金の投資信託を選ぶ時の「3つのチェックポイント」
金(ゴールド)の投資信託といっても種類はさまざまあります。
実際にNISAで金のファンドを選ぶ際は、以下の3点を確認しましょう。
為替ヘッジの「あり・なし」
金は一般的に「米ドル建て」で価格が決まるため、円で購入する私たちは為替の影響を受けます。
為替ヘッジあり
- 為替(円高・円安)の影響を抑え、純粋な金価格の変動に連動する。
- 円高による損失を防げる反面、ヘッジコストがかかる。
為替ヘッジなし
- 金価格に加えて「円安ならプラス、円高ならマイナス」の影響をダイレクトに受ける。
- 近年のような円安局面では有利に働くが、今後の為替動向をどう見るかで選択が変わる。
信託報酬(保有コスト)の低さ
投資信託を保有している期間中ずっと差し引かれるのが「信託報酬」です。
長期の積立投資が前提となるため、できるだけ信託報酬の低いファンド(年率0.1〜0.2%台など)を選ぶことが重要です。
純資産総額の規模
ファンドの規模を示す「純資産総額」が小さすぎると、途中で運用が終了してしまう(繰上償還)リスクがあります。
順調に資産が積み上がっている、あるいは十分な規模(目安として数十億円以上)があるファンドを選ぶと安心です。
金はあくまで「守りの資産」の一部に
近年の乱高下を見ていると、「値上がり益」を期待して資産の多くを金に回したくなる人もいるかもしれません。
しかし、金投資には株式の配当や債券の利息のような「インカムゲイン」がない点には注意が必要です。
これは現物資産に限らず、金の投資信託であっても同様です。ファンドから原則として分配金は出ないため、利益はあくまで「値上がりしたときの売却益(キャピタルゲイン)」のみとなります。
そのため、金投資では株式や債券のように「得た利益を再投資して雪だるま式に資産を増やす『複利効果』」を狙えないことを押さえておきましょう。
こうした理由から、金投資の基本は資産を大きく増やすためではなく、「万が一のときに資産を守るためのクッション」として位置づけるのが鉄則です。
預貯金や株式(インデックスファンド等)、債券など、複数の資産に分散して投資する中で、ポートフォリオ全体の5〜10%程度を金に割り当てるイメージが目安の一つ。メインの資産が暴落したときに、金がその衝撃を和らげてくれる期待があります。
まとめ
2026年に入り、5400ドルの最高値から4000ドル前後へと大きく動いている金相場。
価格の先行きを完全に予想することはできませんが、「NISA」と「積立投資(ドル・コスト平均法)」を組み合わせることで、高値づかみのリスクを抑えながら守りの資産を築いていくことができます。
「資産を大きく増やしたいのか」「有事に備えて守りたいのか」。投資の目的はひとそれぞれです。ご自身の投資意向や全体のポートフォリオのバランスを考えながら、まずは月々1000円程度の少額から「金の投資信託」を検討してみてはいかがでしょうか。
【免責事項】
- 投資にはリスクが伴います。
- 本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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三菱UFJ銀行・三井住友信託銀行で15年以上のキャリアを築き、自身も20年以上の投資経験を持つ。現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『LIMO』でお金に関する記事を企画・執筆・監修中。
PROFILE
一種外務員資格(証券外務員一種)。大学卒業後、株式会社三菱UFJ銀行にて後方事務や法人営業部門のアシスタント事務を経験。その後、三井住友信託銀行に転職し、資産運用アドバイザー業務に約10年間従事。現役世代からシニア層、富裕層まで延べ1000名以上の個人顧客に対し、資産運用コンサルティングや承継対策を提案。社内表彰歴多数。
15年以上の金融機関キャリアに加え、自身も20年以上の投資経験(投資信託・株式・FX・金など)を持つ。現在は、くらしとお金の経済メディア『LIMO(リーモ)』、および専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』にて、企画・執筆・編集・監修を幅広く担当している。
金融のプロ・現役投資家・生活者(出産・育児経験)の3つの視点から、NISAや投資信託をはじめとするファイナンス領域を主軸に、その土台となる年金制度や社会保障、住宅ローン、相続まで横断的に分かりやすく解説。