【元記者の視点】「男女の平均額の差」に隠された昭和モデルの幻影
一覧表のデータを見た際、特に厚生年金において「70代や80代の男性」と「同年代の女性」の間に、月額数万円以上の強烈な平均額の差があることに驚かれたかもしれません。
行政の現場で過去の社会保障の歴史を取材してきた観点から言えば、この高齢層の極端な男女差は「終身雇用の企業戦士である夫と、家庭を守る専業主婦の妻」という、昭和から平成初期に存在した標準世帯モデルが統計上に現れているに過ぎないと考えています。
つまり、共働きが当たり前となり、女性の社会進出が進んだ現在の50代や60代の方が、この「上の世代の極端な男女差データ」を自分の将来の目安としてそのまま当てはめるのは危険です。
統計はあくまで過去のライフスタイルの写し鏡であり、あなたの未来を正確に占うものではありません。上の世代の平均値と自分を比べて悲観しないようにしましょう。
まとめ:公的制度も上手に活用して、少しでも将来の基盤を底上げしておく
今回は、60歳から90歳以上の方々の年金受給額の平均について、さまざまなデータをもとにご紹介しました。
厚生年金と国民年金では受給額に違いがあること、また現役時代の働き方によって大きな個人差が生まれることがお分かりいただけたかと思います。
年金の受給額は現役時代の働き方や加入期間によって大きく異なり、決して一律ではありません。
特に高齢層における男女の受給額の差は、過去の雇用慣行や専業主婦世帯が多かった時代の名残であり、共働きが主流となったこれからの世代の指標としてはズレが生じる部分もあります。
大切なのは他人の平均値と比較することではありません。6月の支給日で確定したご自身の『新しい手取り額』を正確に把握し、現実の数字に基づいて日々の支出をコントロールすることです。
同時に、現役で働く期間が残っている方は、付加年金などの公的制度を上手に活用して少しでも将来の基盤を底上げしていく継続的な行動が、これからの安心を支える最大の備えとなります
参考資料
元厚労省担当の専門紙の新聞記者。公的社会保障(年金・医療・介護)やNISA・iDeCoを横断分析。難解な一次データを生活者視点に翻訳し、知っておきたい家計防衛の知見と、安全で実用的な情報を提供。
