この記事はここがポイント
- 大手企業の夏のボーナス、経団連集計で100万8,706円と初の100万円台
- 不安定な株式相場、ボーナスの投資先は国債や地方債も視野に
- 国債は1万円から元本割れせず、地方債は一部で利回り3%超えも
経団連が7月2日に発表した大手企業の夏のボーナス第1回集計(19業種112社)は、組合員平均で100万8,706円となりました。
前年比1.88%増で、現行の集計方式となった1981年以降で初めて100万円の大台を超えています。
民間企業全体(事業所規模5人以上)でも、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの予測で43万6,140円(前年比2.3%増)と5年連続の増加が見込まれています。
一方で、株式市場は不安定な値動きが続いています。
2026年7月28日は半導体関連銘柄が引き続き大きく売られ、依然として値動きの荒い状況となっています。
まとまったボーナスの投資先を「全部株式」に絞らず、値動きが比較的穏やかな個人向け国債や地方債もあわせて検討してみる価値がありそうです。
夏のボーナス、業種によって差も
区分と妥結額・支給額、前年比は以下の通りです。
大手企業 総平均(経団連第1回集計、112社)
100万8,706円/+1.88%
うち製造業平均(99社)
106万434円/+1.63%
うち非製造業平均(13社)
86万4,712円/+4.01%
※参考:民間企業全体(事業所規模5人以上、三菱UFJリサーチ&コンサルティングによる予測、経団連調査とは別の調査):43万6,140円(前年比+2.3%)
なお、経団連の最終集計は例年8月上旬に公表され、第1回集計から数万円下がる傾向があるため、100万円の大台を維持できるかは今後の発表を待つ必要があります。
なぜボーナスは債券に向いているのか
ボーナスは毎月の生活費とは切り離しやすい「まとまった資金」であることが多く、すぐに使う予定がないお金の置き場所として、個人向け国債や地方債は選択肢の一つになります。
個人向け国債や地方債は1万円という少額から購入でき、なかでも国債は中途換金時も原則として元本割れしない設計になっているため、預貯金に近い感覚で保有できる点が特徴です。
株式のようにまとまった単元数をそろえる必要がなく、ボーナスの一部だけを振り向けるといった使い方もしやすいでしょう。
個人向け国債:7月は3タイプとも金利アップ、8月分は8月5日に条件決定
2026年7月募集分の適用利率は、変動10年が1.80%、固定5年が1.95%、固定3年が1.56%で、6月募集分(それぞれ1.74%、1.86%、1.51%)からいずれも上昇しました。
8月分は、8月4日に実施される国債入札の結果を受けて、翌8月5日に発行条件が決定される予定です。
募集期間は2026年8月6日(木)〜8月31日(月)、発行日は2026年9月15日(火)を予定しています。
ボーナスの振り向け先を探している方は、条件決定後の利率をチェックしてから検討するとよさそうです。
地方債:7月の10年債で最も利率が高かったのは愛知県債
地方自治体が発行する地方債は、一部の銘柄でついに利回り3%を突破しました。
7月に登場した高格付け債一覧
最も利率が高かったのは愛知県債(発行額120億円、発行日7月24日、償還2036年7月24日)でした。
ただし、この利率差は自治体の信用力の差ではありません。
多くの自治体は国債金利に対して同じ上乗せ幅(対国債スプレッド+20.0bp前後)を乗せて発行する仕組みのため、条件決定のタイミングによって基準となる国債金利自体が変動したことが利率差として表れているに過ぎません。
このほか、37の地方公共団体が連帯債務を負う形で発行する「共同発行市場公募地方債(共同債)」の10年物は、7月7日に3.027%で条件決定しています。
8月分は条件決定予定日が8月6日(木)、発行予定日は8月25日(火)、発行予定額は890億円です。
地方債は国債に比べて利率が高めな一方、すべての銘柄が個人向けに販売されているわけではないため、購入前に取扱証券会社のラインナップを確認する必要があります。
ボーナス運用で気をつけたいポイント
生活防衛資金は残しておく:個人向け国債は発行から1年間、原則として中途換金できません。ボーナスの全額を投入せず、当面使う予定のない範囲にとどめましょう
地方債は流動性がやや低め:満期まで保有する前提で購入し、途中売却が必要になった場合は市場価格次第で元本割れする可能性がある点を理解しておきましょう
実際に購入する際は、財務省や地方債協会の公式発表、および取扱証券会社の最新の発行条件を必ず確認してください
参考
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
