この記事はここがポイント
- 個人向け国債(変動10年)の2026年9月募集分の初回適用利率は、年1.95%になる見通し
- 10年利付国債の入札結果により、基準金利となる複利利回りは2.96%に決定し算出されたもの
- 前月8月の利率年1.87%から0.08%上昇し、3カ月連続の上昇傾向
1日、財務省において「10年利付国債(第383回)」の入札が行われました。
長期金利が一時2.990%をつけるなかでの入札となりました。
発表された入札結果を受けて、個人向け国債(変動10年)の基準金利となる複利利回りは2.96%に決定。
これに決められた計算式を当てはめると、次回発行分(9月募集分・第198回債)の初回適用利率は、1.95%になる見通しとなりました。
長期金利が大きく変動する市場環境のなか、個人向け国債では受け取る利息がどう変わるのか、速報で解説します。
そもそもなぜ「見通し」がわかるの? 利率の算出方法
個人向け国債(変動10年)の利率は、「プロ向けの発行金利」をベースにするという厳格なルールがあります。
具体的には、以下の計算式で算出されます。
基準金利(※)×0.66=個人向け国債(変動10年)の適用利率
(※)基準金利:10年固定利付国債の入札における平均落札価格を基に計算される複利利回り。
1日に行われた入札で、取引基準となる金利(複利利回り)が2.96%に決定しました。
これに「0.66」を掛け合わせる(小数点以下第3位を四捨五入)ことで、私たちが手にする利率が年1.95%になる見通しとなったのです(2.96%×0.66=1.9536%→1.95%)。
前月(8月)の金利と比べるとどうなった?
債券投資で大切なのは、「金利のトレンド(方向性)」を読むことです。前回の入札結果と今回の利率を比較してみましょう。
前月(8月4日入札)
算出の起点になる基準金利は「2.83%」
これに基づく個人向け国債(変動10年)の利率は年1.87%でした(2.83%×0.66=1.8678%≒1.87%)
今月(9月1日入札)
算出の起点になる基準金利は2.96%
2.96%×0.66=1.9536%
1.9536%の小数点第3位を四捨五入すると1.95%
このため9月募集分の利率の見通しは年1.95%となります。前月に比べて利率は0.08%上昇する見込みで、7月から8月にかけての上昇幅(0.07%)をやや上回るペースとなっています。
今回の入札では、応札倍率が約3.29倍と、8月の約2.56倍を上回りました。
価格競争入札における募入最低価格(97円64銭)に対応する最高利回りが3.011%となり、3%の大台に乗りました。
募入平均価格(97円76銭)に基づく平均利回りも2.995%と、いずれも高水準での落札結果となっています。
今後のスケジュール
個人向け国債(変動10年)第198回債の募集期間は9月3日〜30日、発行日は10月15日の予定です。
財務省は正式な発行条件(適用利率)を「募集期間開始日の前営業日に公表予定」としており、これに沿えば9月2日に発表される見通しです。
記者コメント
長期金利の上昇トレンドが続くなか、個人向け国債(変動10年)の適用利率は3カ月連続で上昇し、9月募集分では年1.95%になる見通しとなりました。
半年ごとに利率が見直される仕組み上、今後も市場金利の動向次第で受取利子が変わっていく点を踏まえたうえで、他の金融商品との比較や自身の資金計画と照らし合わせながら検討することが大切です。
正式な発行条件は9月2日に財務省から発表される見通しのため、最終的な数値は公式発表で確認してください。
参考
免責事項
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フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
