あなたの老後資金は大丈夫?2026年度の年金額と「高齢者世帯のリアルな家計収支」から考える。単身世帯・二人以上世帯の平均赤字はいくらか
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あなたの老後資金は大丈夫?2026年度の年金額と「高齢者世帯のリアルな家計収支」から考える。単身世帯・二人以上世帯の平均赤字はいくらか

【2026年度の税制改正】公的年金にかかる税金のルールが変更「税負担が軽くなるケースも」

執筆者安達 さやかLIMO&ファイナンス編集部記者
20:40
あなたの老後資金は大丈夫?2026年度の年金額と「高齢者世帯のリアルな家計収支」から考える。単身世帯・二人以上世帯の平均赤字はいくらか
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筆者は元証券会社のファイナンシャルアドバイザーで、主に富裕層や法人を対象に資産運用のコンサルティングを行っていました。

潤沢な資金を保有している世帯ほど、今の生活だけでなく「将来の生活状況に目を向けている」傾向にありました。

老後の生活を支える公的年金について、仕組みやご自身が将来受け取れる金額を正確に理解している方は、案外少ないのではないでしょうか。

実際のところ、公的年金の受給額は一人ひとり異なり、加入期間や現役時代の収入によって大きく変動します。

この記事では、2026年度の年金支給額に焦点を当て、厚生年金と国民年金の平均受給額、そして65歳以上の方々の家計のリアルな状況まで、詳しく掘り下げていきます。

ご自身の将来設計の参考にしていただければ幸いです。

【2026年度】年金の支給額はいくら?モデルケースを紹介

公的年金の支給水準は、物価や賃金の変動を反映して、毎年改定されています。

2026年度の年金額の例

2026年度の年金額の例
2026年度の年金額の例

出所:日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」

2026年度においては、前年度である2025年度と比べて、国民年金(老齢基礎年金)は1.9%、厚生年金(報酬比例部分)は2.0%の増額となります。

2026年度における国民年金・厚生年金の支給モデル

  • 国民年金(老齢基礎年金・満額・1人分):月額7万608円(前年度比+1300円)
  • 厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額):月額23万7279円(前年度比+4495円)

※昭和31年4月1日以前に生まれた方の老齢基礎年金(満額)は、月額7万408円(前年度比+1300円)です。

※厚生年金の金額は、平均的な収入(賞与を含む月額換算で45万5000円)を得ていた夫が40年間厚生年金に加入し、その配偶者が40年間国民年金に加入した場合の、夫婦2人分の老齢基礎年金(満額)と老齢厚生年金を合わせた給付水準です。

厚生年金と国民年金、受給額の平均にはどのくらいの差があるのか

老後の生活を支える大切な収入源である公的年金ですが、実際に受給できる金額は人によって異なります。

これまでの年金への加入状況や保険料の納付実績に応じて受給額が算出されるため、金額に大きな差が生まれることを理解しておく必要があります。

ここでは、厚生労働省の資料を基に、厚生年金と国民年金の受給額に関するデータを確認していきます。

厚生年金の平均受給額(月額)と分布

厚生年金の平均額(全年齢)

厚生年金の平均額(全年齢)
厚生年金の平均額(全年齢)

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

  • 〈全体平均〉月額15万289円
  • 〈男性平均〉月額16万9967円
  • 〈女性平均〉月額11万1413円

※上記の金額には国民年金(老齢基礎年金)分も含まれています。

男女別で比較すると、男性の平均が16万9967円、女性が11万1413円であり、両者の間には約6万円の開きが見られます。

さらに、受給額の分布は1万円未満から30万円以上までと非常に幅広いため、個々人の状況を把握することが大切です。

国民年金の平均受給額(月額)と分布

国民年金の平均額(全年齢)

国民年金の平均額(全年齢)
国民年金の平均額(全年齢)

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

  • 〈全体平均〉月額5万9310円
  • 〈男性平均〉月額6万1595円
  • 〈女性平均〉月額5万7582円

国民年金の平均受給額は、全体および男女別で見ても、月額5万円台となっています。

受給額は1万円未満から7万円以上まで分布しているものの、制度上、満額が定められているため、厚生年金のように受給額に大きな差は出にくいという特徴があります。

データを見ると、最も受給者が多いのは「6万円以上~7万円未満」の層であり、多くの人が満額に近い金額を受け取っていることがうかがえます。

【モデルケース1】65歳以上の無職夫婦世帯における家計収支

ここからは、総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」を基に、65歳以上の無職世帯の家計収支を具体的に見ていきましょう。

65歳以上の生活費(夫婦世帯)

65歳以上の生活費(夫婦世帯)
65歳以上の生活費

出所:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」

65歳以上・無職夫婦世帯の収入内訳

  • 実収入の合計:25万4395円
  • そのうち社会保障給付:22万8614円(主に公的年金)

65歳以上・無職夫婦世帯の支出内訳

  • 実支出:29万6829円
  • うち消費支出:26万3979円
     
  • 食料:7万8964円
  • 住居:1万7739円
  • 光熱・水道:2万3540円
  • 家具・家事用品:1万1237円
  • 被服及び履物:5354円
  • 保健医療:1万7941円
  • 交通・通信:3万1325円
  • 教育:0円
  • 教養娯楽:2万6538円
  • その他の消費支出:5万1341円
    • うち諸雑費:2万2047円
    • うち交際費:2万3257円
    • うち仕送り金:1135円

税金や社会保険料などの非消費支出は3万2850円で、その内訳は次の通りです。

  • 直接税:1万2547円
  • 社会保険料:2万296円

このモデルケースの場合、月々の実収入25万4395円に対して支出の合計が29万6829円となり、結果として毎月4万2434円の赤字が発生している計算になります。

【モデルケース2】65歳以上の無職単身世帯における家計収支

次に、同じく65歳以上の無職単身世帯の家計収支についても確認していきましょう。

65歳以上の生活費(単身世帯)

65歳以上の生活費(単身世帯)
65歳以上おひとりさまの生活費

出所:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」

65歳以上・無職単身世帯の収入内訳

  • 実収入の合計:13万1456円
  • そのうち社会保障給付:12万212円(主に公的年金)

65歳以上・無職単身世帯の支出内訳

  • 支出:16万1435円
  • うち消費支出:14万8445円
     
  • 食料:4万2545円
  • 住居:1万1416円
  • 光熱・水道:1万5565円
  • 家具・家事用品:6069円
  • 被服及び履物:3049円
  • 保健医療:8388円
  • 交通・通信:1万3601円
  • 教育:0円
  • 教養娯楽:1万6132円
  • その他の消費支出:3万1681円
    • うち諸雑費:1万4052円
    • うち交際費:1万6956円
    • うち仕送り金:591円

非消費支出の平均額は1万2990円で、内訳は以下のようになっています。

  • 直接税:7072円
  • 社会保険料:5912円

単身世帯のケースでは、実収入13万1456円に対して支出合計が16万1435円となり、毎月の収支は2万9980円の赤字という結果でした。

老後資金はどのくらい準備すべき?生活費から考える必要額

これまで見てきたデータから、65歳以上の無職世帯では、夫婦世帯と単身世帯のいずれにおいても、月々の家計が赤字になりやすい傾向があることがわかります。

では、このような毎月の不足分をカバーするためには、一体どの程度の資金を準備しておく必要があるのでしょうか。

結論からいうと、老後に必要となる資金額は、個人の状況によって大きく異なります。

住居費の有無、健康状態、趣味や旅行に使う費用、そして何歳まで就労を続けるかなど、さまざまな要因で家計の状況は変わるため、「すべての人に共通の金額が必要」とは断定できません。

しかし、老後資金の計画を立てる上では、平均的な家計収支のデータを参考に、不足する金額の目安を把握しておくことが大切です。

例えば、単身世帯で毎月約3万円、夫婦世帯で約4万円の赤字が続くと仮定すると、年間の不足額はそれぞれ約36万円、約48万円にのぼります。

もし65歳から20年間生活を送ると想定した場合、単純に計算しても数百万円単位の準備資金が必要になる可能性が考えられます。

もちろん、退職金の有無やそれまでの貯蓄額、また働き続けるかどうかによっても、実際の状況は変わってくるでしょう。

だからこそ、平均的なデータを参考にしながらも、ご自身の年金受給見込み額や想定される生活費を基に、「自分にとって必要な老後資金額」を早いうちから考えておくことが重要です。

【2026年度の税制改正】公的年金にかかる税金のルールが変更「税負担が軽くなるケースも」

令和8年度(2026年度)の税制改正により、公的年金にかかる税金のルールが変更されました。今回の改正では「基礎控除額」が引き上げられたことで、税負担が軽減される(所得税が天引きされない)年金受給者が増える見込みです。

今回は、シニア世代が特に押さえておきたい「主な変更点3つ」を分かりやすく整理してみていきましょう。

変更点1:12月の年金支給時に「税金の再計算と還付」が行われる

令和8年中の年金については、11月の支払い分までは「改正前」のルールのまま税金が天引き(源泉徴収)されます。

その後、12月の年金支払時に新しいルールを用いて1年分の税額が再計算され、払いすぎた税金が生じた場合には、原則として12月の年金支給額に上乗せされる形で還付される仕組みになっています(※対象となるのは、実際に税金を納めすぎていた方に限られます)。

変更点2:住民税の課税対象者にも新たに「申告書」が届く

これまでは所得税の天引き対象者に送られていた「扶養親族等申告書」ですが、今回の改正に伴い対象者が拡大されます。

所得税の源泉徴収対象ではなくても、個人住民税の課税対象になり得る金額の年金を受け取っている方(例:65歳以上で年金収入148万円以上など)には、新たに「扶養親族等申告書」が送付されることになりました。

変更点3:扶養親族の所得要件が「62万円以下」に引き上げ

さらに、同居するご家族などを扶養に入れる際の所得要件が「62万円以下」に引き上げられました。

これにより、新たに扶養控除等の対象となる場合は、日本年金機構から送られてくる「扶養親族等申告書」に必要事項を正しく記入して期日までに提出しましょう。

この手続きを行うことで、確定申告をせずとも年金から天引きされる税額を正しく抑えることができるようになります(※他に一定の所得がある場合などを除く)。

年金制度と老後の家計を理解し、早めに備えよう

この記事では、2026年度の年金支給額をはじめ、厚生年金と国民年金の平均的な受給額、さらに65歳以上世帯の家計収支の実態について解説しました。

2026年度は年金額が増額改定されましたが、実際の平均受給額を見ると、厚生年金が約15万円、国民年金が約6万円となっており、受給者による差が大きいことがわかります。

また、総務省統計局の「家計調査報告」によれば、65歳以上の無職世帯は、夫婦・単身ともに支出が収入を上回り、毎月赤字に陥りやすい傾向にあることが示されています。

公的年金だけでは生活費のすべてを賄うことが難しく、貯蓄を取り崩したり、他の収入源を確保したりして生活している世帯も少なくないのが現状です。

安心して老後を迎えるためには、「年金があるから安泰だ」と考えるのではなく、ご自身の年金受給見込み額や将来の生活費を早期に把握し、必要に応じて資産形成や家計の見直しに取り組むことが大切といえるでしょう。

参考資料

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安達 さやかLIMO&ファイナンス編集部記者株式会社モニクルリサーチ

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