時中ブランド、および「SANUKI TERRACE」での会計総額から10%割引となります
利用上の注意点
イオンシネマや飲食店などの「その場で割引になる特典③」の利用分は、特典①の「後から現金で戻ってくるキャッシュバック」の対象外となりますのでご注意ください。
また、特典を受けるにはカード現物、または公式アプリ(iAEON)内のアプリ版オーナーズカードの提示が必要です。
【2026年5月改定】「イオンラウンジ」の利用回数が保有株数に応じて変動へ
「実はこの特典のために株主を続けている」という個人投資家も少なくないのが、買い物途中に一息つける「イオンラウンジ」の利用です。
現在、株主になること以外でイオンラウンジを利用するには、対象のイオンカードで「年間100万円以上」の利用実績が必要になります。
クレジットカードで年間100万円というまとまった額を決済するのは、ハードルが高いと感じる方も多いのではないでしょうか。
これと比較すると、株主優待を選ぶ場合のハードルはぐっと下がります。100株の保有に必要な投資金額は今なら約14万円(2026年7月13日終値ベース)です。
「年間100万円のショッピング」という条件に比べると手軽でコストパフォーマンスが良いため、ラウンジ目的で株主優待を選ぶ人が少なくないのも納得です。
人気の「イオンラウンジ」ですが、この利用条件が2026年5月1日に改定されました。
これまでは一律で「月8回」利用できましたが、新しい制度では保有株数によって月間の利用枠が変わる仕組みへとシフトしています。
【変更前】
すべての株主一律で 月8回
【変更後(2026年5月〜)】
- 100株〜299株の株主:月4回に減少
- 300株〜1,499株の株主:月8回(現状維持)
- 1,500株以上の株主:月16回に増加
ここがポイント!株式分割との関係
イオンは2025年9月に「1株を3株にする株式分割」を行いました。
分割前から100株を保有していた方は、自動的に「300株保有」へとステップアップしているため、改定後も変わらず「月8回」の枠が維持されます。
これから新規に100株(投資金額を抑えて)購入する方は、月4回のスタートになる点を押さえておきましょう。
【スケジュール】2026年8月末の権利確定までの流れは?
イオンの株主優待(オーナーズカード)をもらうには、以下の具体的なスケジュールに沿って株式を購入・保有しておく必要があります。
権利付き最終日(最終売買日):2026年8月27日(木)
優待の権利を得るために、この日の大引け(株取引の終了時間15:30)までに株を購入、または保有している必要があります。
権利落ち日:2026年8月28日(金)
この日以降に株を売却しても、8月末時点の優待の権利は消失しません。反対に、この日に新しく購入しても8月末の優待は受けられません。
権利確定日:2026年8月31日(月)
株主名簿に名前が記載され、正式に株主としての権利が確定する日です。
案内・カードの発送時期
新規に権利を取得した場合、10月下旬頃に案内や「オーナーズカード」が自宅に届きます。
一度カードを取得すれば、指定の株数を保有し続ける限り、半期ごとに自動で継続利用(およびキャッシュバック対象の更新)が可能になります。
まとめ
全体相場が崩れるなかで底堅さを見せたイオン。主力事業の赤字など強弱入り混じる決算でしたが、株価は節目の1,400円台を維持しました。
多くの投資家が注目する株主優待は、8月に権利確定を控えています。感謝デーとの「二重取り」ができるキャッシュバックや映画割引は、物価高が続くなかで強力な家計の味方です。
人気のイオンラウンジは5月から保有株数に応じた回数制限が導入されたものの、約14万円の投資で得られるコスパの良さは健在といえます。
日々の暮らしを少しお得にしてくれる魅力的な優待ですが、株式投資には株価下落のリスクも伴います。
直近の業績やチャートもふまえ、ご自身の判断と責任のもとで慎重に検討してみてください。
参考
- イオン株式会社 2027年2月期第1四半期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- イオン株式会社「株主優待制度」
- イオン株式会社「おトクな株主優待制度」
- イオンシネマ「オーナーズカードご優待特典改定に関するご案内」
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
